$1で楽しめる、ヒストリカルロマンスへの誘い(Kindle 版)
前回、Kindle 用の$1Bookを3冊ほど紹介した際に、ヒストリカルロマンス(大概は19世紀のイギリスを舞台にした恋愛小説)に頻繁に出て来る単語として、wallflower と spinster という2つの単語に触れました。
折角なので、自分の知識も整理するために、もう少し必須単語(用語)について書いてみようかと。
先ずは登場人物に関して。
ヒストリカルロマンスに登場する主人公(ヒーロー)の多分(私のイメージでは)95%くらいは貴族階級に属しています。
ヒストリカルロマンスの舞台になることが多い1800年代(19世紀)、爵位を持った貴族の数は300人~400人くらいだったようです。
階級(爵位)は、上から順に以下の5種です。
これらの爵位は、先祖の功績によって与えられるのですが、公爵は基本的に女王(王)の近しい親族にあたります。日本の江戸時代で言うと、御三家(尾張、紀州、水戸徳川家)みたいなイメージかな。
呼び方(呼称)ですが、公爵だけが Your Grace (夫人も)と呼ばれ、それ以下の階級では My Load (夫人は My Lady)となります。
Good morning, my Load. とか、Good evening, your Grace. みたいな感じで使われます。
またヒーローの大多数は貴族階級に属していてと書きましたが、印象的には伯爵(Earl)が一番多いような感じがします。その次が子爵(Viscount)、公爵(Duke)かな。侯爵(Marquess)が主人公になるのはあまりなくて、男爵(Baron)が主役というのは(これまで読んだ中では)記憶にありません。
そう言えば、レイディー(Lady)という言葉は今となっては一般的ですが、この時代でレイディーというのは、公爵、侯爵、伯爵の娘のことなんですよね。
そして、ヒロインも当然の流れとしてレイディーである場合が多い(ほとんど?)ような気がします。
貴族は、それぞれ領土を持っていて、この領地からの利益(農作物など)が基本的には彼らの収入でした。その意味では、日本の江戸時代を引き合いに出してくると、このイギリスの貴族階級と日本の大名(藩主)とは同じような立場にいたと考えると分かり易いかもしれません。
日本の江戸時代の藩の数は300弱と言われています。この300弱の藩主で日本の国土の75%くらいを所有していたとのことですが、イギリスの場合は300~400の貴族が、イギリス全土の17%くらいを所有していたようです。
小説の中に、たまに tenant という言葉が出てきますが、カタカナにするとテナントですね。これは、この領地内の借家人、借地人という意味です。
爵位は(領地も)世襲制であり、爵位を持っていた者が亡くなると同時に、持っていた者に1番近い血縁の男子が爵位を継承することになります。
通常で言えば長男です。子供がいなかったり、娘だけだったりすると、継承者は弟や甥や従兄などに移っていきます。この継承者を表す言葉が heir です。
Heir がいないと、爵位は王に返還し、領地も没収されることになるので、この heir は小説の中でも度々重要な問題になってきます(夫人に男の子が生まれないとか)。
子供のことで言うと、bastard という言葉もよく見かけます。カタカナでバスタードって言うと、“ろくでなし” みたいなイメージを持っていますが、実際には(軽蔑の意味も含めて)私生児を表しています。
bastard の代わりに illegitimate という言葉が使われることもありますが、例えば主人が召使に生ませたといった「未婚の両親から生まれた非嫡出子」のことです。
女性に関わる言葉で本当に頻繁に出て来るのが ruined という単語。普通に訳すと、台無しにされた、没落した、という感じでしょうか。
どういう時にこの単語が使われるかというと、第3者がいない(薄暗がりの)場所で、男女が一緒にいるところを見られてしまうと、例えそれが偶然はち合わせたことであっても、あるいは単に立ち話をしていたに過ぎなくても、女性は ruined の状態になります。特に上流社会のレイディーにとっては。
ということで、私が感じたニュアンスで言うと、“傷もの” かな。
状況によっては、もっと軽い感じ(例えば馬車に2人で乗っていた)でも、ruined の状況になる可能性はあるので、それを避けるために登場してくるのが、これまた頻出の chaperon という単語です。
日本語にすると付添い人、付き人となります。社交界にデビューする若い女性などは、シャペロン役の年配の女性がピッチリとはり付いたりします。
勿論、ここで紹介した単語だけでヒストリカルロマンスが読めるようになるわけではありませんが、どんな感じで話が展開していくか、イメージの片鱗くらいは垣間見えませんでしたか。
いずれにせよ、ロマンス小説は気楽に英語本を楽しむには格好の材料なので、まだ読んだことないって人は是非ともチャレンジしてみて下さい。
折角なので、自分の知識も整理するために、もう少し必須単語(用語)について書いてみようかと。
ヒーローの95%は爵位を持った貴族

