記事のポイント
- 400社超の企業が「サステナビリティ推進に関する実態調査」に回答した
- サステナビリティの社内浸透率とサステナ目標達成率は正の相関関係を示した
- 「社員の多数がサステナを理解」している企業は2割程度と、課題が明らかに
「サステナビリティ推進に関する実態調査」に400社超の企業が回答した。調査結果は、社員のサステナビリティに対する理解度の高さと企業のサステナ目標の達成率との間に相関関係があることを示した。一方、「社員の多数がサステナを理解している」と回答した企業は2割にとどまり、社内浸透の課題も明らかになった。(オルタナ副編集長=北村佳代子)
企業のサステナ推進支援を行うシェダル(東京・国立市)はこのほど、「企業のサステナビリティ推進に関する実態調査(2024年版)」を実施し、上場・非上場企業あわせて400社超が回答した結果を公表した。
調査結果によると、8割以上の企業がサステナビリティの取り組みに数値目標を設定している。この数値は、上場企業に絞ると9割超となった。
数値目標を設定している企業が多いものの、「すべてのサステナビリティ数値目標において順調に達成に向かっている」との回答は全体の25%にとどまった。なお、「一部の目標は達成に向けて順調だが、達成が難しい目標もある」と答えた企業は6割弱を占めた。
■サステナ目標の達成には社内浸透がカギを握る
シェダルの福田多美子社長は、「今回の調査結果は、サステナビリティ目標達成率と、社内のサステナビリティ浸透率との間に相関関係があることを示した。一方で、社員の大多数がサステナビリティを理解している企業は少なく、目標達成のカギは、研修などを通じて社内浸透を図ることだ」と総括する。
データでは、「社員の多数がサステナを理解している」と回答した企業は22%にとどまったが、そう回答した企業の半分は「すべての数値目標において、順調に達成に向かっている」と回答した。
サステナ目標達成に向けては社内浸透がカギを握る中、社内浸透に必要なものとしては「サステナビリティに関する情報提供」との回答が最も多く(48%)、「社内イベント」、「社員研修やワークショップ」、「社外活動」がそれに続いた。
■サステナ担当が思うほど社内に浸透していない実態も
一方、企業のサステナ担当部門が思うほど、サステナビリティが社内に浸透していない実態も明らかになった。
本調査の回答者は、仕事や事業でサステナビリティに関わっている人であり、必ずしも企業のサステナ担当部門の人だけを対象としたものではない。
「従業員の多数がサステナビリティを理解している」との回答は全体で22%だったのに対し、サステナビリティ担当部門でそう回答した人は45%と、認識に大きなズレがあった。