2020/12/27
12話「死闘カーチェイス 炎の脱出」再レビュー 脚本 溝田佳奈氏、監督 瀬川淑氏
前回に続き高松ロケ編です。今回は小倉さんのナレーションでストーリーをおさらいの後、そのままオープニングです。
CM明け 今は亡き京王プラザホテル高松で、京子と夢子を拉致している殺し屋が一条寺家に電話を掛けてくる。「こいつピストル持ってる」と叫ぶ夢子の頭を拳銃で殴るが、痛いというだけで気絶もしない夢子に戸惑う殺し屋に「頭の出来が違う」と言い返す夢子。
「その子たちに乱暴しないで」と言うさやかだが、電話は切られてしまう。只ならぬ様子に「なんかあったの?」と聞く鳩山に「うちの生徒をさらったって」と言うも、さやかをおびき寄せる為のタイマンを張りたい京子の芝居だと言って信じない鳩山。
「ピストル持ってるって」というさやかの言葉を聞き、警察に電話しようとする源太、「知らせたら殺す」と言われたからダメというさやかと、狂言誘拐と決めつけ、警察沙汰にすると二人がかわいそうという鳩山。
電話が鳴り、鳩山が出るが京子達を心配した学園長で、鳩山が二人を連れ帰ると言い切ります。学園長が一条寺家に電話を入れるのは色々勇気が言った気がしますので、ここは教頭かひみこ先生という設定の方がよかった気がします。
続いて、電話が鳴り、今度こそ殺し屋からの電話で、明朝9時鬼ヶ島の洞窟にくる様にと指示される。電話の前で「助けになんか来るな」と京子と夢子がケンカを始める。口に詰め物をして黙らせる殺し屋。この雰囲気だけでも絶対殺される感じではないですね。
電話を切り「鬼ヶ島とは傑作。バカ」と電話に向かって呟く鳩山に、お金の要求があったか聞くさやかに、身代金の話はなかったので、本物の誘拐じゃない証拠と決めつける鳩山。心配そうなさやか。
翌朝、女木島へフェリーで向かう二人。女木島が桃太郎伝説の鬼ヶ島であることなどを説明するも、心配そうなさやかに京子の事はちゃんと話を付けるからという鳩山に、その事でなく、男の声をどこかで聞いた気がするも思い出せないというさやか。
殺し屋は存在感そこまでないのかとも思いましたが、よく考えると、ここに至るまでは確かに二人は殆ど会話してないですね。
次のシーンで女木島の洞窟の前にいる二人。ここまでバス使わないと来れないのですが、この辺りはドラマの中という事で・・。
ともかくも洞窟に入ってみようと、入っていく二人。ここも入場券が・・(以下略)銃にマガジンを装填する殺し屋。
洞窟内を進んでいくと突然銃声が響く。冗談はやめろと言いながら必死に逃げる二人。さやかも恐怖から鳩山にしがみついてます。
せめてもの抵抗にと石を投げる鳩山だが全く当たらず、殺し屋の笑い声が響くが、さやかが投げると一発で命中し呻く殺し屋。これは単にギャグシーンと思ってましたが、トムゴンさんの考察では一条寺拳法の印字打ちではないかとの事です。
「飛び道具なんて卑怯じゃない!」というさやかに、「殺し屋稼業にルールなどあるか!」と返す殺し屋。殺し屋と聞いて、9話での戦闘を思い出すさやか。殺し屋と仕置屋はやっぱり違い(以下略)
タイミングを見計らい、洞窟から脱出する二人。警察にという鳩山に、警察に届けることで京子たちの身が心配というさやか。鳩山に浜へ行けば漁師さんが大勢いるはずなので、人を呼んできてと頼み、自分は殺し屋を見張るというさやか。
心配する鳩山にいざとなったら逃げるからと返し、鳩山を浜へ向かわせる。冷静に考えると色々不自然なんですが、変身する為にはさやかとしてはここは鳩山を引き離さないといけないのでしょうし、鳩山も動転してるのでしょうね。
鳩山が去ったのを確認後、ヌンチャクの封印を解き、ワルキューレさやかへと変身、このままではやられてしまうなんとかしなくちゃと言いながら、展望台を駆けあがっていくさやか。拳銃持っている相手と向き合うには若干不利な場所へ向かっている気がします。
そして、展望台の上で、瀬戸内の絶景を背に向かい合う二人。殺し屋の拳銃が火を噴き、さやかのヌンチャクを狙います。
その一撃で転倒してしまうさやか。楽しむように「とどめだ!」という一言共に引き金を引こうとした瞬間を狙い、相手の下から、殺し屋の拳銃を叩き落すさやか。
更に素手で向かってくる殺し屋を見事に展望台から落とす。この高さを活かすつもりであれば、
展望台への誘導は正解ですね。倒れている殺し屋の姿を確認するさやか。
変身を解いたさやかの前に、浜へ行ったけど、漁に出てて誰もいなかったと鳩山が戻ってくる。
殺し屋の所在を聞かれ、展望台の下を覗くも、既に殺し屋は姿を消しており、二人の居場所が分からなくなったと焦るさやか。
そのころ、ホテルの中で縛り上げられていた京子と夢子は壁を蹴り、ホテルのメイドさんに気づかせることに成功する。
