(まさかイチさんに萌えることになるとは)
さらい屋五葉 第12話の所感です。
頑なに閉ざされていたヤイチの心の中にずーっとくすぶっていたもの。
ヤイチが自分を誤魔化して生き、前に進めない原因であった本物のヤイチの真実。
逆上して旧知の盗賊を殺していましたけど、思えばあの人の嘘も
同情から出たものなんじゃないかと。
そうじゃなきゃ、あんな台詞呟いて死んだりしないって。
一概に誰が悪いって割り切れないのが世の常ですが、ままならないよなあ。
盗賊とはいえ弟分として目にかけていた結果がこんなことになるなんて。
はぁっとため息をついて空を仰ぎたくなりますね。
最終回だけマサがやけにイケメンになってた。ヤイチのことを心配して
奔走する姿は女性たちからは黄色い声でもあがるんじゃないかと思うほどの友情劇。
そして最後は1話でマサがやられていたことをリフレインして終わりとか。
思わずクハーっと嬉しいため息が出ますね(笑
間を大切にした演出を前面に押し出しているので、画面に動きがなくて
手抜きにも見えそうですけど、この雰囲気を落ち着いた物腰のシックな演出だと
感じる人にはどっぷり浸かれる作品だと思います。
アコーディオン?がメインのBGMも耳に残る印象的なものでした。
時代物の人情話が好きな人には見てもらいたいですね。
万人受けはしないだろうけど、ここは評価をAランクにしたいと思います。
雰囲気アニメと揶揄されそうですが、感情を表立って出さずに
端々に匂わせてくる演出は中々に味わい深いものがありますよ。
居酒屋が根城だったせいか、ご飯や酒を飲むシーンが非常に多かったので
胃袋が多分に刺激された作品でした。
ん、なんか図らずも今期のノイタミナ枠は揃って男の友情で〆だったな。
私男だけど、こういうのもありだと思う。
ランクの説明は
こちら
(あんま言いたかないですが、大人向けアニメですね)
さらい屋五葉 第01話の所感です。
腕は立つけど、目立つのが苦手で藩から暇を出された
うだつのあがらない浪人「アキツ マサノスケ」が主人公みたい。
食い扶持をつなぐために用心棒の職を探すも、気弱な性格が雇い主にも
見透かされているようで、すぐにお払い箱になる始末。
そんな彼が人を拐かす「さらい屋」を稼業としている男「ヤイチ」と出会うといった流れ。
家や藩といったしがらみに雁字搦めになっているマサノスケが
飄々としたヤイチの生き様に魅せられながら江戸の町人たちの厄介事に
首を突っ込んでいくってとこでしょうか。
さらい屋について、義賊めいたことを言っていますけど、金をとっていることに
変わりはないわけで。そこら辺を割り切って仕事としてやっているとこが
落ち着いた大人の情感ってやつ?そんな雰囲気を醸し出していると思います。
世界の色彩や内容的に煌びやかな演出や分かりやすい魅力ってのが
期待できそうにないので、得てして退屈だと思われる方も多いでしょうが
こういう味のある作品があってもいいんじゃないかと。
今のまま、派手すぎず、深い感動を与えるでもなく、大仰な物語もやらず
手の届く範囲の話で、傍らにいながら少しだけ心を震わせてくれる。
さりげない面白さを演出してくれることを期待します。
劇中に出てきた酒、蕎麦、銀シャリに漬物。どれも旨そうだったなぁ。