シマンテックは2012年8月13日、Android端末を対象とした企業向けマルウエア対策ソフト「Symantec Mobile Security 7.2」(SMS、写真1)を発表、同日提供を開始した。同社がAndroid向けにマルウエア対策を提供するのは、法人向けとしては今回が初めて。ライセンスは端末台数に依存し、1台当たりの価格(税別)は3700円、2年次以降の保守料は年額600円。開発会社は米Symantec。
マルウエア対策(ウイルス/スパイウエア対策)を中心に、URLフィルタリングと盗難・紛失対策(遠隔ロック/データ消去)を兼ね備えたソフトである。Android端末に導入した専用のエージェントソフトを、集中管理サーバーから遠隔管理するかたち。管理サーバーから、マルウエアのスキャンポリシーや定義ファイルの更新などができる。管理コンソール(写真2)はWebブラウザーから操作する。
スキャンポリシーでは、Android端末の特性に合わせて、バッテリー残量が少ないときや通話中は定期スキャンを実行しない、といった設定もできる。また、想定していないアプリケーションを実行することによるマルウエア感染などを未然に防ぐため、起動できるアプリケーションをブラックリストやホワイトリストを使って制御する機能も備える。
なお、同社には、Androidを対象とした既存の運用管理ソフトとして、いわゆるMDM(モバイルデバイス管理)のためのクライアント管理(インベントリー管理/ソフトウエア配布)ソフト「Symantec Mobile Management」(SMM)がある。今回、SMSの提供に合わせてSMMも新版「7.2」にバージョンアップし、これまでのiOS(iPhone/iPad)に加えてAndroidを管理できるようにした。
新製品であるSMSは、既存のMDMソフトであるSMMがカバーしていないマルウエア対策機能を提供する専用ソフト、という位置付けである。両者はそれぞれ独立したソフトウエアだが、同一のWeb管理コンソールで統合管理できる。両者にまたがった処理ワークフローを定義して実行することも可能である。
Symantec Mobile Securityの稼働環境(OS)は、以下の通り。Android端末上で動作するエージェントは、Android 2.2以降。管理サーバーは、Windows Server 2008 R2。