「ニアネス・オブ・ユー」は1940年代に作曲されたスタンダードでして、古くはエラとサッチモ(↑)、サラ・ヴォーン、ヘレン・メリルなどの名唱があり、近年ではノラ・ジョーンズやロッド・スチュアートのカバーもよく知られているところでしょう。ここで話は飛びます。ジャズの世界では「青本」と略称される楽譜集がでまわっている。表紙が青いから「青本」と呼ばれているのですが、正式書名は『ザプロフェッショナル スタンダードジャズ ハンドブック 』(2006)。練習やジャム・セッションで、プロもセミプロもみなこの本を使っているらしいのですが、じつは評判が芳しくありません。そこで、小生は最近『ジャズ・スタンダード・バイブル -セッションに役立つ不朽の227曲』(2010)という楽譜集をとりよせました。表紙が黒いから独断で「黒本」と命名しましょうかね(じつは赤本も緑本もあります)。アコギ系の楽譜に例えるならば、『セメント・フォーク大全集』みたいなもんですね。この黒本の評判はなかなか良いのですが、ざっと曲目をみわたしたところ、「ニアネス・オブ・ユー」が含まれていない。あぁぁと嘆息しつつ、青本の曲目リストをみると、「あなたのそばに」という訳題でちゃんと入っているではないの。困ったなぁ・・・青本も買おうかな・・・高い楽譜集なんですよね。 さて、neaness of you というタイトルは、上に示したように、「あなたのそばに」という訳で申し分ありません。ネッド・ワシントンが作詞した原文を読むと、「お月さまよりも会話よりも、とにかくあなたが傍(そば)にいてほしい」と訴えてます。