国際プラ条約は25年に持ち越し、日本は生産規制に賛同せず

記事のポイント


  1. プラ条約に関する会合が、合意しないままに閉幕した
  2. 論争点だったプラの生産規制には、産油国が中心となって反対した
  3. 日本政府はプラの生産規制に加え、プラ製品に使われる化学物質の規制には賛同しなかった

国際プラスチック条約について議論する第5回政府間会合(INC5)が12月2日まで韓国・釜山で開かれ、合意に至らないまま閉幕した。論争点だったプラの生産規制には、産油国が中心となって反対したが、日本政府も規制には賛同しなかった。2025年に議論が再開する予定だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「2022年3月に開かれた国連環境総会で、「プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)」を採択することが決まった。5回目の会合となるINC5で、条約が合意される予定だった。会合最終日の1日深夜まで協議が続いたものの、最終的には合意に至らず、閉幕することになった。

経産省などの資料によると、INC5では、177カ国の国連加盟国、関係国際機関、NGOなど約3800人が参加登録を行った。

日本からは、外務省の中村和彦地球規模課題審議官、経済産業省の田尻貴裕GXグループ審議官、環境省の松澤裕地球環境審議官、小川眞佐子特別国際交渉官、農林水産省から構成される政府代表団らが出席したという。

条約を巡り特に意見が分かれたのは、生産規制だ。欧州連合(EU)加盟国、カナダ、オーストラリア、メキシコなど100カ国以上がプラ生産量に関する世界的な削減目標を設定するように提案した。これに対し、サウジアラビアをはじめ中東の産油国などが強く反対した。

■ 日本政府の対応に矛盾

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yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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