若い時から悟りすましておらず、金持ちになりたいとか、成功したいと思う方が良いし、思わねばならない。
それで、成功哲学を学んだり、啓発書、啓蒙書、偉人の伝記も読んだりするのだし、それはそれで良いことだ。
ロクに金も稼がないうちに、「金は虚しい」って言ったって、どう虚しいか分かるはずがないし、それはただの負け惜しみでしかないだろう。
別に大金を稼がなくったって、自分なりに稼いだら、それが人目には少なく見えようが、その時こそ、金への執着を本当に捨てられるだろう。

だが、成功哲学の本を沢山読んだところで、コーヒーを飲みながらおしゃべりしている時間まで残業申請するような者が成功するようなことがあるはずがない。
私は一時期、12月から翌年の5月末まで、朝は7時半から、夜は0時前まで(0時に駐車場が閉まるので)、1日も休まず働いて倒れたことがある。
その間申請した残業時間はゼロだった。
大したものではなかったが、事業部内で、個人としては私が最も稼いでいた。
他の社員達は、おしゃべりしたり、お菓子を食べながら夜の10時や11時まで会社にいて、残業が100時間だの200時間だのと言い合い、「システム開発者は辛いよなあ」とか言ったりしていた。
私に対し、「正当な権利なのだから残業申請しなければならない。でないと、サービス残業という悪しき風習になる」とか言う者はいるだろう。
しかし、どうだろう?
顛末を述べると、私は、その会社の他の社員が1日でやる仕事は1時間でできるようになった。それで、今ではあまり働いているように見えないので評価は低いのであるが、それは構わない。きっと、今後の心がけ次第だが、さらに能力が上がり、良いことになるだろう。
そして、コーヒーを飲んでいる時間まで残業にしていた連中は、全員リストラされた。別に、会社が彼らを悪く評価したのではなく、事業部が大赤字になり、会社はその事業部を子会社として独立させた・・・早い話が合法的に捨て、どこかの会社に買収させたが、従業員のほとんどは不要なのでクビになったというだけのことで、ごくごく自然な流れだった。
そんな連中のいる部署が存続できるはずがないのは当たり前だ。
ちなみに、その事業部を切り捨てた親会社自体が、他社に吸収合弁され、事実上消えてなくなった。
これもまた、天地自然の法則だろう。

若い時のビル・ゲイツの猛烈な働き振りは有名だし、彼は今でも「週7日、フルタイム」で働くと言うが、それだけの稼ぎっぷりではある(彼には、それは普通の人が考えるような意味での仕事ではない)。
しかし、今は、マイクロソフトもグーグルも、社員に長時間労働はさせないらしい。
これは決して、社員に優しいとか、現代的な労働法を遵守しようなんてことではない。
時間をかけないと仕事ができない社員は不要だというだけのことだ。
平凡な社員の1日分の仕事を1時間でこなすような効率で3~4時間、あるいは、週4日働き、後の時間は趣味やその他の有意義なことに使い、心身共に健康であってこそ会社を発展させることができるのである。
だが、松下にしろ、ソニーにしろ、日本型の企業は、なかなかそんなことができない。
私のように、駄目な社員の1日の仕事を1時間でやるってのは、集中力や経験でできるようになるが、普通に有能な社員の1日分の仕事を1時間で、あるいは、1時間で普通の人間の数日分の仕事をするには、チームの力が必要になる。
しかし、日本の企業には、本当の意味でのチームはない。
子供の頃から、受験競争で、他の人達を敵とみなし、個人的成果ばかりが求められていた日本の受験エリートにチームを活かすことができるはずがない。
アメリカの大学は、試験の成績が良いだけでは入れず、ボランティア活動の成果が求められるらしいが、日本で考えられている、学校や地域でやらされるようなケチなボランティアや、「やったというだけで偉い」といった感じの自己満足だけのボランティアでは、一流大学では全く相手にされない。
そのような意味で、日本のような国は今や少数国であるらしいが、それが本当なら、今後、日本が世界で競争して勝てるはずがない。
本物の、実効あるボランティアにはチームの力が必要だからだ。
もっとも、私は、日本は精神面での復活と進歩が必要なのであり、物質面は適度で良いと思っている。ただ、精神面が充実すれば、自然、チームも作れるようになり、そこそこの物質面の成果でも、現在の数倍になるだろうと思う。









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