ボルボ日本法人社長、「パーパスの推進に役職は要らない」

記事のポイント


  1. ボルボ日本法人の不動社長は、「パーパスの推進に、役職は要らない」と言う
  2. 2023年8月に社長に就任すると、真っ先に行った施策が「役職の廃止」だ
  3. 生保出身の新社長は業界の「常識」に捉われず、様々なアイデアを打ち出す

ボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美社長は、「パーパスドリブンな組織には、役職は要らない」と言い切った。2023年8月に社長に就任すると、真っ先に行った施策が「役職の廃止」だ。生命保険会社出身の新社長は、業界の常識に捉われない。(聞き手=オルタナ編集長・森摂、編集部・松田大輔、写真=高橋 慎一)

不動 奈緒美・ボルボ・カー・ジャパン社長 北海道出身。1991年米メリービル大学卒業後、現地テック企業へ入社。帰国後、2010年アクサ生命保険、2018年マニュライフ生命保険を経て、2021年ボルボ・カー・ジャパン入社。D&CX部門をけん引。2023年8月から現職。

――社長に就任してすぐに役職を廃止しました。狙いは何ですか。

不動:私が社長に就任して、20人程度いたマネージャークラスの役職を廃止しました。就任以前から、オフィスをフリーアドレスにして、スーツが基本だった服装の改訂も推進しました。短パンとビーチサンダル以外ならどのような服装でも出社できます。

採用方針も変えて、女性の採用を強化するように指示しています。ジェンダー目標として、男女比1:1を掲げました。業界未経験者の採用も積極的に行っています。

これらの職場改革の狙いは、風通しのよい組織にするためです。役職がないと意見が言えないというコンサバな組織では、世の中の変化にアジャイルに対応できません。

最大の成果を効率よく出すためには、言いたいことを言える環境が必要です。上司の指示がないと動かない、「指示待ち」を減らす狙いもあります。

特に自動車業界は大変革期にあります。勝ち残るには、自律・自発的な組織にならないといけません。顧客を中心とした、パーパス・ドリブンな組織への転換とも言えます。

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森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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