フロンとは? わかりやすく解説

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フロン

フルオロカーボン日本における慣用名。メタン・エタンなどの炭化水素水素を、弗素(ふっそ)や塩素置換した化合物総称無色・無臭無毒不燃性化学的に安定しており、電気冷蔵庫クーラー冷媒スプレーウレタンフォーム発泡剤半導体洗浄剤などに使用フレオン商標名)。

[補説] フロンの一種であるクロロフルオロカーボンCFC)は、大気中に放出される長い時間をかけて成層圏達し、そこで紫外線によって分解されオゾン層破壊する。そのため、使用規制され代替フロン登場したが、こちらも二酸化炭素より温室効果が高いことがわかり、規制全廃進められている。→シー‐エフ‐シーCFC) →エッチ‐シー‐エフ‐シーHCFC) →エッチ‐エフ‐シーHFC


フロン

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

フロン


クロロフルオロカーボン

同義/類義語:フロン
英訳・(英)同義/類義語:chloro fluoro carbon

一般に分子炭化水素水素塩素フッ素原子置換した化合物総称
「生物学用語辞典」の他の用語
化合物名や化合物に関係する事項:  クロム酸鉛  クロム酸銀  クロロフィル  クロロフルオロカーボン  グリセロリン脂質  グルカゴン  グルタミン

フロン

名前 Flon; Fron

フロン類

(フロン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/01 15:58 UTC 版)

フロン類(フロンるい)は、炭素水素の他、フッ素塩素臭素などハロゲンを多く含む化合物の総称。場合によって指す物質の範囲は異なる[1]

冷媒溶剤として20世紀中盤に大量に使用されたが、オゾン層破壊の原因物質ならびに温室効果ガスであることが明らかとなり、今日ではモントリオール議定書をはじめ様々な国際協定・法律によって、先進国を中心に使用には大幅な制限がかけられている。

フロンという呼び方は、日本でつけられた俗称である。日本以外ではデュポン社の商品名である商標フレオン (freon) で呼ばれることが多い。

分類

狭義の「フロン」は炭素・フッ素・塩素のみからなるクロロフルオロカーボン (CFC) を指すが、塩素を含まないフルオロカーボン (FC) や、水素を含むハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC) およびハイドロフルオロカーボン (HFC)、臭素を含むハロンも含める場合がある。

モントリオール議定書に掲載された一連の物質を指して「フロン類」という言葉が使用される場合もある[1]。具体的な物質についてはオゾン破壊係数を参照。

フロン類は ISO 817[2] で定められた冷媒番号が付されている。冷媒番号は一般に、Refrigerant(冷媒)の頭文字Rで始まり、Rの次に2から4桁の数字と英添え字で表される。冷媒の種類が具体的に知られている場合であればRの代わりに、その物質の名称を付してから冷媒番号を表記する。

たとえば、冷媒番号R12のジクロロジフルオロメタン CCl2F2 は CFC-12、冷媒番号R115のクロロペンタフルオロエタン C2F5Cl は CFC-115 となる。 

特定フロンとは、モントリオール議定書で特にオゾン層破壊に影響が強いとされたフロン類を指す。当初は CFC-11、CFC-12、CFC-113、CFC-114、CFC-115 の5種類であった[3]が、1992年に15種類に増やされた[4]

歴史

フロン類は、はじめ家庭用冷蔵庫の冷媒として開発が進められた。当時の冷蔵庫にはアンモニアが冷媒として使用されていたが、もっと扱いやすい代替品が求められていた。

1920年代、アメリカ合衆国冷蔵庫メーカーフリッジデール社の親会社であったゼネラルモーターズ社 (GM) は、傘下のゼネラル・モーターズ・リサーチ・コーポレーションのチャールズ・ケタリングトマス・ミジリーらに、アンモニアの代替となる化学物質の研究を命じた。

1928年、GM はフロン12の開発に成功し特許を取得。1930年から GM はデュポンと共同でキネティック・ケミカル・カンパニー (Kinetic Chemical Company) を設立し、「フレオン」という商標で生産を開始した。フロンは化学的、熱的に極めて安定であるため、開発当時は「夢の化学物質」としてもてはやされた。

日本ではダイキン工業が無毒で腐食性のない冷凍・冷房用冷媒として軍艦の火薬庫や潜水艦の居住区に使用するため[5]1935年に「ダイフロン」の製品名で開発し、1942年より量産を行った[6]