玉藻公園前を走る琴電を背に市内を捜索後、バスの営業所、魚市場で聞込みを続けるさやか達。
一休みという事でマクドナルドに入るも、丁度その前に、高松北警察署があるのに気づき、警察に行こうという鳩山に、理由を聞かれたらなんていうのと否定的なさやか。
そしておじいさまが心配してるからと思い、家に電話をするさやかだが、生徒達が来ていると聞き、驚くさやか。
夢子が京子に決闘を止めるよう説得するも、何の為に高松に来たんだよとあくまでさやかとの決闘を望む京子。
松林でさやかに対峙し、無抵抗なさやかをチェーンで襲い続けるも、悲し気な目で京子を見つめるさやかの姿に負けを認め、チェーンを落とす京子。
その京子の肩をやさしく取って、立たせるさやか。ここでCMです。このシーンは何故京子が負けを認めるのかが何回見てもやはり分からないですね。
囲炉裏を囲み、京子たちに甘酒を準備するさやか。そして鳩山には源太が地酒を薦める。地酒に目が無いと合わせる鳩山に昨日の詫びと源太。
何のことかわからない鳩山に、更にお酒を進める。良い雰囲気の中でも結局ケンカを始める京子と夢子。せっかくの甘酒もぶちまけてしまう。止めに入るさやかと鳩山、一人杯を進める源太。
二人を寝かしつけ、さやかもエプロンを外し戻ってきたところで、源太が鳩山にさやかとの関係を聞きにくそうに質問、それに対し軽くボーイフレンドと返す鳩山に、安心するのかと思いきや、逆にわしの大事な孫娘を何だと思ってるんだ、はっきりせい!と怒り出す源太。
寝たふりをやめ、やり取りをしっかり聞きこむ体制になる京子たち。
意を決して、源太に向き合いはっきりしましょうと鳩山。源太と鳩山双方を止めようとするが、二人とも聞く耳を持たない。
そしてここで鳩山が「俺は惚れてます!」と言い切ると、「良くいった呑め」と源太。戸惑いと喜びが混ざった様な表情のさやか。
そして調子づいた鳩山は何度でも言ってやる。おれは一条寺さやかに惚れてるんだと言い、最終的に立ち上がったところで「俺は」と言いながら、物凄い勢いで意識を失い倒れてしまう。微笑ましく鳩山を見つめる源太とさやか。
翌朝、一条寺家を辞する面々。折角高松に来たんだから、どこか行きたいという夢子に、飛行機の時間までレンタカー借りるかと鳩山、さやかの案内で観光することにする。
屋島寺を散策する際に、心配そうなさやかに声を掛ける鳩山。東京から高松まで追いかけてきた程だもの。あのまま引き下がるとは思えない」と懸念を説明するさやか。「もうとっくに逃げてるよ。心配しすぎ」とあくまでも楽観的な鳩山。
鳩山「じゃあ、みんな無事だったんだからお参りしようか」と言いながら小銭無い事に気づき、京子に「細かいのないか?」と聞き、「あるよ」と100円玉を渡そうとする京子に「100円?10円でいいんだ。10円で十分だ」と自分のポケットから見つけ出した10円玉でお参りを済ませる。そんな4人の事を門の陰から見ている殺し屋。
完成間近の瀬戸大橋を見ながら、「人間の力ってすごいよな。本物だぞ。プラモデルじゃないぞ。感動しただろ。すごいだろ。」とまくし立てた後、時計を見て「さーて、次行こうか」と京子たちを引率する鳩山。懸念を払拭できないさやか。鳩山先生、あまり名所紹介向いてないかもしれません。
さやか達の車が走り出したのを見て、銃をセットする殺し屋。車をぶつけてこられ「何なんだ。あいつは」と必死にハンドル操作をする鳩山、銃を撃ちこんでくる殺し屋。
瀬戸大橋をバックに始まるカーチェイス、工事現場の様な所で、鳩山が一度殺し屋を振り切り、セシールさんの物流センターの大きな駐車場に逃げ込む。
さやかは京子と夢子に段ボールの山の間に隠れ、動かないように指示する。さやかが車に戻ろうしたところに、追いついてきた殺し屋の車が接近、再び殺し屋の銃口がさやかを捉える。
それに気づいた鳩山、とっさにさやかと殺し屋の間を車で走り抜け、その間に再び隠れることに成功するさやか。殺し屋「うっとうしい野郎だ。」と、そして2台の車が対峙し、双方の車に向かって全速力で走っていく。
正面衝突は回避も、鳩山の車は止まっていた車にぶつかり大破し、殺し屋の車も2回転半横転する。さやかは鳩山を車から必死に助け出す。殺し屋は辛うじて脱出するも、同時に爆発する車。
徒手空拳ながらも、殺し屋の銃の前に殺し屋を睨み、構えをとるさやか。銃口をさやかに向け、にやりと笑い、「あんたの恋人には負けたぜ・・」とセリフを残し、そのまま倒れる殺し屋。
殺し屋が倒れているのをみているさやかの所に、「さやか先生」と京子と夢子が走ってくる。
鳩山が「さやか先生て言ったな。お京」と反応、京子「弾みだよ。弾み」、夢子「照れてやんの」と冷やかす。鳩山を助け起こすさやか達、鳩山「けがしなかった?」いう質問に大丈夫と答え、嬉しそうに微笑むさやか。
