今週末のコミティア・文フリにて発行される『PRANK Vol.6』に、自分の論考が掲載されます。
「渦巻きの上を走る――オープニング・エンディングに見る非物語的映像表現」というタイトルで、主に『少女終末旅行』のOP映像を例に取り上げながら、テレビアニメのOP・ED映像について論じます。
テレビアニメの本編が、主に物語を描くのに対して、OP・EDというのは、およそ本編には出てこなさそうな表現を用いて描かれることがあります。
分析美学における描写の議論をもとにしつつ、そうした表現の特殊さを分析してみようというものです。
「渦巻きの上を走る」という、ちょっと奇妙なタイトルですが、これは以下の絵のことを指しています。
渦巻きの上をテッケンクラートが走っています。
「渦巻きの上を走るところを描いた絵って(一体どういう)絵なのか?」ということをテーマにしつつ、テレビアニメのOP・EDってこういう絵を使うことで、非物語的に、作品内容を伝えているのではないのかという話です。
これを書くにあって、哲学とポピュラーカルチャー研究会において検討していただき、会の皆様から貴重なご意見をいただきました。
特に、Nanayの〝Threefoldness〟という論文を教えていただいて、それを読んでみたら結構使えそうだなということが分かったので、早速使っています。
Bence Nanay ”Threefoldness" - logical cypher scape
そのほかにも沢山コメントをいただいて、生かせたものもあれば、生かせなかったものもあるわけですが*1、そのおかげで書き上げることができましたので、大変感謝しております。
さて、『PRANK Vol.6』全体については、【告知】PRANK! Vol.6 特集:日本アニメの新世紀:Web PRANK! - ブロマガや【同人誌】「【試し読み】PRANK! Vol.6 特集:日本アニメの新世紀」イラスト/LandScape Plus [pixiv]で紹介記事や試し読みが公開されております。
「特集:日本アニメの新世紀」と題して、川瀬浩平プロデューサー、佐藤順一監督などへのインタビューが掲載されているそうで、かなり気合いの入った一冊です。
こんな豪華な面々のいる誌面の末席に連ねさせていただいて、編集部の皆様にも感謝しております
(アニメ100周年という特集を組まれるというのは知っていたんですが、知った上で、特集とあまり関係ないもののこういうの書きたいんですがどうですかって尋ねたら、快く掲載okをいただけて感謝しております)
『PRANK! Vol.6 特集:日本アニメの新世紀』
発行:LandScape Plusコミティア124
5月5日(土) 11:00〜16:00
東京ビッグサイト東4・5・6
X10b LandScape plusにて第二十六回文学フリマ東京
5月6日(日) 11:00〜17:00
東京流通センター 第二展示場
キ25 LandScape plusにて表紙イラストレーション
石浜真史
インタビュー
川瀬浩平、佐藤順一、石川陽也、岩佐岳×小倉充俊
特別寄稿
藤津亮太
論考
羽海野渉、小菊菜、なーる、ウインド、りきお、tacker10、シノハラユウキ、すぱんくtheはにー
*1:そして後者の方が多いけれど