2020/10/25
3話「スパイを探れ!」再レビュー 脚本 溝田佳奈氏、監督 手銭弘喜氏
冒頭、小倉さんのナレーションから始まります。烏山興業と学園の誰かが繋がっているのではという気持ちが湧きあがったさやかが、深刻になっているという状況が説明されます。
出勤してきた鳩山が、「何か用?」とさやかに尋ねます。さやかは否定しますが、「用がありそうな顔で見てた」という鳩山に、「全くの誤解です」と冷たく返すさやか。「用があるなら、放課後は炉ばた亭という店にいる」としっかり伝える抜け目ない鳩山です。
「自信過剰じゃないの?」と思いながら、見つめるさやかでオープニングです。
職場に他にいる女性はひみこ先生(塩沢ときさん)位ですから、こんなかわいい子がくれば当然色々動きたくなる気持ちになるのはわかるのですが、この時の鳩山の真意はどうだったんでしょう?
CMあけ、なんだかんだ言って、鳩山に言われた「炉ばた亭」へとむかうさやかです。
(この場所の聖地巡りは以下の記事を)
店に入ったところで、鳩山が「チューハイ」を二つオーダーしますが、「チューハイって何ですか?」と真顔で尋ねるさやかです。
一瞬、とぼけてると受け取るも、本当に飲んだことがないというさやかに少しあきれる鳩山ですが、チューハイがサーブされた時のさやかが一気に8割がた飲み干すのを見て更に驚きます。一方、飲み干した瞬間、しゃっくりが止まらなくなり、不思議がるさやかです。
「用は何だい?」と鳩山に聞かれ、一瞬質問の意味が分からず戸惑うと、「用があるからここに来たんだろ?それとも僕が恋しくて?」と言われ、「冗談じゃありません」と不機嫌に返した後、本題の学園の誰かが情報提供しているのでは?と疑問をぶつけますが、あっさり教頭が情報提供していると答える鳩山です。その回答に、さやかは驚くもしゃっくりが止まらず、それ以上話ができません。
鳩山は、証拠がないし、自分は警察ではなく教師なので・・等と説明するも、全くコメントできないさやかが心配になる鳩山ですが、さやかは「大丈夫じゃありません。天井がくるくる回ってる」といいながら、自分を落ちつかせようと更にチューハイを飲み泥沼にハマっていくさやかです。
そんな中、カウンターに突然2年A組の青木ミカが姿を見せ、「どうしたんだろ?私?」と経験のない不調に戸惑うさやかに「酔っ払った」事を冷静に告げます。
その言葉に「これ、お酒?」とようやく気づくさやかですが、鳩山は「当たり前だろ。それが商売」といった後、ミカと「なぜ飲み屋に?」、「ここは私の家」、「偶然、嘘みたい」という会話をしている間に、目がトロンとして挙句に気を失ってしまうさやかです。
さやかを背負って文句を言いながら歩く鳩山に、満更悪い気もしないくせにとからかうミカ。その後「いい加減にしろ。ガキのくせに」、「おあいにく様。私、小5の時から女です」「はいはい、そりゃ良かったね」というやり取り続きます。
ミカもなんだかんだ言って、鳩山とさやかの荷物を持ってあげてたりと良い関係です。パソコンとか持つ必要のない時代のカバンは薄いなというところにも目が行きます。お酒でつぶれてしまうさやかのシーンから続くこのほのぼのした感じもこの番組の魅力だと思います。
翌朝、教頭を見張るさやかですが、教頭は見張られると”後頭部の毛が逆立つ”という人生の中で今までいつ使ったのかわからない特殊能力で感づき、逃げるように理科準備室に入っていきます。尾行するさやかを更にミカがカメラを持ってついてきており、注意しようとすると室内で火が上がってることに気づきます。
火事とみて大慌てのさやかとミカ、急いでバケツに水をくんで室内にぶちまけると、魚を焼いていた松平先生が水浸しというコントシーンです。教頭はすでに部屋を出ていったっといわれ、謝りはするもののびしょ濡れの松平をおいてそのまま出ていくさやか達です。
