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考えるための書評集

Categoryセラピー・自己啓発 1/15

自尊心のエッセンスがない――『うまくいっている人の考え方 完全版』  ジェリー・ミンチントン

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    うまくいっている人の考え方 完全版  ジェリー・ミンチントン 「24年間読まれつづけて計150万部」という帯のコピーにひかれて手にとった。ミンチントンのこの本はそんなに読まれているのか。でもほかの本では「著者累計」と書かれていて、この本だけではないじゃないか。 ミンチントンはずっと前にPHP文庫の『人生がうまくいく、とっておきの考え方』という本で出会っている。劣等感と自尊心の名著であると思ったのだが...

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でっちあげの創作者――『心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学』 ニック・チェイター

 2024年のはじめての記事になります。 元旦から大きな災害や事故が連続した年明けですが、本年もよろしくお願いします。 今年から本ブログの書影が表示されない不具合がおこっていますが、Amazonの規定変更のために数年にさかのぼって画像が表示されないことになりました。どうしようかと困っているところですが、解決策をなんとかみつけたいところです。   心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学 (講談社選書メチエ)...

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安心確保の落とし穴――『セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック』 ティモシー・A・サイズモア

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      エクスポージャー療法というのは、暴露療法や逆説志向とよばれ、恐怖症の対象にわざと突入してゆく療法のことである。このメカニズムをくわしく知りたくて、あまりその名を冠した本が少ないのでこのような専門者向けの本を手にとったが、役に立つには内容が高度すぎた。 認知行動療法(CBT)、弁証法的行動療法(DBT)、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の中に、エクスポージャー療法をどう組み入れてゆく...

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恐怖の非実在――『ストレスや苦手とつきあうための認知療法・認知行動療法』 大野 裕、伊藤 伸二

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      吃音治療にとりくむ伊藤伸二が、認知療法の大野裕にその理論の紹介をおこなってもらい、それにもとづいて公開対談をおこなった記録である。半分は認知療法の紹介になっていて、知っている人にはくりかえしの内容になる。 吃音はいまだ原因がわからず、治療法もなく、治っていない現実がつづいているといっている。ジョセフ・シーアンという言語病理学者が吃音は氷山の一角という理論をとなえて、言語障害だけを治療の...

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予期不安が問題である――『吃音は治せる』 都筑澄夫

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       現在の吃音の標準的な治療法は、発話訓練とされる。流暢性形成訓練といわれる話すテクニックから、完治をめざすことをやめて軽くどもりましょうという吃音緩和訓練に変わり、いまはこのふたつの統合的訓練になっているとされる。 著者はこれでも治らないことを悟り、ゼロから患者の声を聞くことにより、吃音者には否定的な感情や価値観が多すぎ、自信がなく、感情をうまく出せないという構図に注目した。そこから、...

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心配や不安を手放せるか――『吃音の世界』 菊池良和

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      吃音は2~5才くらいからはじまるのがもっとも多く、外来に相談にくるのはほぼ8割が大学生までである。就職後も2割ほどになる。幼児からはじまれば、対処法など考えようもなく、戦後は母親の育て方のせいだとかされて、当事者以外は苦しみを共感できなかったのではないだろうか。 だれだって学校で人前で発表などをするとき、緊張した覚えがあるものである。吃音者はこの恐れが大きくなり、隠す努力をしたり、回避の行...

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急にバズった鬱克服マンガ――『僕が僕であるためのパラダイムシフト』 EMI

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     twitterで急にバズった鬱克服のマンガ。三年のときをへて急に読まれたのは紹介者の影響か。ツイコミというサイトでいまも全ページ無料で読めます。 https://twicomi.com/manga/e3_noguchi/913693963118190594  このマンガは最後に出てくるマエダ先生のステマや広告だという警戒の声も多かったが、全体としては鬱に呑みこまれるまでの父の暴力や成長の記録、そしてさまざまな心理療法のリアルな感想がのべられていて、...

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精神が安定している人のつくり方

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 twitterでこの数日、精神的に安定している人をパートナーにしたいという話題がよくつぶやかれていた。 いきなり怒りだしたり、不機嫌で人を操作するような人だったり、情緒不安定や感情的に安定していない人は、パートナーとしていっしょに暮してゆくのは苦労が多いということである。 この数年でも、自分で自分の機嫌を治せる人が職場には必要だという話も散見するが、パワハラとか他責でいっしょに仕事をして苦労するのが、...

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誰かのせいにするな――『史上最強の人生戦略マニュアル』 フィリップ・マグロー

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   「だれかのせいにするな、人生の責任は自分にある」の主張はおおいに同感。 「回避せずに手遅れになる前に行動しろ、人生は行動だけに見返りをあたえる」という意見には耳が痛い。 「事実なんてない、あるのは認識だけ」は、これをつかまないと、人生おおいに誤る。 基本的にほしいものを勝ちとれ、勝者になれという人生指針なので、私はその点は受け入れがたい。意味や目的をもとめる人生は、神秘思想からは誤った認識だ...

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人生を変える名著がある――『世界の自己啓発 50の名著』 T・バトラー=ボードン

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  この本の中で選ばれた名著の中で、文字通り私の人生を変えた本が何冊もある。 あげられている著者のタイトルが違うものがあるが、リチャード・カールソン『楽天主義セラピー』、ウェイン・ダイアー『どう生きるか、自分の人生』、ノーマン・ピール『積極的考え方の力』、そしてマルクス・アウレーリウス『自省録』だ。 これらの本で語れていることは、思考が感情をつくり、思考が自分の認識する世界をつくりだしているという...

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