花王やキリンは取引先に脱炭素方針をどう納得させたのか

記事のポイント


  1. 自社だけでなく、サプライチェーン全体での脱炭素化が重要だ
  2. 先進企業は取引先に自社の脱炭素方針をどう「納得」させたのか
  3. サプライヤーエンゲージメントを推進する花王とキリンに聞いた

自社だけでなく、サプライチェーン全体で脱炭素化を目指すには、取引先に自社の脱炭素方針を「納得」してもらうことが重要だ。取引先にどう伝えると効果的なのか。サプライヤーエンゲージメントの外部評価が高い花王とキリンの担当者に聞いた。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

国際NGOのCDPは毎年、「サプライヤーエンゲージメント評価」を行う。気候変動に対する取り組みについて、「ガバナンス」「目標」「スコープ3排出量」「サプライヤーとのエンゲージメント」の4分野で評価する。

花王は7年連続、キリンは6年連続で最高評価を受けた。各社の担当者にサプライヤーエンゲージメントを推進する上で手応えのあった施策を聞いた。

花王、主要サプライヤーを「スコア付け」

花王のサプライヤーエンゲージメント戦略は、「スコア付け」から始まる。同社では、主要サプライヤーにCDPの質問書への回答を依頼する。その回答結果をもとに、CDPは各サプライヤ―をスコア付けする。加えて、花王からの評価も伝える。

この取り組みを毎年実施することで、「サプライヤー各社が評価結果から自社活動の推進につなげていただくことを期待している」(舘野剛介・ESG部門ESG活動推進部シニアマネージャー)。

サプライヤーとの意見交換の場として、「ベンダーサミット」を毎年開く。年度ごとにテーマを決め、コミュニケーションを図る。ESG調達について、花王とサプライヤーが共に取り組む活動を説明し、協力を要請するという。

舘野シニアマネージャーは、「数量や金額の多いサプライヤーに対しては、調達担当者からの情報開示の依頼を繰り返し丁寧に実施している」と話す。

取引停止よりも、繰り返しの「対話」強調
キリンはサプライヤーに脱炭素目標を求める
気候変動対策はサプライヤーの持続可能性高める

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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