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考えるための書評集

Category国家と文明の優劣論 1/8

中国人の爆買いに文明の一大転換期を感じる

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 中国人旅行者の爆買いがテレビなどで報道されることがおおくなったのだが、小売業者や観光業者は大喜びで期待いっぱい、一般の人たちは中国人のマナーや民度の悪さをあげつらって溜飲を下げているような温度差を感じる。 一般人だって中国人がどんなに日本に憧れているか知れば、べつに喜んでもいいと思うのだけどね。 この現象は目先の儲けや民度の問題だけではなく、文明史的な曲がり角の一大歴史事件だとわたしは思うのだけ...

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中国人の旅行マナーの悪さもパクリ問題もかつて日本が通った同じ道

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 若い人はやっぱり知らなかったか。 中国人の旅行者のマナーの悪さやパクリがテレビやネトウヨで叩かれたりしているのだが、これはいまから約三十年前、日本もまったく同じように叩かれていたんだけどね。 バブル以前の昭和の時代を知っている世代なら、だれでも身に覚えがあること。知らないのは若い世代とネトウヨだけ。知らなくて、中国人をたたいて悦に入っている人はハジさらし。若い大学生と話してたら、昔の日本人がいま...

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他人様の横取り――『誇りと日本人』 篠田 雄次郎

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誇りと日本人―正義の論理・卑怯の論理 (1980年)篠田 雄次郎 PHP研究所 1980-07by G-Tools 1980年にPHP研究所から出たこの本がもう日の目をみることはないだろう。「日本の誇り」といったものはどんなものかという問いから、古本屋で手にとった。 PHP研究所は、学術書が経済や労働をあつかわない浮世離れした塔にこもるのに対して、一般人のビジネスや経済の世界により近づけた世界を展開する数少ない出版社だと思っている。 こ...

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心斎橋が「中国人街」になっていて、感無量

▲手前のファミリーが中国人観光客だとわかる。心斎橋の写真はぶしつけに向けることはできないので撮っていませんが。 もう何年ぶりだったかもわからないが、心斎橋をウォーキングがてらに歩いたら、中国人観光客ばかりに占領されていることにおどろいた。日本人なんてどこにいるのかと思うほど、変貌ぶりにカルチャーショックをうけた。 ネットで検索してみるとどうも2008年や2010年くらいから中国観顧客の増加はめだっていたよ...

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「西洋先進史観」への挑戦――『中国化する日本』 與那覇 潤

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中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史 (文春文庫)與那覇 潤 文藝春秋 2014-04-10by G-Tools おもしろかったね。いままで自明とされてきた西洋近代化という捉え方のカーペットをひきはがしてくれる本だね。うしろ向きに一回転する気分を味わせてくれる。それだけに反発や違和感も噴出するのだけどね。読まれていない方は文庫になったので、ぜひ一読はおすすめしますね。 なんでもかんでも割り切って説明できるよう...

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西洋の「極論」、「理想像」だけ見えてしまう件について

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 明治の「文明開化」いこう、西洋が進んでおり、日本は遅れていて、「日本的なるもの」は排斥しなければならないという構図でずっとやってきたわけだが、日本の「土俗的」で「後進的なもの」、西洋にないものと思われているものも西洋にあることもあんがい多いのではないのかと気づく。 進んでいる西洋は「極端なステレオタイプ」になり、遅れている日本も「極度なステレオタイプ」で見られることが多いのではないのか。 日本に...

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『天皇家とイスラエル十支族の真実』 ノーマン・マックレオド

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天皇家とイスラエル十支族の真実―マックレオドの原典日ユ同祖論 ノーマン・マックレオド  日ユ同祖論の本をブックオフの百円本で買ってみたら、おどろいたことにこの本は1875年(明治8年)に出版された本だそうだ。『日本古代史の縮図』というタイトルで出版され、わたしは『日本とユダヤ 謎の三千年史』という1987年の本を買ったが、いまは上記のようなタイトルで97年に出版されている。日ユ同祖論の古典という位置づ...

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『古代ユダヤは日本で復活する』 宇野 正美

古代ユダヤは日本で復活する―剣山の封印が解かれ日本の時代が始まる(1994/11)宇野 正美商品詳細を見る 電波。トンデモ。オカルトミステリー。想像力の蛇口が開きっぱなしで、思考の回線がブチ切れている。ブックオフの百円本だからまあいいけどね。古代にキリスト教が伝播していたかだけをさぐりたかったので、トンデモであることは百も承知だったけど。 中東情勢とか聖書解釈とかけっこうまともなことをいっているのだが、後半...

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古代キリスト教伝播説がトンデモになる歴史観こそを問う

 古代にユダヤ教やキリスト教が伝播していたという説をさぐろうとして、古本屋をさがしまわってみたが、いまは日ユ同祖論の本もほとんど手に入らない。ネットではけっこう情報があるのだが、古本屋ではほとんど不人気なようだ。オカルト系のあやしい棚に二束三文で売られていると思ったが、それすらもない。 ユダヤ人の渡来人といわれる秦氏の根拠地、京都の太秦の広隆寺、三柱鳥居がある木嶋神社、蛇塚古墳をめぐってみたが、こ...

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「紋切り型ジャパン」イデオロギーのウソ

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 日本をあらわす紋切り型の表現はだれもが口にしやすい言葉であるが、その裏にはイデオロギーやなんらかの意図がこめられていると考えるべきだろう。いわく「日本は島国で、資源がなく、単一民族で、農耕民族である」うんぬん。ひじょうにポリティカルな操作性のある言葉だと警戒したほうがいいだろう。 「日本は島国である」というのはそのあとに世界から閉ざされたド田舎だったという批判がつく。日本はむかし国際性や開放性が...

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