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 2022年10月下旬にツイッターを買収し、取締役全員と従業員の半分を解雇したイーロン・マスクは“いじめっ子”のように報じられることが少なくありません。「ツイッターの従業員に週80時間の労働を求めるスピーチをした」という米ブルームバーグの記事や、マスクに批判的な発言をした従業員が突然解雇されたといった報道もありました。

 恐ろしい暴君のようなイメージが広まっているマスクですが、実は少年時代のマスクは、壮絶ないじめにあっていました。

 マスクがいじめを受けていたことは、アシュリー・バンスの書籍『イーロン・マスク 未来を創る男』で詳しく述べられています。いじめっ子に学校の階段から蹴り落とされ、集団暴行を受けたこともあったそうです。マスクは顔面が血まみれになるほどの大けがを負い、病院で手術を受けました。執拗ないじめは3~4年も続き、マスクの心の傷になりました。いじめが原因で中学・高校時代には何度か転校もしています。

 マスクが受けたいじめについては、米ニューヨーク・タイムズや英ガーディアン、南アフリカの現地紙など、さまざまなメディアが取り上げています。母親のメイ、父親のエロール、弟のキンバル、中高の同級生も、マスクが少年時代にいじめを受けていたと証言しており、深刻だったことがうかがえます。

少年時代に執拗ないじめを受けていたイーロン・マスク
少年時代に執拗ないじめを受けていたイーロン・マスク
(写真:ロイター)

 上記の階段から突き落とされた事件では、「大けがをして病院で会っても顔が分からないほどの状態だった。2週間も入院した」と父親のエロールは南アフリカのメディアに対して語っています。