富士通は2024年12月12日、「マルチAIエージェントセキュリティ技術」を開発したと発表した。新たに発覚した脆弱性や脅威に対し、「攻撃」「防御」「テスト」に特化したナレッジを持つ3つのAI(人工知能)同士を議論させ、対策を導く仕組みだ。

富士通が発表した「マルチAIエージェントセキュリティ技術」の概要
富士通が発表した「マルチAIエージェントセキュリティ技術」の概要
(撮影:日経クロステック)
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 具体的には、セキュリティー会社から新たな脆弱性が発表された場合、まずは攻撃AIエージェントがその脆弱性を使った攻撃手法を複数提示する。その後、社内システムを学習済みのテストAIエージェントが仮想環境上で攻撃を検証し、脅威となりうる可能性があるものに絞り込む。そして、防御AIエージェントが採るべき防御策を提案するという流れだ。富士通によると、同技術によってこれまで脆弱性の発見から対応まで数週間かかっていた作業が、即日実行可能になるという。

 同技術は2024年12月から技術実証に取り組み、2025年3月をめどにトライアルでの技術提供を開始する予定だ。

富士通が公開した「マルチAIエージェントセキュリティ技術」のデモの様子。AI同士がチャット上で対策を議論する
富士通が公開した「マルチAIエージェントセキュリティ技術」のデモの様子。AI同士がチャット上で対策を議論する
(撮影:日経クロステック)
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