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Category旅へ 1/2

『物乞う仏陀』 石井光太

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物乞う仏陀 (文春文庫)石井光太 東南アジアからインドまで障害者や乞食の生きざまを追ったルポタージュであり、インドのストリート・チルドレンを描いた『スラムドッグ$ミリオネア』を見て興味をおぼえたから読んだ。障害者や乞食が血の通った、ふつうの人間として生きているさまがつたわってくるルポタージュである。 中身の感想より、この手の本やルポはまずその姿勢やメディア・リテラシーが問われなければならないと思う。世...

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『古道』 藤森 栄一

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古道―古代日本人がたどったかもしかみちをさぐる (講談社学術文庫)藤森 栄一 このところ株価大暴落から目がはなせない。緒方拳の死去、ノーベル賞の日本人受賞など大きなニュースがつづく。なにか書きたいと思うのだが、私の手には負えないことばかりなので残念である。世情とまったく連動しないで、ほかの世界に沈静するのも乙なものである。世情とかかわらないで暮らすというのも、人にとっては幸福や安寧であるための必要な知...

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『新編みなかみ紀行』 若山 牧水

新編みなかみ紀行 (岩波文庫)若山 牧水   若山牧水 若山牧水という人はよく知らないのだが、酒と旅を好んだ歌人であったようである。明治18年に生まれ、昭和3年に43歳の若さで亡くなっている。私がこの本を読んだのは、近代の文学者が旅や景観をどのように記述したのかの興味からである。 景観や自然というのは視覚によるものがほとんどであって、言葉や言語に刻みつけて表現するのはかんたんではないと思う。視覚によるすば...

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『おくのほそ道(全)』 松尾芭蕉

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おくのほそ道(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)角川書店  日本の文学者は旅をどのように描いたのかという興味から読む。日本の代表的な紀行文だというのに、大阪人からすれば、「なんだ、東北・北陸旅行記」かと思ってしまう(笑)。大阪からの旅行で、東北はそう近くないし、あまり興味が向かうものでもないよう気がする。東北・北陸紀行が日本の旅紀行の代表作になるというのは、江戸が過去の日本(西日本)に対す...

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『日本十六景』 森本 哲郎

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日本十六景 (PHP文庫 も 7-13)(2008/08/01)森本 哲郎商品詳細を見る 旅というのはどのような風景や美に魅かれて旅立つのだろうかと、近代の文学者あたりの紀行文を読みたくなった。近代の文学者の名著とよばれる紀行文はだれの作品があるのだろうか。とりあえず岩波文庫でざっと見てみると「うっ」と言葉につまる(笑)。古文のよう文体で読めないのである。ちょうど、いいころあいに新刊に出ていた森本哲郎のこの本を手にとる。 ...

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『道の風土記』 共同通信社

道の風土記 (新潮選書)共同通信社 新潮社 1989-06by G-Tools ツーリングに出かけたいと思うのだが、いぜんのような地方に対する好奇心が枯渇している。いぜんはハイキングに山々に登り、土地の風俗や生活、歴史、あるいは信仰する神などに興味がもてた。民俗学や古代史、歴史地理などでその好奇心を満たしたいと思っていた。しかしなかなかその好奇心を満足させてくれる知識と出会わず、基本的な好奇心が枯渇してくる事態におち...

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『幻の漂泊民・サンカ』 沖浦 和光

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幻の漂泊民・サンカ (文春文庫)沖浦 和光 昭和前期から終戦まで三角寛の猟奇的なサンカ小説がブームになった。国家統制が厳しくなってゆく世の中に、山中を自由に移動し漂泊する姿にロマンや憧憬を感じたのだろう。柳田國男も渡来系の支配者に対して先住民は山人となってその支配に抗したというロマン的な発想を描いていたようだ。 ときたま見かける「サンカ」という文字になんなのかという一瞥を加えることはあったのだが、こん...

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『人生を変える旅』 蔵前 仁一

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人生を変える旅 (幻冬舎文庫)蔵前 仁一  私はべつに海外の旅が好きではない。まとまったお金をいっきょに使う気になんかならないし、旅に出られるほどの稼ぎがいいというわけではない。外国の憧れの地があるというわけでもない。 このような海外の旅の本を読んでいるのは、下川裕治の『日本を降りる若者』を読んだからである。日本の働き蜂社会からドロップアウトする方法に海外放浪するという手段もあることを知って、にわかに...

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『行かずに死ねるか!』 石田 ゆうすけ

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫 (い-30-1))石田 ゆうすけ こういうジャンルがあるなんてよく知らなかった。自転車で世界を一周するというジャンルはいったいなんなのかと思う。旅行家?、冒険家?、それとも旅雑誌や自転車雑誌のライター?、なんだかくくり方がよくわからないのである。冒険家と名乗る人にしてもどうやってメシを食っているんだと思うが、他人の冒険に支援する人というのはたくさん...

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『ホテルアジアの眠れない夜』 蔵前 仁一

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ホテルアジアの眠れない夜 (講談社文庫)(1994/06)蔵前 仁一商品詳細を見る 旅行記には二つのタイプがあって、日記タイプとエッセイタイプがある。日記タイプは行動をえんえんと記し、エッセイタイプは一歩踏み込んで思索をくりひろげる。旅行記では日記タイプが多く、ヘミングウェイのように思考より行動に価値をおくのだが、行動にあまり価値をおかない思索型の私はやはりエッセイが好みである。エッセイはものごとや行動を時系...

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