埼玉県茶業研究所を訪問しました - 2019.08.04 Sun
埼玉県茶業研究所
7月31日と8月1日の2日間、埼玉県茶業研究所を視察研修して来ました。今回は同研究所の高橋淳理学博士と梶浦圭一専門研究員からお茶の栽培方法を詳しく教えていただきました。埼玉県茶業研究所では、寒い地方でも栽培出来る良質なお茶を開発しているそうです。
【7月31日】
高橋淳理学博士と梶浦圭一専門研究員
埼玉県茶業研究所(以後研究所)に到着すると、さっそく2階の会議室に通され同研究所の高橋淳理学博士と梶浦圭一専門研究員(以後、高橋さんと梶浦さん)からお茶の栽培方法や加工方法などの指導を受けました。質問の内容はあらかじめ引率の内海さんに、日頃栽培していて困っていることや質問したいことなどを取り纏めて質問事項として研究所に報告してあったので、その質問事項に沿って指導を受けました。
ちなみに質問事項の内容としては、お茶の苗を3月末にこの研究所から購入し植え付けているのですが活着率が悪く3割程度が枯れてしまうこと。3年位前から白い綿毛のような虫が発生し秋になると枝や葉に黒い煤のようなものが付着し困っていること。加工場からは、佐渡ではすべての茶葉をほうじ茶に加工して販売してそこそこ高評価を得ているが、さらに品質を高めるにはどうしたらよいか、などでした。
研究所の高橋さんと梶浦さんとしては茶どころでもない佐渡の零細な質問を、狭山茶や佐渡と似た他の産地の栽培方法と対比しながら丁寧に教えてくれました。苗の植え付け方法については、またあとで詳しく紹介しますが、お茶の苗はなるべく深く植えること、潅水は植え付け直後はたっぷり与えるが、2年後3年後は与えない方がよい。それから苗に限らず成木になってからも収穫や剪定時期を誤ると、特に狭山や新潟(佐渡も含めて)のように寒い地方の産地は、枯らしたり品質を落としてしまうことが多いので気を付けなければならない、とのことでした。
白い綿毛のような虫の害については、話を聞いただけでは判定することは出来ないが、もしこれがクワシロカイガラムシ(以後クワシロ)であったら防除も困難になってくるが、私たちの話を聞いただけではどうも別の害虫、たとえばアオバハゴロモであれば放っておいても致命的な被害はないだろうとのことでした。
会議室でも講義のあと実際に研究所の圃場に出て、全国各地で栽培しているお茶の品種を見せて貰いました。遠目には同じようなお茶に見えても、なかには桜葉やバニラの香りがする品種や寒さに強い品種だとかクワシロに強い品種、逆に弱い品種、それからお茶にも早生の品種、晩生の品種があるとのことでした。
クワシロを捜してくれてます
この研究所でのこれまでの栽培結果では、全国各地でトップブランドとして栽培されている「やぶきた」がクワシロの被害を受けやすく耐寒性もあまり強くないので、狭山や佐渡のように寒い地方ではこの研究所で開発した「さやまかおり」のような耐寒性のある品種に切り替えた方がいいのかもしれないとのことでした。
圃場を歩いていたら寒冷紗をかけてある茶列があったので、何のためのこうしてあるのですか?と質問したら、ここは定植したばかりの茶列で黒いマルチを敷いてあったのだが最近の猛暑で生育が思わしくなくなってきたので試しに寒冷紗をかけてみたのだそうです。他の農家さんは寒冷紗をかけるなどよいうようなことをしてませんが、防風も兼ねて茶列の間に陸稲を植えるなどの工夫をしているみたいです、とのことでした。
圃場から会議室に戻る途中で加工場も案内してもらいました。6年前にこの研究所を訪問した時にも案内してもらったのですが、最近の抹茶ブームの影響で狭山でも抹茶を作るお茶やさんが増えてきたので、この研究所でも抹茶を作る機械を導入したのだそうです。
今回の視察研修では6年前に訪問した時より環境の変化や消費者の嗜好も変わって来ているということで、さらに新しい品種や栽培方法が開発されていることが分かりました。また高橋さんと梶浦さんも我々を指導するだけでなく、佐渡でのお茶の歴史や栽培方法、特に佐渡の江戸時代から継承されている在来種に興味を持ってくれ、可能であれば近いうちに案内してほしいとのことでした。
見事な茶園と埼玉県茶業研究所
また高橋さんに「来年の春に新品種のさやまあかりを植えてみたいのですが購入は可能ですか?」と訊いたら、「車で来られたのでああれば試験場のポット苗が在庫である筈なので、佐渡の環境に合いそうな品種をいくつか分けてあげますよ。佐渡でどのように育つか興味があるのです」とありがたいお言葉をいただきました。
【8月1日】
翌日はまた研究所を訪問しました。この日は6年前にもここを案内してくださった宮崎さんから狭山茶のあれこれをお聞きしました。ちなみに宮崎さんは数年前にこの研究所を定年退職されたそうですが、現在も狭山茶の普及活動でご尽力されています。
埼玉県茶業研究所の正面玄関に植えられた見事なお茶の植栽
