楽天と、電子書籍事業を手がけるカナダKoboは現地時間2011年11月8日、楽天がKoboを買収することで最終合意に達したと発表した。楽天はKoboの発行済み株式のすべてを現金で買い取る計画で、買収金額は3億1500万ドル(約236億円)にのぼる。手続きは2012年第1四半期に完了する見込み。

 Koboはカナダの大手書店チェーンIndigo Books & Musicから2009年12月に分離独立した。電子版の書籍、雑誌、新聞を250万タイトル以上配信するサービスを世界100カ国以上で展開し、独自の電子書籍リーダー端末「eReader」ファミリーも開発している。同社のコンテンツは、eReaderのほか、米Appleの「iPad」や「iPhone」、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」、Android搭載端末や、WindowsおよびMac OS Xパソコンでも閲覧できる。

 またKoboはIndigoをはじめ、英WH Smith、フランスFNAC、オーストラリアPearson Australia Group、米Walmartや米BestBuyといった各国の書籍販売および小売大手との提携を通じて、広範な販売チャネルを築いている。

 楽天は、2011年8月に電子書籍販売への本格的な取り組みを開始し、ECサイト「楽天市場」において電子書籍ストアを開設した。Koboを完全子会社化することにより電子書籍事業の強化を図る。自社ブランドの電子書籍リーダー端末を持つだけでなく、北米と欧州を中心としたパートナーネットワークも獲得できるとしている。

 なお、買収後もKoboは引き続きオンタリオ州トロントに本拠を置き、経営陣および従業員も維持する。

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