1970年代にオゾン層破壊が問題化。フロン類はその原因物質とされ、製造を行っていたOECD加盟24カ国により共同研究が進められた。一方で1976年、アメリカ合衆国はフロン類の使用規制について、経済に対する影響が大きいとして化学的調査が終わるまで行うべきではないとする姿勢を見せた[7]。その後、フロン類の関与が決定的となったため、1985年にはオゾン層の保護のためのウィーン条約1987年にはモントリオール議定書が採択され、製造及び輸入の禁止が決定された。これにより CFC の代わりとしてオゾン層を破壊しにくい HCFC や HFC が代替フロンとして利用され始めた。

1990年代には、CFC の他、代替フロンの HCFC や HFC も温室効果ガスとして問題になり、地球温暖化を悪化させないように、1997年の京都議定書により規制が行われつつある。なお、代替フロンによっては二酸化炭素の約14000倍の温室効果を持っているものもある[8]

日本においては、ウィーン条約やモントリオール議定書を受け1988年に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律が制定され、1996年までにCFCを含む特定フロンが全廃されている[9]。また、これまで使用されてきたフロン類の回収・破壊のためにフロン回収破壊法家電リサイクル法自動車リサイクル法などの法律が制定され、フロン類の含まれる製品の廃棄時における適正な回収および破壊処理の実施等が義務づけられている。しかし、モントリオール議定書では開発途上国での使用はまだ認められており、問題となっている。

なお、臭素を含むものは『ハロン』と呼ばれ、消火剤として用いられているが、クロロフルオロカーボンよりもオゾン層破壊能力が強いため、こちらも現在では規制対象になっている。

性質

フロン類の構造は多様であり、種類によって物理的性質は異なる。一般に無色・無臭で、熱的・化学的に安定。

大気中に放出された CFC は紫外線によって分解し、塩素ラジカルが発生する。塩素ラジカルはオゾンと反応し、酸素分子と一酸化塩素ラジカルになる。この時発生した一酸化塩素ラジカルは再度オゾンと反応し、塩素ラジカルへと戻る。このサイクルが繰り返されることによりオゾン層が破壊される。但し、理論上そうなるということであり、大気圏中における実際の作用は不明であり、オゾンホールとの因果関係は予測の域を越えていない。

毒性

最初に合成されたフロン12はフロン類の中では比較的毒性が低いが、中にはトリクロロエチレンクロロホルムより毒性の強いものも存在する。大量に使用する環境では肝障害の発生報告例がある。

用途

冷媒溶剤発泡剤消火剤エアゾール噴霧剤などとして使用される。有機合成に使われる場合はハロゲン化アルキルまたはハロアルカンと呼ばれる。

脚注

  1. ^ a b フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 - e-Gov法令検索では、「クロロフルオロカーボン及びハイドロクロロフルオロカーボンのうち特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律第2条第2項に規定する特定物質であるもの並びに地球温暖化対策の推進に関する法律第2条第3項第4号に掲げる物質」と定義される。フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律施行規則 - e-Gov法令検索では、クロロフルオロカーボン・ハイドロクロロフルオロカーボン・ハイドロフルオロカーボンがあげられている。
  2. ^ ISO 817:2005 Refrigerants -- Designation system
  3. ^ http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1910
  4. ^ 特定フロンの全廃へ向けて (PDF) 『フロン低減への取り組み』独立行政法人環境再生保全機構
  5. ^ 回顧七十年 1963, p. 286.
  6. ^ 沿革”. ダイキン工業. 2024年10月2日閲覧。
  7. ^ 炭化フッ素の即時規制反対 米商務省『朝日新聞』1976年(昭和51年)1月14日朝刊、13版、22面
  8. ^ 『ニュートン別冊・沸騰する地球』株式会社ニュートンプレス、2024年9月30日、139頁。 
  9. ^ 守ろうオゾン層 防ごう地球温暖化 (PDF) 経済産業省

参考文献

  • 「遂にダイフロンを開発」『回顧七十年』ダイキン工業、1963年、289-291頁。NDLJP:2985349/159 

外部リンク


フロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 03:22 UTC 版)

プリニー2 〜特攻遊戯! 暁のパンツ大作戦ッス!!〜」の記事における「フロン」の解説

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