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『運をつかむ人16の習慣』 マーク・マイヤーズ

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うえしん

運をつかむ人16の習慣―成功を引きよせる究極のノウハウ (知的生きかた文庫)
Marc Myers マーク・マイヤーズ

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 運という価値基準なんて私にはほとんどないのだが、成功哲学を読んでいるついでに読む。運なんてわかりにくいものだが、この本ではほとんど人間関係をよくすることが書かれている。進んで人が協力してくれるような人になることが運を引き寄せる秘訣のようだ。運というより、人とうまくやる方法が書かれている本といったほうがいいかもしれない。

 自分は運がいいと思っている人はいいことを覚えている傾向が強く、悪いことはほとんど忘れているそうだ。私は悪いことばかり考えることが多く、こういう心の傾向は一掃したいものである。自分を幸運な人間のように思い、それらしくふるまう、これが運を引き寄せる秘訣のようだ。自分を敗北者のように感じてるとそのように行動してしまい、その結果を手に入れる。自分を良くとらえることがいかに重要なことかということだ。

 小さなトラブルはそのうちひとりでに消えてゆくと信じることも大切だ。ただちに問題を解決しようとして煩悶や苦悩を長引かせるより、なにもしないで時間が解決すると考えるのも必要だ。運は心の平静さによって引き寄せられる。

 自信とうぬぼれの違いには気をつけなければならない。運がよかったり、成功した人は、嫉妬を抱かれたり、恨まれたり、敵をつくったりしやすい。失敗するのを願われたりする。低く、謙遜して見せないと運は去っていってしまう。だれもどこまでも調子のいい人にいい思いはしないものだし、かといって謙遜しすぎて自分を低くけなしつづけていると、ほんとうにダメな人間になってしまうのがむづかしいところだ。自尊心の低いおおくの人はうぬぼれに近い心持ちをもつことが必要なのだけれど。

 「もしあなたがいい人生を生きたければ、人の人生をよくしてあげなさい」といわれているように、自分より他人の幸福を願うことがけっきょくは自分の運につながるようだ。この世は等価交換が原則だが、人におおく与える人は人に借りをつくり、だから助けてもらうことになる。とはいっても見返りを期待した行為にそれは期待できない。落胆と幻滅を感じて、自己利益しか追求しなくなるだろうから、与える満足だけで終わるべきなのである。それが運の秘訣である。

 「だれでも人からよく言われたいのに、人をよくいうことはおろそかにする」。これはたしかですね。人からよく言われたいのなら、人をほめる、いいところを見つけることが大切なのだろう。悪い贈りものをさいしょにあたえて、いい贈り物がやってこないと文句をいうのは虫がよすぎるというものだ。悪い贈り物をうけとったら、自分が悪い贈り物をまず与えていなかったかかえりみる必要があるのだろう。他人はけっこう私の反応をみて、対応しているものなのである。

 傷つけられたときは復讐するより、友好や協力を保って、あいつにはすまないことをしたと思わせるほうが賢明である。これは私も心を捨てる方法を試しているとき、人から攻撃的にいわれても反撃や感情の高ぶりを表わさなかったら、人は拍子抜けするらしいことを知った。自分の感情だけが宙ぶらりんになって、期待した反応を得られなくて、拍子抜けするのである。人は怒りには怒りや守りを期待しているから、その反応がないことに虚をつかれるのだ。あとは怒りの罪悪感だけが残るようである。

 「落胆にせよ、屈辱感にせよ、傷つくのはそのことについて考えている間だけだ。考えるのをやめればもう傷つかない」。このことはひじょうに大切な心の事実なのだが、当たり前すぎて人が忘れてしまう心の事実である。人はぎゃくに傷つけることばかり考える。自分で自分を痛めつけることを、心の習慣はしてしまうのである。この心の愚かな習慣を断ち切るべきだ。

 本の中から感銘した部分だけを抜書きしたのだが、運の本というより、人間関係の本というほうがより近い。運は人とうまくやることによって、運ばれてくるもののようだ。


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うえしん
Posted byうえしん

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てんてんまるどん
こんにちは~

初めて訪問させていただきました。いろいろ小説とか書評に関するプログを探していたのですが、なかなか自分の感性に合うものがありませんでした。しかし、このサイトは凄いです。僕などは、読書はエンターテインメント小説が中心で、なかなか知性を刺激してくれるようなものは読まないのですが、このサイトでいろいろ本を知って学習しようと思います。プロフィールの西行庵も気に入りました。確か景色がすごく良いところですよね。ただ冬はひじょうに寒いような印象を受けましたが。また訪問させていただきます。

  • 2009/07/06 (Mon) 08:35
  • REPLY
うえしん

こんにちわ。

私もむかしは小説とか物語にしか興味がないというか、読めなかったのですが、自分が知りたいものは哲学や社会学にあると気づくまで、けっこう時間がかかりました。物語より、社会や人生について教えてくれるのは、だんぜんノンフィクションです。

若いときはなぜかフィクションや物語に魅かれるものですが、年をとればしぜんとつくりものより、現実のものに興味が向かうものかもしれませんね。

羅針盤は自分の興味と自分の知りたいことに絞るのがいちばんです。興味のないものを読んでもムダです。自分のモノになりません。自分の興味や関心を大切にして、それを深く掘りつづければよい知識に出会えるものだと私は思います。

吉野の西行庵自体はあまり景色はよくないと思うのですが、吉野は桜の時期は強烈に絶景です。桜の時期にまた行かれることを、でも人もかなりあふれかえりますが、見にいかれてはいかがですか。