(非常に教材ライク)
もしドラこと、
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
の所感です。
去年の半ばあたりにやたらと電車広告で見たビジネス書の入門書のさらに
入門編がこのアニメの立ち位置なんでしょうね。
組織を動かす、人を動かす、何のために?どうやって?何をすべき?という
マネージメントという役割を高校野球を題材に
女子高生のフィルターで分かりやすく教えてくれるアニメ。
構造的に歯車にならざるを得ない割合が多い世の中においては
新鮮に受け取る人も多いのかもね。
原作が原作なので、まるで進研ゼミの販促漫画のように困ったときには
ドラッカーだぜ!とガシガシと本を読んだり、言葉を引用してくるのが
このアニメの限界であり、役割。感動のシーンでマーケティング云々とかね(笑
物語の体はとっているので、涙要素は用意してありますけど
人間ドラマは希薄で、野球的な描写も適当そのものです。
ノーバント、ノーボールの理論的な補足もあまりないしね(笑
それでもラストのほうで少し涙ぐんでしまったのは
最初から最後までぶっ通しで見たせいか、声優の演技力のなせる業か
単に私がおっさんだからなのか定かではありませんが。
まあ、ここら辺をいくら突っ込んでも詮無きこと。
肝心のマネージメント入門編としては、面白い題材になっていたと思います。
こんな視点で物事を考えもしなかった層には、わりと楽しく映るんじゃないでしょうか。
これをきっかけに原作(もちろんドラッカーのほう)に手を出すってのは
ありな流れですよね。
ただ、アニメとしての出来はお話のお粗末さを抜きにしても
作画レベルで色々と手抜きなのが分かる残念仕様。
この作品に作画力や演出のセンスは不要というマネジメントがされたとしか
思えない内容でした(笑
一瞬でしたが、両軍のベンチが向かい合う真四角の球場もありましたしね。
そんなんで、アニメとして楽しむものではなくて
図書館でよく見た歴史を題材にした漫画を見るような感覚で
絵やお話はおまけ程度として受け取るのが妥当な印象です。
ドラマ成分はそれの3割増ってところかな。
ランクはCでお願いします。人によっては評価は違うかもですが
あくまでアニメ単体として見た上でってことで。
んー、もっと気合入れて作ってやればいいのに。コストと納期がカツカツだったのかな。
非常にNHK教育なアニメでございました。