電気系ものづくりユーチューバーとして人気のイチケン氏が、なんと今回は機械系の取材に挑戦。兵神装備が製造する「モーノポンプ」「モーノディスペンサー」についての動画を制作するというので、その撮影に密着した。

モーノポンプをベースに開発され、1985年に誕生したのがモーノディスペンサーだ。サーボモーターでローターの回転を操ることにより、吐出量を高精度に制御できるのが特長。電機業界では金属ペーストや接着剤などの塗布に多く使われ、自動車や食品、化学など、幅広い分野で活躍している。

大注目の4場面を
ピックアップ!

東工大在学中にYouTubeチャンネル開設
「イチケンならでは」の視点で動画を制作
いまや電気系ものづくりユーチューバーとして大人気のイチケン氏。YouTubeのチャンネル登録者数もこの分野ではトップクラスの同氏が、ユーチューバーとしての "キャリア" をスタートさせたのは東工大在学中の2019年だ。
YouTubeという媒体への好奇心から開設したというイチケン氏のチャンネルだが、当時は電子回路や電気系のコンテンツが少なかったこともあり、じわじわと注目を集め、再生数を獲得していった。
ブレークのきっかけになったのは2020年7月に公開した、ハイブリッド自動車のインバーターを分解した動画だ。
「中古インバーターをネットオークションで入手して分解してみたんです。大学ではパワーエレクトロニクスを専攻していましたので、中を開ければ構成や仕組みはだいたい分かりますから、自分なりの解説を付けて動画にまとめたところ、皆さん興味があったみたいで、再生数も登録者数も一気に増えました」
その後もイチケン氏は精力的にコンテンツ制作にまい進。扱うテーマに対して、徹底的に下調べする、シナリオをしっかり作る、分かりやすい説明を心がける、といったことをポリシーにしているという。「事実を示すとともに、『イチケンならでは』のコメントやオピニオンを入れることも大切にしています」とイチケン氏は語る。
実は電気系にも関わりの深い
モーノディスペンサーの活用範囲の広さ
イチケン氏は、兵神装備のモーノポンプやモーノディスペンサーについては、今回の企画を受けて初めて知ったと明かす。
「下水関連に対応した非常に大型のモーノポンプから、食品用の小型のモーノディスペンサー、はては高精度が要求されるEV用バッテリーの製造・組み立て工程で接着剤や放熱材を塗布するモーノディスペンサーなど、こんなに幅広い産業で使われているんだなというのが第一の驚きでした」
そこでイチケン氏は、電気系の視聴者によりモーノディスペンサーを身近に感じてほしいと、熱伝導グリスをパワー半導体に塗布する比較実験を発案した。
「兵神装備の皆さんと相談しながら実験内容を練りました。モーノディスペンサーは高粘度のグリスでも均一にむらなく吐出ができる。また、もし放熱グリスのロットごとに粘度にばらつきがあっても機械側の調整で対応できるという強みがあり、半導体などの電子部品の放熱対策で活躍しています。放熱対策は電気系の我々に非常に身近な問題ですから、この比較実験は動画の見どころになっていると思います」
また、イチケン氏は、モーノポンプやモーノディスペンサーの原理、構造について、非常に面白い題材だったと振り返る。
「原理的に強い圧力で押し出せるので、半固形や高粘度の流体にも対応できるのは改めてすごいなと思いました。さらにロボットとの協働で、様々な製品に対応できる可能性が広がります」
動画の撮影は兵神装備の滋賀事業所にてほぼ2日がかりで行われ、編集作業を経て公開された。「今回の動画をきっかけに、モーノポンプやモーノディスペンサーの活用を検討する企業の方がおられたらうれしく思います」と語るイチケン氏。兵神装備のこれからの技術開発や製品展開はもちろん、イチケン氏の今後の活動にも注目したい。
[お問い合わせ]
兵神装備株式会社
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https://www.heishin.jp/
※モーノポンプ、モーノディスペンサーは兵神装備株式会社の登録商標です。