その日の夜、烏山興業の事務所に、教頭が来ており、ミカが事務所の前で聞き耳を立ててます。烏山社長から、「このところ計画が遅れている。自分を裏切ったらただでは済まない」と脅され、教頭はビビりながらも「新人教師が来てから、うまくいかなくなっており、今日も一日自分を見張っていたり、学園長のスパイでは?」と説明。
烏山から「学園長も教師の中に裏切り者がいることに気づいてもいい頃」といわれると、「裏切者でなく改革者」と自己の行為を正当化する教頭です。更に「新人教師は自分にまかせておけ、少々事故にでも遭えば、ぶるって逃げ出す」と烏山から言われ、笑う教頭。
やりとりを聞いていたミカは、さやかに知らせようと急ぎます。中学2年生に立ち聞きされるのを許している時点で相当セキュリティ甘いです。
その頃、さやかはヌンチャクで目をつぶったままでろうそくの火を消す訓練をしていますが、うまく消せず、腕が落ちたとぼやいているところに、ミカが尋ねてきた為、あわててろうそくを吹き消し、ヌンチャクをしまいます。
烏山と教頭に狙われている事を説明し、警察に届けたほうがいいというミカに対し、さやかは只の脅し、でも、ミカが危険なことをこれ以上するなら、お父さまに伝えるしかない、と逆に諭します。
ミカは、重ねて忠告しますが、警察沙汰は園長先生が好きでないし、自分は運が強いから大丈夫といい、更にミカを心配するさやかに運なんかに頼っている時ではないと呆れるミカです。
そんな状況を打破すべく、ミカは夜遊び中のツッパリグループの京子達に助けを求めに行きます。
「お京姐さんに折り入ってお願いがござんす」と仁義を切るミカに、話は聞くが、ドーナツ代はそっち持ちと京子。なんだかんだ言って、依頼料がドーナツ代というのが中学生らしくてかわいいです。
事情を聴いた京子は、「烏山興業は今は紳士面しているが、元はやくざ、その世界ではいい顔らしい」とこういうところはドーナツを食べながら話す話題ではないですね。
手下の3人に民主的に意見を聞く京子ですが、ます夢子(北岡夢子さん)は「先公の手助けするとツッパリ軍団の名前が泣く、お断り」、力子(松本つるさん)は「教頭が烏山とグルなのは気に入らない。」、真弓(広瀬あゆみさん)はチェーンを振り上げ、「喧嘩大好き」という事で、2対1となり、今回はさやかちゃんに恩を売っておくかと結論づける京子、握手する京子とミカ。
CM明け 通学中のツッパリグループ女子+ミカ、その前を歩くさやか、車がさやかに猛スピードで近づくのを見て、力子はさやかをかばいますが、車はあっさり通り過ぎていってしまいます。
自分の勘違いかと車を見る力子ですが、力子に乗られた状態のさやかは「早く降りなさい、潰れる?」と苦情を言う。
車がバックして戻ってきて、今度はさやかに道を教えてくださいと怪しい外人が話しかけてきます。
さやかは「どこですか?」と地図を観ようとしますが、外人がスタンガンを隠し持っている事に、生徒たちが気づき「危ない」と言っている中、刺客の持つスタンガンを逆に相手に押し付け、撃退、車は逃走してしまいます。
さやかは手に持ったスタンガンを見ながら、「変な外人、何これ?」と道に捨てます。
このやりとりを見た京子たちは「こんな先生みたことない!」と呆れます。このシーン、前回も書きましたが、演出上は理解できますが、先生が道に物を投げ捨てるのは感心できないです。
学校に戻ったところで、教頭から声を掛けられたさやか、返事をしようと近づいたところに、屋上から国枝が植木鉢を落とします。
よけるさやか。一連の動きを見ていた京子たちは「相手の姿は見えなかったが、敵も素早いが、さやかちゃんもなかなかの物」と感心します。
失敗を受け、教頭が国枝に「補償はちゃんと取ってやるから」と次の作戦の指示に当初は渋る国枝でしたが、「うまくいけば新車が買える」という教頭の言葉を聞いて、あっさりと引き受けます。
今と比べても新車という言葉の響きが輝いていた時代なのでしょうね。
