記事のポイント
- ボルボ日本法人の不動社長は、「パーパスの推進に、役職は要らない」と言う
- 2023年8月に社長に就任すると、真っ先に行った施策が「役職の廃止」だ
- 生保出身の新社長は業界の「常識」に捉われず、様々なアイデアを打ち出す
ボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美社長は、「パーパスドリブンな組織には、役職は要らない」と言い切った。2023年8月に社長に就任すると、真っ先に行った施策が「役職の廃止」だ。生命保険会社出身の新社長は、業界の常識に捉われない。(聞き手=オルタナ編集長・森摂、編集部・松田大輔、写真=高橋 慎一)
――社長に就任してすぐに役職を廃止しました。狙いは何ですか。
不動:私が社長に就任して、20人程度いたマネージャークラスの役職を廃止しました。就任以前から、オフィスをフリーアドレスにして、スーツが基本だった服装の改訂も推進しました。短パンとビーチサンダル以外ならどのような服装でも出社できます。
採用方針も変えて、女性の採用を強化するように指示しています。ジェンダー目標として、男女比1:1を掲げました。業界未経験者の採用も積極的に行っています。
これらの職場改革の狙いは、風通しのよい組織にするためです。役職がないと意見が言えないというコンサバな組織では、世の中の変化にアジャイルに対応できません。
最大の成果を効率よく出すためには、言いたいことを言える環境が必要です。上司の指示がないと動かない、「指示待ち」を減らす狙いもあります。
特に自動車業界は大変革期にあります。勝ち残るには、自律・自発的な組織にならないといけません。顧客を中心とした、パーパス・ドリブンな組織への転換とも言えます。
■変化に即対応、「常識」を変える
■オンライン販売、他社に先駆け
■100%EV化、大目標は変えない