米ブロードコムが690億ドル(約1兆円)を投じ、VMwareの買収を完了したのは2023年11月22日。それから1年経った。この間、顧客やディストリビューター、VMware製品を自社のサーバーやクラウドに組み込んでいたサーバーメーカーやクラウドプロバイダーは大混乱に陥った。あの買収は何だったのか。
ブロードコムのホック・タンCEO(最高経営責任者)は2024年9月の第3四半期決算発表時に「買収は成功だった」と述べた。「売上高は既に増加に転じ、営業費用(売上原価と販管費および一般管理費の合計)の削減は期待以上に早く、しかも大幅に達成された」とした。
買収後のVMwareの業績は決算報告書には記載されず、口頭でタンCEOが話す。それによると2024年度の第1、第2、第3四半期の売上高はそれぞれ21億、27億、38億ドル。営業費用は23億、16億、13億ドルだった。各四半期の1年前の実績と比較すると、売上高は43%減、18%減、12%増。営業費用は2%減、25%減、35%減。なるほどタンCEOの説明通りではある。今後、営業費用は12億ドルに維持していくという。