ヒストリカルロマンスに登場する主人公(ヒーロー)の多分(私のイメージでは)95%くらいは貴族階級に属しています。
ヒストリカルロマンスの舞台になることが多い1800年代(19世紀)、爵位を持った貴族の数は300人~400人くらいだったようです。
階級(爵位)は、上から順に以下の5種です。
公爵(Duke) (侯爵夫人:Duchess)
侯爵(Marquess) (侯爵夫人:Marchioness)
伯爵(Earl) (伯爵夫人:Countess)
子爵(Viscount) (子爵夫人:Viscountess)
男爵(Baron) (男爵夫人:Baroness)
侯爵(Marquess) (侯爵夫人:Marchioness)
伯爵(Earl) (伯爵夫人:Countess)
子爵(Viscount) (子爵夫人:Viscountess)
男爵(Baron) (男爵夫人:Baroness)
これらの爵位は、先祖の功績によって与えられるのですが、公爵は基本的に女王(王)の近しい親族にあたります。日本の江戸時代で言うと、御三家(尾張、紀州、水戸徳川家)みたいなイメージかな。
昔のレイディーって、今とは全然違う意味合いだったのね

Good morning, my Load. とか、Good evening, your Grace. みたいな感じで使われます。
またヒーローの大多数は貴族階級に属していてと書きましたが、印象的には伯爵(Earl)が一番多いような感じがします。その次が子爵(Viscount)、公爵(Duke)かな。侯爵(Marquess)が主人公になるのはあまりなくて、男爵(Baron)が主役というのは(これまで読んだ中では)記憶にありません。
そう言えば、レイディー(Lady)という言葉は今となっては一般的ですが、この時代でレイディーというのは、公爵、侯爵、伯爵の娘のことなんですよね。
そして、ヒロインも当然の流れとしてレイディーである場合が多い(ほとんど?)ような気がします。
貴族は、それぞれ領土を持っていて、この領地からの利益(農作物など)が基本的には彼らの収入でした。その意味では、日本の江戸時代を引き合いに出してくると、このイギリスの貴族階級と日本の大名(藩主)とは同じような立場にいたと考えると分かり易いかもしれません。
日本の江戸時代の藩の数は300弱と言われています。この300弱の藩主で日本の国土の75%くらいを所有していたとのことですが、イギリスの場合は300~400の貴族が、イギリス全土の17%くらいを所有していたようです。
小説の中に、たまに tenant という言葉が出てきますが、カタカナにするとテナントですね。これは、この領地内の借家人、借地人という意味です。
どこの国でも “お世継ぎ” は大事な問題

通常で言えば長男です。子供がいなかったり、娘だけだったりすると、継承者は弟や甥や従兄などに移っていきます。この継承者を表す言葉が heir です。
Heir がいないと、爵位は王に返還し、領地も没収されることになるので、この heir は小説の中でも度々重要な問題になってきます(夫人に男の子が生まれないとか)。
子供のことで言うと、bastard という言葉もよく見かけます。カタカナでバスタードって言うと、“ろくでなし” みたいなイメージを持っていますが、実際には(軽蔑の意味も含めて)私生児を表しています。
bastard の代わりに illegitimate という言葉が使われることもありますが、例えば主人が召使に生ませたといった「未婚の両親から生まれた非嫡出子」のことです。
最初の頃、シャペロンって何? って思ってました

どういう時にこの単語が使われるかというと、第3者がいない(薄暗がりの)場所で、男女が一緒にいるところを見られてしまうと、例えそれが偶然はち合わせたことであっても、あるいは単に立ち話をしていたに過ぎなくても、女性は ruined の状態になります。特に上流社会のレイディーにとっては。
ということで、私が感じたニュアンスで言うと、“傷もの” かな。
状況によっては、もっと軽い感じ(例えば馬車に2人で乗っていた)でも、ruined の状況になる可能性はあるので、それを避けるために登場してくるのが、これまた頻出の chaperon という単語です。
日本語にすると付添い人、付き人となります。社交界にデビューする若い女性などは、シャペロン役の年配の女性がピッチリとはり付いたりします。
勿論、ここで紹介した単語だけでヒストリカルロマンスが読めるようになるわけではありませんが、どんな感じで話が展開していくか、イメージの片鱗くらいは垣間見えませんでしたか。
いずれにせよ、ロマンス小説は気楽に英語本を楽しむには格好の材料なので、まだ読んだことないって人は是非ともチャレンジしてみて下さい。
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