大人気ものづくりユーチューバーの動画撮影に密着

電気系ものづくりユーチューバーイチケン Meets 兵神装備

電気系ものづくりユーチューバーとして人気のイチケン氏が、なんと今回は機械系の取材に挑戦。兵神装備が製造する「モーノポンプ」「モーノディスペンサー」についての動画を制作するというので、その撮影に密着した。

チャンネル登録者数40万人超! いま大人気のイチケンってどんな人?

大学の専攻を生かして、電子回路やパワー半導体など、電気電子工学全般をテーマにしたYouTubeチャンネルを在学中に開設。その後ハイブリッド自動車のインバーターを分解した動画などが注目を集め、電気系ものづくりユーチューバーとして人気を博す。これまでに200本以上の動画をアップ、チャンネル登録者数は40万人を超える。

動画サムネ:前人未到の5段ペルチェ! マイナス90度達成!
動画サムネ:リレー解説
https://www.youtube.com/@ICHIKEN1/

「今回の記事は、兵神装備の『モーノディスペンサー』について私が動画撮影する様子を、日経ものづくりに密着してもらうという楽しい企画になっています。私の動画やこの記事をきっかけに、様々な分野で活躍しているモーノディスペンサーに興味を持つ方が増えてくれればうれしく思います」(イチケン氏)

今回注目するのは…高精度の塗布・充填が可能なモーノディスペンサー

図:キャビティー、ローター、ステーター

モーノポンプをベースに開発され、1985年に誕生したのがモーノディスペンサーだ。サーボモーターでローターの回転を操ることにより、吐出量を高精度に制御できるのが特長。電機業界では金属ペーストや接着剤などの塗布に多く使われ、自動車や食品、化学など、幅広い分野で活躍している。

イチケンのビックリポイント4

大注目の4場面を
ピックアップ!

1.モーノポンプのスゴイ技術

国内トップシェア一軸偏心ねじポンプ

2条雌ねじであるステーターの中で、1条雄ねじのローターを回転させることで液体を移送するのが、モーノポンプだ。回転とともに密閉空間(キャビティー)が強い吸い込み力を伴ってポンプ内部に発生し、様々な液体を閉じ込めて空間ごと移送する。吐出に脈動がないのが最大の特長だ。

※兵神装備調べ

シャバシャバもドロドロも運べます

2.モーノディスペンサーなら塗布や充填自由自在

生産ラインの自動化に対応
逆回転動作で液ダレも防止

吐出量が回転速度に比例し、簡単かつ高精度に制御できるモーノディスペンサー。自動化との相性に優れており、ロボット速度に合わせて吐出量を調整し均一な線幅で塗ることができる。吐出後にローターをわずかに逆回転させるサックバック動作で液ダレも防止!

粘度の高い接着剤もバッチリです

3.グリスの塗布でその実力を体感

高い性能にイチケン氏も納得

イチケン氏は、熱伝導グリスをパワー半導体に塗布する実験を実施。モーノディスペンサーHD型で線塗布した場合、面塗布した場合、ディスペンサーを使わずにステンシル塗布した場合の3通りを比較し、モーノディスペンサーの均一性や再現性、塗布量を正確に調整できるといったメリットを目の当たりに。

素早く正確に塗れるのはさすがでした

4.こだわりが満載の研究開発・製造現場

精度の高い加工と
高品質な組み立て作業

研究開発から製造まで、一手に担うのが滋賀事業所だ。基幹部品の材料研究を行うテクニカルセンター、高精度の金属加工が可能な精密加工ルーム、小型製品の組み立てを行うクリーンルーム、独自の耐久試験設備を備えた技術研究所など、ものづくり企業としてのこだわりが詰まった工場だ。

組み立てには「セル生産方式」を採用!

SPECIAL INTERVIEW

写真:イチケン氏

東工大在学中にYouTubeチャンネル開設
「イチケンならでは」の視点で動画を制作

いまや電気系ものづくりユーチューバーとして大人気のイチケン氏。YouTubeのチャンネル登録者数もこの分野ではトップクラスの同氏が、ユーチューバーとしての "キャリア" をスタートさせたのは東工大在学中の2019年だ。

YouTubeという媒体への好奇心から開設したというイチケン氏のチャンネルだが、当時は電子回路や電気系のコンテンツが少なかったこともあり、じわじわと注目を集め、再生数を獲得していった。

ブレークのきっかけになったのは2020年7月に公開した、ハイブリッド自動車のインバーターを分解した動画だ。

「中古インバーターをネットオークションで入手して分解してみたんです。大学ではパワーエレクトロニクスを専攻していましたので、中を開ければ構成や仕組みはだいたい分かりますから、自分なりの解説を付けて動画にまとめたところ、皆さん興味があったみたいで、再生数も登録者数も一気に増えました」

その後もイチケン氏は精力的にコンテンツ制作にまい進。扱うテーマに対して、徹底的に下調べする、シナリオをしっかり作る、分かりやすい説明を心がける、といったことをポリシーにしているという。「事実を示すとともに、『イチケンならでは』のコメントやオピニオンを入れることも大切にしています」とイチケン氏は語る。

実は電気系にも関わりの深い
モーノディスペンサーの活用範囲の広さ

イチケン氏は、兵神装備のモーノポンプやモーノディスペンサーについては、今回の企画を受けて初めて知ったと明かす。

「下水関連に対応した非常に大型のモーノポンプから、食品用の小型のモーノディスペンサー、はては高精度が要求されるEV用バッテリーの製造・組み立て工程で接着剤や放熱材を塗布するモーノディスペンサーなど、こんなに幅広い産業で使われているんだなというのが第一の驚きでした」

そこでイチケン氏は、電気系の視聴者によりモーノディスペンサーを身近に感じてほしいと、熱伝導グリスをパワー半導体に塗布する比較実験を発案した。

「兵神装備の皆さんと相談しながら実験内容を練りました。モーノディスペンサーは高粘度のグリスでも均一にむらなく吐出ができる。また、もし放熱グリスのロットごとに粘度にばらつきがあっても機械側の調整で対応できるという強みがあり、半導体などの電子部品の放熱対策で活躍しています。放熱対策は電気系の我々に非常に身近な問題ですから、この比較実験は動画の見どころになっていると思います」

また、イチケン氏は、モーノポンプやモーノディスペンサーの原理、構造について、非常に面白い題材だったと振り返る。

「原理的に強い圧力で押し出せるので、半固形や高粘度の流体にも対応できるのは改めてすごいなと思いました。さらにロボットとの協働で、様々な製品に対応できる可能性が広がります」

動画の撮影は兵神装備の滋賀事業所にてほぼ2日がかりで行われ、編集作業を経て公開された。「今回の動画をきっかけに、モーノポンプやモーノディスペンサーの活用を検討する企業の方がおられたらうれしく思います」と語るイチケン氏。兵神装備のこれからの技術開発や製品展開はもちろん、イチケン氏の今後の活動にも注目したい。

完成動画もチェックせよ!

ロゴ:兵神装備

[お問い合わせ]
兵神装備株式会社
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-14 日本橋加藤ビルディング8F
https://www.heishin.jp/

※モーノポンプ、モーノディスペンサーは兵神装備株式会社の登録商標です。