以前このコラムで、我が家のスマートスピーカー「Amazon Echo Dot」がKindle本の朗読専用マシンとなっている話を書いた。理由の1つが「スマートホーム環境を構築するに至るまでの気力を保てそうにない」というもの。

 その一方でITライターとして、何かしなければという焦燥感に駆られているのも事実であった。そこで、ささやかではあるが、スマートホームへの第一歩を踏み出してみた。「MicroBot Push」という、壁などの物理スイッチを無線でオンオフできる機器を導入したので、その一部始終を報告しよう。

物理スイッチを遠隔操作でオンオフできるMicroBot Push。小型モーターの力でアームを伸ばしスイッチを押す、いわば「指ロボット」。アームの先を両面テープなどでスイッチにくっつければ、引っ張る動作も可能。USB充電でバッテリー持続期間は公称1年間。
物理スイッチを遠隔操作でオンオフできるMicroBot Push。小型モーターの力でアームを伸ばしスイッチを押す、いわば「指ロボット」。アームの先を両面テープなどでスイッチにくっつければ、引っ張る動作も可能。USB充電でバッテリー持続期間は公称1年間。
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MicroBot Pushは、専用のスマートフォンアプリで操作できる。画面はiPhoneアプリ。中央の仮想ボタンをタップするとアームが作動する
MicroBot Pushは、専用のスマートフォンアプリで操作できる。画面はiPhoneアプリ。中央の仮想ボタンをタップするとアームが作動する
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芸の細かい動作設定が可能なMicroBot Push

 家の中で最もスマート化したい器具はなんであろうかと考えた。真っ先に思い浮かんだのがリビングの掃き出し窓と寝室の電動シャッター付き雨戸である。家人が不在のときなど、手が離せない状況でこれらを2階の仕事部屋から遠隔操作で閉めることができたら便利だ。単なる遠隔操作をスマート化と呼ぶのもおこがましい気がするが、スマートホーム化の初めの一歩ということでご理解いただきたい。

 電動シャッターの開閉は壁の物理スイッチで行う。16年前に建てた家なので、当然ながら無線や赤外線といった“飛び道具”には非対応だ。そこで登場するのがMicroBot Pushだ。この製品は、中に小型のモーターが内蔵されており、アームの伸長でスイッチを物理的に押すことができる。いわば超小型の「指ロボット」だ。