最後は小倉さんのナレーション。
「これから二人の行く末はどうなっていくのか?新しい宿敵も加わって、来年はもっとすごいよ。来年はもっとすごいよ。さやかさん大丈夫?こんな学園見たことない!ヨロシク!」
最後は少し駆け足も、おいしいところは全て鳩山が持っていた感じです。ただの中学教師なのにクールすぎです。
この日の放送が終わった1987年の年末は、翌年のソウルオリンピックの事など、話題が出てきてた気もします。今年は明るい話題が少なかったですが、来年は色々流れが変わってほしいと思います。今年も1年間偏ったblogを拝読頂きました皆様ありがとうございました。拙blogも来年はもっとすごいよと言いたのですが、とりあえず身の丈に合わせて、ボチボチやっていきたいと思います。それでは、ここで、今年最後M君の謎かけで締めさせて頂きます。
女木島の洞窟と掛けて
炎天下のマラソン大会と解く
その心は
キケンがいっぱいでした
それでは来年も宜しくお願い致します。
コメント
Re: 「鳩山、男を上げる」の第12話
確かに完全に鳩山というより、古尾谷さんの感じですよね。
後半を考えると、鳩山の格好いいところはこの回位しか設定できなかったのかと思いますね。
(20話も十分格好いいとは思いますが・・)
京子の件は完全にさやかにというより、自分を取り巻く環境全てへの不満の爆発という感じがしますね。
ころばし屋の弾が一発だけはありそうです。「特命刑事ザ・コップ」みたいですが・・。
最後のころばし屋への構え、格好いいんですが、確かに色々考えれますよね。
もしあのままころばし屋に余力が有ったとしても、さやかさんは勝ったとは思いますが、
その場合、京子と夢子はどうみたのでしょう?
(構えをとってるさやかさんの姿を二人はどうみたのか?という疑問も湧きますね・・)
瀬戸大橋開通直前というタイミングでのロケ、それだけセシールさんも一番夢があって、
勢い有った時期なのかもしれません。早く落ち着いた状態になって高松へ行ける日が来ればよいですが・・
謎かけもありがとうございます。2枚で締めれてM君も喜ぶと思います。
こちらこそ今年1年ありがとうございました。来年もとりあえずコツコツと頑張ります。
2020/12/30 17:37 by 夢 時次郎 URL 編集
「鳩山、男を上げる」の第12話
ころばし屋との一騎討ちのシーンは、まるで鳩山光夫が古尾谷雅人そのものに移り変わったかのような感じです。
「護る闘い」を続けるさやかさんの、なかなかレアな「護られる姿」も、この回のポイントに挙げたいところです。
ただ…鳩山先生が男を上げる回が、前半最終話という節目でないといけなかったのか?
節目の回はやはりさやかさんの活躍で締めくくって欲しかったな…という気持ちも、ちょっとだけあります。ちょっとだけ…。
(水を差すようですみません)
京子ですが、友竹の件もさることながら、一派内のパワーバランスの変化など、様々なモヤモヤの矛先がさやかさんに向いてしまったんでしょうね。
「さやかに勝てる」なんて、ハナから思っていない。決闘を申し込んでも無意味。ただ、それを容易に認めたくない。
夢子を巻き込んで高松に向かったのは、ある意味自分の心に着地点をつけるためだったのかな…なんて思っています(個人の見解です)。
学園長からの電話しかり、ころばし屋の声しかり「言われてみれば」という件が確かに多いですね。
そう言えば、ころばし屋が拳銃を発射したのも、この回が初めてだったかと。
何かにつけて面倒臭いころばし屋のことですから「俺は一発で仕留める主義だ」とか何とか言って、拳銃に弾はいつも一発しか入れていないような気がします。
鳩山先生との一騎討ちの後、なおも襲い掛かろうとするころばし屋に構えをとるさやかさん。
無意識の行動だったのか、それとも覚悟を決めての行動だったのか、考えてみたくなりました。
京子と夢子に、一条寺拳法を駆使する姿を見られることになったとしても「それで構わない。ただあなただけは…絶対に許さない!」そんな心の声を想像してしまいました。
前回のジェットライン・今回の瀬戸大橋と、高松ロケの2話は、歴史の転換点の記録でもあったことを実感しています。
ああ、高松に行きたい…。
>Mさん
洞窟は勿論のこと、さやかさんをはじめ全員にとって、キケンだらけの暮れの高松になっちゃいましたね。
年内ラストは、座布団二枚で!
この一年、様々な話題を提供いただき、ありがとうございました。
来年もコメントで盛り上げていければと思っています。
来る年も、どうぞよろしくお願いいたします。
2020/12/29 15:32 by リトルノ URL 編集