秋田県大館市の名物は比内地鶏。稲庭うどんによくあうし、蕎麦とも相性が抜群だ。そして今年もまた、比内町の片貝家ノ下遺跡で「奇跡の発見」があいついだ(
LABLOG 2G参照)。ところで、わたしは本当に大館まで足を運んで遺跡を観察したのだろうか。じつは、出張のふりをして現地研究者から情報を得ているだけではないか?
今年度の後期から、出張後の「証拠品」の持ち帰りに厳しい規制が設けられ、9月の教授会で通達された。さらに、出張前には事務局からメールで確認事項が連絡されてきた。以下、引用しておく。
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出張へ行かれた証拠として、
①飛行機の場合…搭乗券の半券 プラス下記のもの
②用務地(この場合「大館市」)でのコンビニ等で購入されたレシート等
…レシートに大館市(店名や住所)と日付がある必要があります。
③地鶏写真…大館市と書いてあるもの(電柱標識等)+ご自身が写っている
必要があります。
①+②、かあるいは①+③か、必要となりますので、よろしくお願いいたします。
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帰学後、まず秋田の知人から送信されてきた新聞記事(↑)をメールとともに事務局に転送した。
これはバツ。「証拠品とは認められない」そうです。新聞に日にちが入っていないから、という主張。しかしながら、転送したメールにはオリジナルメールの日付データ(11月15日)が入っているし、新聞記事を読むと、13日に現場公開があり、●●教授がかくかくしかしじかコメントした、と書いてある(14日は休刊日であり、15日に報道された)。これが証拠にならない、というのはイヤガラセでしかない、と個人的には思っている。次に下の写真を送信した。
これもバツである。どこの発掘現場なのか分からないからね。結果、バツ2となって、吉川某孔と並んでしまった。それは冗談として、③の「地鶏写真」とは無茶な要求ではありませんかね。みんなスマホをもっているわけじゃない。わたしたちのように、ガラケーと一眼レフで生きている人間は、どうやって自撮りすればよいのか、方法を教えていただきたいものだ。地鶏棒なんて何の役にも立たないのだから。地鶏不可能な輩は、どなたかに撮影を頼むしかない。理由を説明して撮影をお願いし、笑われた。いちばん上のVサインしているスナップは、知人が撮影した最初の1枚である。これは駄目だね。現場が映らなきゃ意味ないので、撮り直していただいた。まわりにいる研究者たちもみな笑っていた。国立の研究所は私たちより公費出張に厳しいのだが、地鶏要求などされてはいないと後輩は言った。
取り直したのが上↑の写真である。繰り返すけれども、これでは❌なんです。ちなみに、提出はしなかったが、下左の写真はどうだろう? ニプロの工場が映っている。
左が当日の写真で、右のサムネイルは秋田県埋蔵文化財センターの展示パネル写真である。右にも左にもニプロが映っている。きっと、これでもバツだと言うだろう。しかしながら、「③地鶏写真…大館市と書いてあるもの(電柱標識等)+ご自身が写っている必要があります」という指示に対して忠実に応えるのは不可能だと思われる。まず時間におされている。人の車に乗せていただいているばかりか、同乗者もいる。いったいどこの電柱に「大館市」と書いてあるのだろうか。往きは現場公開に間に合わせるため急いでいるし、帰りは夕暮れで電柱の文字などまともにみえるはずがない。
②も面倒くさい。山中のへんぴな場所にある遺跡なので、周辺にコンビニもお店もない。同乗者は大館能代空港をめざしていた。大館能代空港は北秋田市にある。だから、コンビニをみつけたとしても、大館市に所在するとは限らないのだ。今回の場合、途中で立ち寄ったローソンは大館市内にあったから良かったものの、いつもの癖で領収書を捨ててしまいそうになった。
結果としていうならば、現場公開の冊子とコンビニ・レシートが良しと判断され、わたしは大館市に出張したと認定された。しかしながら、13日付けの現場資料にしても、レシートにしても、レターパックで郵送してもらえば、15日までに大学に確実に届いただろう。
わたしは本当に大館に出張したのだろうか。秋田魁新報の記事は親しい記者が嘘を書いたのかもしれないね。
- 2016/11/22(火) 03:14:10|
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