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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

運命

 前期の講義もすべて終わり、期末レポートの集まる時期である。わたしに残された大学生活は、あと1年から、あと半年まで一気に縮まってしまった。最後の一年だからなのか、「先生がいるのでこの大学に来たのに」とか「先生のゼミに行くつもりだったのに」とか告白してくれる学生が少しだけいる。以下はわたしの所属する環境学部ではなく、経営学部4年生のレポートの感想部分である。恥ずかしいけれども、ここに匿名で転載させていただく。最後の1年ということでお許しいただきたい。

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 私は、浅川先生の授業を受けられることを毎週楽しみにしていました。今まで、考えたことも気にしたこともなかった世界の住居の話や文化の話について触れ、同じ地球で生きていても、様々な生き方や考え方があることを知りました。外国の人々が日本に与えてくれた文化や生活スタイルの影響、時代の変化とともに、「今」私は生きているのだと感じました。戦争のある時代の日本に生まれたわけでもなく、紛争が絶えない国に生まれたわけでもない、私がこうして当たり前のように生きている「今」は決して、当たり前ではなく、かけがえのない大切な時間であるという事を改めて感じさせてくれました。私は、メンタルが弱く、よく悩み、よく泣き、度々生きることが嫌になり「死にたい」と思うことが多いです。しかし、生きていれば楽しいことも幸せなことも、辛いことに比べれば少しかもしれないけど必ずあって、どちらであっても「今」を生きることができているその有難さをもっと大切にしていかなければならないと強く感じることができました。生きていたからこそ、先生と巡り合うことができて、私はこの上なく嬉しいです。
 今回のレポートを書くうえで、講義資料を見直していると、「釈迦は臨終に際し、『パドマサンバヴァとしてウゲン国に転生する』と予言を残した」という文章を見て、鳥肌が立ちました。映画の主人公の名「ウゲン」という文字があったからです。関係はきっとありますよね、よくできた作品です。
 今回、最終講義でDVD「ブータン 山の教室」を視聴し、人との出会い・絆、本当の「幸せ」、自分の居場所、「運命」について非常に深く考えさせられました。授業中であるにも関わらず、この映画には、とても感極まり涙が出ました。ヤクとヤク飼いの絆、ウゲンとルナナ村の人たち・子どもたちとの絆に、胸が熱くなり、ウゲンがオーストラリアで「ヤクに捧げる歌」を歌った時には、涙を堪えるのに必死でした。
 生きる中で、本当の幸せとは何なのか、自分の居場所はどこなのか、考える時があります。ウゲンもきっと考えたと思います。幸せを求めるために、オーストラリアに行ったけど、そこはウゲンの居場所ではなかったのではないかと感じます。自分の好きなことができるから本当の幸せなのか、大きいことを成し遂げるから幸せになるのか、どれもきっと違うと思います。本当の幸せは、身近にあり、それに気が付くことができるかどうかで人の生き方は変わってくるのだと感じました。大きな幸せを求めなくても、周りをしっかりと見渡せば幸せがあって、自分の居場所が生まれるのだと思います。私は浅川先生に出会い、自分を肯定してくれる存在ができたことがとても嬉しかったです。木曜日の3限の100講義室は、私のひとつの居場所であり、あの90分間は自分の好きな自分でいられる時間でした。先生と出会えたことには 「運命」を感じています。
 「先生」というのは、授業をしてくれる人のことだけではないと思います。自分に寄り添い、自分の人生を支えてくれる存在、生きるうえで大切なことを教えてくれる存在はみな「先生」です。その「先生」や教えてくれることを大切にしようとする気持ちがなければ、「学び」の価値は薄く、逆に、大切にする気持ち・ 思いやる気持ちはイコール「純粋で謙虚な心であり、その心を持つ人には幸せがついてくる」と、映画中の歌にありましたが、私もそう思います。
 私は、自分のことを認めてくれて、支えてくれる浅川先生に出会い、1つの幸せ を手に入れることができました。私のかけがえのない人生の1ページに浅川先生の記憶が刻まれたこと、嬉しい限りです。本当にありがとうございました。(KM)

  1. 2024/07/31(水) 16:02:08|
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