風向きを変えた「違憲」発言

takase222015-06-09

きょう東京は雨がぱらついたが、夕方にはあがった。
7時前に満員電車に乗り、外を見ていたら、火事かと思うような異様な空の赤さ。天空半分近くまで染まる最近見たことが無い見事な夕焼け。ドアに押し付けられながら、うっとり眺めていた。
自然の変化に感動できて幸せだった。
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こないだの週末、夕方散歩していたら、色とりどりのタチアオイがたくさん咲いている一角を通った。
写真は、真っ赤なタチアオイ。住宅街に映えている。
先日、尾形光琳の絵を見てから、この花がやけに気になる。昔から日本で愛でられてきた初夏の花である。

きのうの朝日歌壇には、今の季節の草花の生命力を詠ったものが。

ヒメジョオンセイヨウタンポポネコジャラシよく来てくれた除染の庭に
              (福島市 米倉みなと)
ネジバナにホタルブクロにイカリソウ庭の除染土のみ込んでゆく
              (さいたま市 箱石敏子)


常連の富山市の松田わこさん、今週も入選していたが、なんと俳壇でも入選。俳句での入選は初めてだろう。

更衣今から私風になる  

(念のため、更衣は「ころもがえ」と読みます。)
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最近気になったニュース。

4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦を含む憲法学者3人全員が法案を「憲法違反」と発言し、大きな問題になっている。

憲法9条の第2項には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」とある。
素直に読めば、現在の自衛隊の存在自体が違憲だ。戦車やP3Cや護衛艦をもつ組織である自衛隊が、軍隊以外の何ものでもないことはみな知っている。
憲法学者の主流もそうだ。

ましてや、集団的自衛権の行使というのは、「自衛」ではなく「他衛」であり、自衛隊が他国軍と一体化して「交戦」するわけだから、憲法学者に聞けば、これを違憲だと言わないはずがない。
「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と菅官房長官は言ったが、誰ですか?そんな人は「たくさん」いませんよ。

今夜の「報道ステーション」。
約200人の憲法学者にアンケートを実施中で、回答が返ってきた50人の答えを中間発表した。
安保法案は「違憲だ」が45人、「違憲の疑いがある」が4人、「違憲ではない」が1人だった。
当然の結果だ。私も、「違憲でない」と答える人は、一人いるかどうかだろうと思っていた。

《政府・与党は、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の今国会会期末(24日)までに衆院で採決することを断念する方針を固めた。(略)政府・与党は会期を延長し7月中の法案成立を目指していたが、8月上旬以降にずれ込む可能性が高まった。》(毎日新聞)
私は、安保法案が「違憲」なのは当然だと思っていたのだが、あらためてそこを3人の学者に指摘された結果、メディアがこれに「驚いた」のか、がぜん食いついてきて、世論も変わりつつある。

こんな単純なことで、風向きが変わった展開を見て、考えさせられた。
安倍内閣の暴走に対するこれまでの対抗策は、見直さなければならないのではないかと。