今回は,PHPの配布元であり,関連情報の宝庫でもあるphp.netで得られる情報や,PHP開発へのフィードバック方法について紹介する。
PHP リリース関連情報
前回のPHPウォッチ掲載以降の約1カ月間,リリース候補版を含めたPHPのリリースは行われなかったが,バグ修正や機能追加などの開発は活発に行われている。この内容について簡単に紹介する。
PHP 5関連
1月12日にPHP 5.1.2がリリースされた後,バグ修正および若干の機能追加が行われている。本稿執筆時点で約40件のバグが修正されている。また,従来よりバンドルされていたFastCGI用ライブラリlibfcgiに関するライセンス上の問題を回避するためにFastCGIのインターフェイスが再実装された。
PHP 6関連
最近人気のAjaxアプリケーションでは,データ交換形式としてXMLよりもJavaScriptとの親和性が高いJSON (JavaScript Object Notation)形式が用いられている。PHPにおいてもJSON形式のエンコード・デコードがネーティブサポートされることになった。
具体的には,Omar Kilani氏が作成し,PECLで公開されているpecl/jsonエクステンションがPHPにバンドルされ,デフォルトで有効となる見込みである。pecl/jsonエクステンションのパッケージはPECLでは未公開であるが,以下のURLから最新版を入手することが可能である。
http://www.aurore.net/projects/php-json/
その他,Unicode対応関連の開発も進んでおり,Unicode対応のテキスト用イタレータTextIteratorが追加されている。従来は,Unicodeテキストののループ処理に通常テキストの3倍程度の時間を要していたが,TextIteratorを使用することで,20倍以上高速化される見込みとなっている。
PHP 4関連
1月13日にPHP 4.4.2が公開されて以降,5件のバグ修正が行われている。新たな機能追加は行われていない。
php.netの歩き方
PHPのユーザーであれば,一度はphp.netにアクセスしたことがあるだろう。php.netはPHPの開発元が運営しており,PHP自体やマニュアルを初めとする多くのPHP関連情報が公開されている。PHP自体の開発を行う上でのインフラとしても使用されており,複数のサイトからなる複雑な構成となっている。
php.netの情報の多くは英語で提供されているが,その活用方法を知ることでPHPユーザーに必要な多くの有益な情報を得ることができる。以下にその内容を紹介しよう。
php.netドメインでは,図1に示すような多くのサイトが運用されている。
図1では,php.netの複数のサイトをその役割に応じて以下の3つのカテゴリに分類している。
1.ポータル系
PHP本体やレポジトリPEAR/PECLなどについて,ニュースやソフトウエア本体を配信している。
2.開発系
PHP本体の開発に関する情報を配信している。バグの報告やソースコード履歴の参照などが可能である。
3.情報系
PHPに関するプレゼン資料やニュース配信などを行っている。
これらのカテゴリごとに各サイトの内容を紹介しよう。