SQL Server 2014は、上位版では1ライセンス当たりの価格が100万円を超える。選び方を誤ると、多額の無駄が発生する恐れがある。さらに、「ライセンスに関わる変化がここ数年で最も大きい製品」(ソフトウエアライセンスのコンサルティングを手掛ける、SoftwareONE Japan ディレクター ライセンスソリューションサービスグループ 上原哲哉氏)でもある。旧バージョンを最新版にアップグレードする際には、十分な検討が必要だ。
SQL Serverの主要なエディションはEnterprise/Business Intelligence/Standardの3種類。エディションによって、適用されるライセンス形態が異なる(表)。
Enterpriseのライセンス形態は、「コアライセンス」。SQL Serverに割り当てるCPUコアの数でライセンス数が決まる。Business Intelligenceのライセンス形態は「サーバー+CAL」で、SQL Serverを動作させるサーバー単位でライセンスが発生する。別途、CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)も必要だ。Standardは、コアライセンスとサーバー+CALを選べる。
このうち、特に複雑なのはコアライセンスだ。物理サーバー上でSQL Serverを動作させる場合は、サーバー上の全コアに対してライセンスが必要だ。例えば4コアのCPU2個を搭載するサーバーなら、ライセンス数は8である。なお、1CPU当たりの最少ライセンス数は4と決められている。つまり、シングルコアのCPUでもライセンスは4本必要だ。
Enterpriseを使って仮想マシン(VM)上でSQLサーバーを動作させる場合は、二つの選択肢がある。一つは、VMを稼働させる物理サーバーのコア数に基づいてライセンスを取得する方法。この場合は、最大でそのコア数と同数のVMを稼働させられる。4コアのCPU2個を搭載するサーバーの場合はライセンス数は8本となり、VMを8個まで動かせる。