二人の悪魔と悪魔に魅入られた少年、悪魔を魅入らせた少年の話も今回で最終回。
セバスチャンとクロードの戦いはまあ、さもありなんて感じで重要だったのは
アロイスがハンナと結んだ契約の全容。まとめると、
セバスチャンかクロードの死
悪魔執事の忠誠(クロードの最後の台詞)
そして、シエルを悪魔として蘇らせること
の3つって解釈でいいんですよね。最後クロードの側で果てていたハンナですけど
ルカの魂と溶け合ったみたいな事いってたから
アロイスの望みが叶えられて本望だったんでしょうな。
決してクロードに惚れたってわけじゃなく中に取り込んだ二人の魂が
そう行動させたんでしょう。これも一つの幸福の形ではありますね。
全員死んでるけど当事者たちはハッピーエンドぽいからいいのか。

そして、シエルとセバスチャンの二人。完全に記憶を取り戻し悪魔にさせられた
シエルですけど、一旦死を受け入れているからこその余裕かえらく達観した物腰でした。
生前親交の厚かったモノたちとの最後の別れをこなしつつ、自堕落に生きることはなく
これからの永遠とも言えるセバスチャンとの日々を喜びもせず悲嘆もせず
淡々と受け入れる様は毅然としたいつものお坊ちゃんでしたね。
一方セバスチャンは魂をとれず、隷属する誓いをたててしまったからなのか
終始ふくれっ面のように受け取れました。悪魔にとって契約は絶対みたいなので
裏切るなんてことはできないんでしょうね。その冷ややかな目で
今後も坊ちゃんの執事として小言を言われる日々が続くのでしょう。合掌。
二人の新しい門出を彩っているのは色彩も弱く、暗い花々。永遠の命を手に入れ
永劫の時を過ごすかもしれない二人には退廃的で生の香りがしない
幻惑的な演出が似合いますね。死は美しい…か。

ま、総論として2期のが1期よりシエルとセバスチャの二人に
焦点を合わせて描かれていたので無駄なエピソードがない分退屈はしませんでした。
不条理な悪魔ギャグも多めでしたしね。
でも私にはシエル、セバスチャン、アロイス、クロード、ハンナ、
各キャラクターが抱えている心情が理解できても、どうしても共感ができず
物語に入る込むこともそれを面白いと感じることもできませんでした。
やることがいちいち突拍子もなくてどうにもね。
まあ好みの問題でしょうけど。
記憶を取り戻し、悪魔となっていつまでも二人一緒の主従関係。
これ以上ないハッピーエンドでしたけど明るい空気には決してしないで、
セピア色で儚いラストに仕上げるのがいかにも女性的だなあと思いました。
壊れそうで生の空気を感じないモノにこそ美しさを見出すのは
女性向け作品一般に通じるところがある美意識だと私は思います。
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