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Category右傾化再考 1/8

時間の浪費でした――『わが闘争(上)(下)』 アドルフ・ヒトラー

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わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫)アドルフ・ヒトラー 角川書店 1973-10by G-Toolsわが闘争(下)―国家社会主義運動(角川文庫)アドルフ・ヒトラー 角川書店 1973-10by G-Tools 読む進めるのが苦痛な書物であって、上下巻ぜんぶ読み終えるのに三週間はかかった。 おそらく上下巻読み通せた人はそう多くないと思われる本で、一時期書店におくことが忌避される世論もあったが、まあ本屋においていても、たいていの人は読み通...

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医学の暴走と排除?――『健康帝国ナチス』 ロバート.N. プロクター

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健康帝国ナチス (草思社文庫)ロバート・N. プロクター Robert N. Proctor 草思社 2015-08-04by G-Tools ナチスは20世紀最大の悪をなしたのであり、ナチスがおこなったことはすべて悪とみなすことはかんたんである。ナチスに近づくことはそれだけで悪である。だけど、ナチスの悪は20世紀世界を規定する「へそ」のようなものになっており、閉塞感の打破をもとめるものがそこへちかづいてゆき、転覆をおこなえる象徴のようなものに...

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花盛りの日本礼賛本をどう思いますか?

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 みなさんはどう思われるでしょうか。 日本礼賛本、称賛本、すごい本はここまで出ていたのですね。 あらゆる角度から、アジアから、ヨーロッパから、歴史から、太平洋戦争から、文化や道徳から、ありとあらゆる日本の称賛や礼賛が集められています。 ぎゃくに非常事態に思えますね。 日本の経済大国の凋落はとどまることを知らず、中国の経済大国化は飛ぶ鳥の勢いで、そういう状況の中で、日本の礼賛本、称賛本を山のように日...

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2016年、経済的凋落と右傾化勃興のこれから

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 あけましておめでとうございます。年頭のあいさつです。日本人のセルフイメージって2010年のGDPのままな気がする.中国に抜かれたって大きく報じられたから今でも僅差だと思ってる人多すぎる.今日本のGDPはアメリカの約1/4 だし,中国の半分以下だし,一人あたりは世界27位の貧しさだ. pic.twitter.com/Q9bf9ICrZk— 落合陽一/「魔法の世紀」発売中 (@ochyai) 2015, 12月 17  日本の経済的凋落はいちじるしく、それでも日本国...

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日常にひそむ精神医学と障害者抹殺の思想

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 11月7日に放送されたNHK「それはホロコーストのリハーサルだった」を見た。 【障害者と戦争】11月7日(土)、ETV特集 放送決定!(「それはホロコーストの'リハーサル'だった ~障害者虐殺70年目の真実~)■日常にひそむ精神医学の権力 戦時中、ナチスはユダヤ人虐殺に先駆けて、精神障害者や知的障害者の計画的安楽死をおこなっていたという重苦しくなる内容のものだった。 これは戦時中の異常事態ではなく、平常時、...

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あまりにも知らないので一読――『「在日コリアン」ってなんでんねん?』  朴 一

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「在日コリアン」ってなんでんねん? (講談社+α新書)朴 一 講談社 2005-11-18by G-Tools いつか在日朝鮮人についてはくわしい本でも読まなければと思っていて、この本を手にとってみたが、そういう初心者にとっては政冶的な権利獲得の話が多い本書はあまり興味をひかれるものではなかったかもしれない。まずは在日朝鮮人が生きてきた苦難や差別の歴史を知るほうが先決だっただろうか。 ヘイトスピーチや嫌韓本があふれる昨今、こ...

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尊厳の回復の道すじを――『ナショナリズムは悪なのか』 萱野稔人

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新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのかposted with amazlet at 14.11.13萱野稔人 (2013-08-20)NHK出版Amazon.co.jpで詳細を見る 右傾化は、社会的排除による「尊厳の回復」をめざしているのだという指摘をうけて、そちらの回復の道すじについて考えたくなったのに、基本にたちかえって国家とは、ナショナリズムとはなにかと問う本文はほとんどどうでもよいことのように思えた。 社会的排除されていった人たちへの尊厳の回...

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近代国家は郷土愛ではない――『愛国の作法』 姜尚中

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愛国の作法 朝日新書posted with amazlet at 14.11.12姜尚中朝日新聞出版 (2012-08-01)Amazon.co.jpで詳細を見る この本でいちばんおどろいたのは、ふるさとの郷愁といったものが祖国への愛ではないと言い切ったことである。「日本国憲法の「国家」とは、「憲法の定める統治の基本秩序」を指しているのであって、それ以前の裸の美しい国土とか文化、伝統ではないのです」 郷土愛の延長に国家があるのではないと姜尚中はいう。「...

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戦争を喜んだのは国民――『昭和史の逆説』 井上寿一

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昭和史の逆説(新潮新書)posted with amazlet at 14.11.10井上寿一新潮社 (2012-10-05)Amazon.co.jpで詳細を見る ちょっと読みとりにくい本だったかな。この時代のしっかりした流れを把握していたら違ったのだろうけど、逆説と通説を比べることができなかったというか。わかりやすかった半藤一利の『昭和史』を読んだあとだからなおさらだ。 たとえば第六章の「アメリカとの戦争は避けることができた」のタイトルはなかなか期待...

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国の誇りがあなたを切り捨てる

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 「日本はすばらしい」や「世界が絶賛する日本」といった本やテレビ番組が大流行で、嫌韓嫌中な人たちも跳梁跋扈し、歴史修正主義による戦後レジームの脱却をうたう政治家たちの暗躍もおどろおどろしいさっこん。 国を誇ったり、国を称賛することに警戒は必要ないといったムードが覆ってきており、朝日叩きに見られるような「左翼パラダイム」への攻撃も度を増している。 左翼パラダイムとはなにかというと、社会主義革命のよう...

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