ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が2006年11月11日に発売する家庭用ゲーム機「プレイステーション 3」(PS3)には,「プレイステーション 2」(PS2)向けに開発したマイクロプロセサ「Emotion Engine」とグラフィックス描画回路「Graphics Synthesizer」が搭載されている。SCE 代表取締役 社長 兼 グループCEOの久多良木健氏が,日経エレクトロニクスの取材に対して明らかにした。
SCEは,PS3においてCell上で動作するエミュレータを使ってPS2との互換性を確保する方針をこれまで示していた。SCEが推奨するライブラリなどを用いない一部のゲーム・タイトルの動作を保証できなかったことが,EEとGSを搭載した理由という。ただし,「すぐに取り去る」(久多良木氏)といい,比較的短期間でエミュレータによる互換性確保に全面的に移行する意欲を示した。
もっとも,PS2向けゲーム・タイトルは2006年9月30日現在,全世界で延べ8181種類発売されている。そのすべてをエミュレータで動かせるようになるかは不明である。一部消費者の間でEEとGSを載せた初代のPS3が人気を呼ぶ可能性がある。