拡大
狭山茶を熱く語る宮崎さん
6年前と同じように屋上へ案内されました
あの林の向こうが狭山ゴルフ場ですよ
研究所の見事な圃場
以前はすべて茶畑だったのですが、年々宅地化や他の農産物への移行でかなり減って来ています
研究所の反対側も狭山茶の茶畑
屋上から降りると品評会が始まっていました。
品評会で使うアルマイトのカップ
まずは100円でも買わないお茶をいただきました
でも宮崎さんが淹れてくださったお茶は美味しかったです
次に3000円でも売れるお茶を頂きました
たしかに私のような素人の口にもはっきり美味しいお茶だとわかりました。
お茶の品評会の途中で、わざわざ高橋さんが約束してくれてた新品種の苗を持って来てくれました。
高橋さんは「今は植付の時期ではないのでこのまま一冬過ごして、来年の3月、雪が消えたらこの位の高さまで深めに植えてください」と丁寧に植え付け方を教えてくれ、忙しそうに研究室の方に戻られました。ちょっと責任重大のような気もしますが、もしうまく栽培出来たら6年後には桜葉やバニラ風味の佐渡番茶が登場するかもしれないので、頑張って育ててみたいと思います。また楽しみがひとつ増えました。
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佐渡カケスの動画
埼玉県茶業研究所を訪問しました #1
埼玉県茶業研究所を訪問しました #2
埼玉県茶業研究所を訪問しました #3
埼玉県茶業研究所を訪問しました #3は、6年前に同研究所を訪問した時にお世話になった宮崎さんから狭山茶のあれこれを事細かに教えていただきました。
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埼玉県茶業研究所を訪問しました - 2019.08.02 Fri
7月31日と8月1日の2日間、JA佐渡のお茶倶楽部で埼玉県茶業研究所を訪問してきました。帰って来たばかりなので取材のビデオ編集や写真の整理はこれからなので、取り急ぎ旅の途中で発信したSNSのデータを使って簡単に経過報告をします。
以下SNSより
埼玉入間茶業研究所での研修を終えて佐渡に向かってます。研究所の高橋博士、梶浦さん、元研究所長の宮崎さんから丁寧な講義をしていただき、有意義な研修旅行となりました。
埼玉県茶業研究所のパンフレット
観光バスで移送中
帰りには同研究所で開発した品種を佐渡で試験受的に栽培し私のブログで経過報告をするという宿題(お土産)を頂きました。
また今年は佐渡市と入間市の交流記念年ということで、入間市を表敬訪問していた議員団と宿泊先のホテルで遭遇。議員団を引率していた佐渡市の職員に、佐渡金銀山を世界遺産にしなければならない理由を、よろしければ帰り道にでもみなさんで読んでくださいと渡したら、この交流会で使わせて頂きます。とありがたいお言葉を頂きました。ということで、今回も有意義な研修旅行となりました。
佐渡汽船ターミナルのJF待合室で
※取材したビデオの編集と写真の整理が終わり次第、このページでレポートします。埼玉入間茶業研究所のみなさん、ありがとうございました。
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この動画は2013年8月1日に訪問した時のものです。みなさん若かったですね。
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以下SNSより
埼玉入間茶業研究所での研修を終えて佐渡に向かってます。研究所の高橋博士、梶浦さん、元研究所長の宮崎さんから丁寧な講義をしていただき、有意義な研修旅行となりました。
埼玉県茶業研究所のパンフレット
観光バスで移送中
帰りには同研究所で開発した品種を佐渡で試験受的に栽培し私のブログで経過報告をするという宿題(お土産)を頂きました。
また今年は佐渡市と入間市の交流記念年ということで、入間市を表敬訪問していた議員団と宿泊先のホテルで遭遇。議員団を引率していた佐渡市の職員に、佐渡金銀山を世界遺産にしなければならない理由を、よろしければ帰り道にでもみなさんで読んでくださいと渡したら、この交流会で使わせて頂きます。とありがたいお言葉を頂きました。ということで、今回も有意義な研修旅行となりました。
佐渡汽船ターミナルのJF待合室で
※取材したビデオの編集と写真の整理が終わり次第、このページでレポートします。埼玉入間茶業研究所のみなさん、ありがとうございました。
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この動画は2013年8月1日に訪問した時のものです。みなさん若かったですね。
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