起床後の手順はいつも通り。
42という数に宇宙的意味があるかどうかは未解決問題だが、咀嚼の粘性最適化という点では統計的にかなり良い。
ルームメイトはまだ寝ている。彼は昨夜、コーヒーを22時以降に飲んだ。明らかな戦略ミスだ。
カフェインの半減期を理解していない人間は、量子重力を理解できるはずがない。宇宙は因果律で動く。消化器官も同様だ。
さて、研究の進捗。
今週ずっと考えていたのは、超弦理論のモジュライ空間における非可換ホログラフィック再構成問題だ。
通常のAdS/CFT対応では、境界の共形場理論がバルク幾何をエンコードする。しかしこの対応は局所性という暗黙の前提に依存している。僕が疑っているのはそこだ。
もし弦の基底状態を単なる幾何学的振動ではなく、∞-圏上の導来スタックとして扱ったらどうなるか。
普通の弦理論はこう考える。弦の振動モード→ スペクトル→ 有効場理論
しかし僕の仮説では、弦はそもそもスペクトルではなく高次圏の射のネットワークとして存在する。つまり粒子は表現ではなく関手の固定点だ。
弦状態 ≈ derived functor on a spectral stackという構造になる。
昨日の夜、僕はこの構造をミラー対称性の圏論的極限として書けるか試した。通常のホモロジー鏡対称性ではFukaya圏 ≅ 導来コヒーレント層圏になる。
でももし弦が∞圏レベルで自己参照しているなら、等価性はこう変形する。Fukaya∞ ≃ Coh∞ ∘ End∞
つまり圏の自己作用素が幾何を生成する。言い換えると、時空は圏の自己演算の副産物だ。
これは少し面白い。なぜなら、この構造だと時間が一次元とは限らない。時間はモジュライ空間のフローとして再解釈できる。
つまり宇宙は進んでいるのではなく、圏が自分自身を再配置している。
この見方だと、ブラックホール情報問題もかなり変わる。情報は消えない。そもそも局所的に存在していない。情報は圏の自然変換として保存される。
残念ながら、この理論はまだ一つ問題がある。計算が狂っている可能性だ。
昨日の計算では、モジュライの体積が負になった。幾何学で体積が負になるのは普通ありえない。
ただし仮想基本類(virtual fundamental class)を導入すると説明できるかもしれない。
宇宙が仮想クラスなら面白い。僕たちは実体ではなく積分の結果になる。
僕は答えた。
「もし宇宙が導来スタックなら、プリンの所有権も圏論的対象だ。君の質問は定義されていない。」
彼は理解しなかった。予想通りだ。
隣人は昨夜2時に音楽を流していた。音程がわずかに低い。平均で12セントくらいズレている。
普通の人間は気づかない。でも僕の脳は気づく。脳は音程検出器としてかなり優秀だ。残念ながら隣人の音楽的判断力はそうでもない。
友人Aは昨日また奇妙な宇宙論を話していた。
友人Bはインド料理を食べに行こうと言った。
さて、今日の予定。
午前6時:シャワー
そして午後。
もし僕の∞圏仮説が正しければ、弦理論のランドスケープ問題は少し変わる。宇宙の数は10^500ではない。
それはまだ計算できない。
でももしそれが有限なら、宇宙は驚くほど小さい理論で説明できる。