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考えるための書評集

Category集団の序列争いと権力闘争 1/6

はじめて「スクール・カースト」の名を冠した研究書ですね―『教室内(スクール)カースト』 鈴木 翔

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教室内(スクール)カースト (光文社新書)鈴木 翔光文社 2012-12-14by G-Tools ネットではふつうに語られる「スクール・カースト」という言葉だけど、研究書としてはまだ出されていなかったので、はじめてその名を冠した本を読んでみた。 「ブラック企業」でもそうだったけど、従来のマスコミだけでは掬えない言葉や事象がネットから生まれたことはネットの力を感じさせるね。 この本はアンケートやインタビューの集計結果の発表...

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『いじめの構造』 森口 朗

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いじめの構造 (新潮新書)森口 朗 新潮社 2007-06by G-Tools なんだか自信満々で語られており、この本でハイレベルな議論になる、世のいじめ本の九割は妄言だというわりにはたしいて鋭い分析には出会わない本だった。内藤朝雄とか森田洋司、藤田英典の紹介におおく割かれていて、この人たちは妄言ではない一割の人たちなのか。 スクール・カーストの帯で興味をひかれたのだけど、その記述もべつにたいしてくわしく分析されている...

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『教育をぶっとばせ』 岩本 茂樹

教育をぶっとばせ―反学校文化の輩たち (文春新書)(2009/05)岩本 茂樹商品詳細を見る これはよかった。すばらしい。わたしの知りたいことがここに書かれていると思った。逐一、隠された情報をもらさないように慎重に読み進めなければならなかった。わたしの「GREAT BOOKS」に選出しようかどうか迷ったが、あまりこの系列の本がないということで選出しておこう。 関西の夜間定時制高校に通うワルたちの関係や抗争の日常をえがいた...

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映画『グラン・トリノ』にみる男の名誉と侮辱

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グラン・トリノ [DVD]ワーナー・ホーム・ビデオ 2009-09-16by G-Tools■チキンな少年に教えるアメリカの男 クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』をみた。男らしさとはなにかと教えようとした映画だったと思う。 そして男らしさを身につけることはどこの国の少年にとっても普遍的な通過儀礼だ。日本でも大なり小なりこの映画のような経験をして大人になってゆく。ワルやケンカの関係をやりすごしながら、自分のポジショ...

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『男には七人の敵がいる』 川北義則

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男には七人の敵がいる (PHP新書)川北義則 だれでも人と仲良くしたり、人から好かれたいものである。だけど人から嫌われるのを恐れすぎたり、敵をぜったいにつくらないという「いい人」をめざしすぎるのも問題である。というか不可能だし、自分を殺しすぎたら自分の人生も生きられない。 敵はできてしまうのだし、性格や考えがちがうだけで敵になるし、また偉くなったり勝とうとするだけで恨みや嫉妬を買って敵は生まれる。なにを...

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『職場はなぜ壊れるのか』 荒井千暁

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職場はなぜ壊れるのか―産業医が見た人間関係の病理 (ちくま新書)荒井千暁 ああ、二重の後悔。この本は二年前に読んでいたこと、そして書き終えた書評が消えてしまった。あらためて書き直す。 この本はタイトルには惹かれるのだが、内容のほうはほとんど印象に残らない。だから読んだことすら忘れて再購入してしまうような本だった。まあ、なんにも語っていない。 私は「職場はなぜ壊れるのか」ではなくて、「職場の人間関係はな...

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『マンガでわかる売れる営業マン売れない営業マン』馬渕 哲+南條恵

マンガでわかる売れる営業マン 売れない営業マン―ちょっと「できないフリ」がお客の心をつかむ (PHP文庫)馬渕 哲+南條恵 ぷっとんだ。こんなことをいっていいのか、ここまであからさまにいっていいものか、驚いた。 この本でいわれていることは「できない営業マンのススメ」である。つまり「劣位」、「劣った人」のススメである。営業マンは「できない」からこそ、客に安心されて仕事を頼まれるというのである。営業マンはでき...

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『友だち地獄』 土井 隆義

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書 710)土井 隆義 友だち関係や集団関係の維持には私もたいそう悩まされてきた。私は中学のころから友だち関係の維持がめんどくさいと思いはじめ、ひとりになりたがる傾向が強くなった。二十歳以降は文学や現代思想、社会学を好み、画一化・規格化される集団というものを嫌い、集団から外れる方向ばかりに走ってきたと思う。そのような私にとって、この本はずいぶん自分の感...

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『雑談力』 川上 善郎

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雑談力 おしゃべり・雑談のおそるべき効果 [マイコミ新書] (マイコミ新書)(2008/07/23)川上 善郎商品詳細を見る 雑談やおしゃべりといったものをなめちゃいかんと思う。学校でおしゃべりはいつも注意されるし、近所のおばちゃんの雑談はムカつくし、仕事中のほかのやつの雑談はどうにかしたくれといったように、他人の雑談は不快である。 それは集団や群れというものが脅威であり、自分を排斥したり、評価したり、仲間はずれにし...

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会社の私語と権勢ゲーム

 会社の中には朝から晩まで沈黙して、ひと言もしゃべってはならないような雰囲気の会社もある。ぎゃくにみんなが談笑して、会話の輪に入らなければならない職場もある。  私語禁止の職場もあるし、なんとなくそういう雰囲気になっている職場もあるし、私語し放題で、ムカついている隣の人もいるし、話さなければ孤立を恐れて話しつづける人もいるし、部署ごとに対立が生み出される職場もある。  職場の苛立つ私語 発言小町  ...

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