NECは2015年11月5日、ウエアラブルとAR(拡張現実)を業務に応用する例として、物理的なキーボードを使えない環境において、作業者の腕を仮想的なキーボードとして利用できるようにするシステム製品「ARmKeypad(アームキーパッド)」(写真1)を開発したと発表した。既成品のスマートグラスとスマートウオッチを組み合わせることで実現する。2016年度の製品化を目指す。
ARmKeypadでは、キーやボタンの画像がある部分(腕の一部)を指でタップすると、実際にキーの入力が行える。仕組みはこうだ。まず、スマートウオッチ(Android端末)の画面にQRコードが表示される(写真2)。スマートグラスは、このQRコードを見て、表示するキーボードの種類と、キーボードを表示する位置を決める(写真3)。スマートウオッチは、腕をタップしたことを加速度センサーで検知し、画面の色を一瞬変える。スマートグラスは、画面の色が変わった時の指の位置によって、どのキーが押されたのかを知る。
ARmKeypadはシステム製品であり、スマートグラスやスマートウオッチの種類は問わない。NECによる検証では、スマートグラスとしてセイコーエプソン製と米ビュージックス製を、スマートウオッチとして台湾エイスーステック・コンピュータ製を使ったという。2016年度の商品化の際には、これら既成品のスマートグラスとスマートウオッチ、NECが開発したソフトウエア、システム構築サービスなどを組み合わせてソリューション(課題解決型)サービスとして提供する。