学校の帰り、さやかが歩いていると国枝が車の中からクラクションを鳴らして呼び止めます。
今日は土曜日だから送らせて欲しいと言う国枝に、一旦は断るさやかですが、まあそういわずと強引に車に乗せてしまう国枝です。
道が分からず、どこに行くのか質問するさやかに、車の部品を取りに行く、ちょっと付き合ってほしいと言われ、さやかは一瞬戸惑うも、いやあ楽しいですねえという国枝の言葉に、ほだされたのか、笑顔を見せます。
工事現場の様な所につき、少し待っていてほしいと国枝は車を離れ、不安そうにすわっているさやか、その刹那に車が上から落ちてきて、国枝の車はぺしゃんこになってしまいます。
国枝は顔にけがも負いながら、車の外で、「ナマンダブ」と車を拝んでいると、後ろから「どうしたんですか?」とさやかの声がします。「さやかさん」とおののく国枝に、変な音がしたので車の外に出たら、車が落ちてきたと説明し、「ひどいですね。東京ってしょっちゅうこんなことあるんですか?」と無邪気に笑うさやかです。
「そんなことはないですけどね・・」と弱々しく言いながら、へたりこんでしまう国枝。
行動は極悪なんですが、深刻な雰囲気にならないのも、この番組の良さだと思います。また、この時点のさやかは、東京という町に慣れていないというのも分かって面白いです。
ツッパリグループとミカが烏山の事務所前で、「教頭が烏山の事務所に入るのをしっかり見てやる」と言いながら、見張ってますが烏山の手下に見つかり、4人は連れて行かれ、一人逃げるミカです。
職員室でひみこ先生とさやかが「大事にしていた車がぺしゃんこになるなんてかわいそう」、「国枝先生は本当に運が悪い。車の外にいたのにガラスでけがをして入院した。」という話をしています。
鳩山が「クレーン車の運転手は逮捕されたのか?」と質問し、さやかが「運転手は休憩中で現場におらず、責任とれないといわれた」という状況を説明します。
そこにミカからさやかに京子たちの危機を知らせる電話が掛かりますが、さやかの声がのんびりしたトーンである事にイラつくミカは、自分で110番するからもういいというが、結局、烏山の手下につかまり、同じく資材置き場に連れ込まれます。
電話を切り、何かを決意した顔で職員室を出ようとするさやかに教頭はどちらへ?と聞きますが、「おトイレです」と返し、そのまま出ていくさやかを不審な目で見送る教頭です。
資材置き場に歩いてやってくる”ワルキューレさやか”。この辺りは確かにまだ模索中の演出という感じがします。
烏山の手下たちは、とにかくやるだけと言いながら、襲い掛かってきます。いつものように手下たちを次々となぎ倒すさやかですが、一人の手下が鏡で光を反射させることでさやかの視界を遮ります。
ピンチのさやかは、目を閉じ祖父源太のアドバイスを求め、源太からの「見えないときには見ようとするな、心の目を使え」というアドバイスを受け、そのまま飛び降り、再び戦いに戻ります。何人かの手下を倒したのち、最後は見事に鏡を割り、鏡を持った手下を倒します。
生徒達が閉じ込められた倉庫の中に「鍵空いてる、早く家に帰れ」と書いた紙が入り、力子がドアを開けそのまま脱出する一同。京子が「誰が助けてくれたんだ?わかんないのか?」と質問するも「わからない、不思議だよね?」と答えるミカです。
ワルキューレさやかの正体を詮索する描写はこの後、しばらくなくなります。この番組も日本の変身ヒーローもののお約束に則ってます。
さやかは、再び自室でろうそくの火を消す特訓で、今回は無事成功します。そこに小倉さんのナレーションで「心の目をつかうとなんでも見えてくる。カメラではとらえられない本当の悪も、教頭の正体は何時暴かれるのか?さやかの念願は何時かなえれらるのか?それまで続くよ。こんな学園みたことない!」と締めくくられます。
前回も書きましたが、番組続くように、教頭頑張ってほしいと思った事は、ここだけの秘密です。
それでは、今回もドラマ縛りのM君の謎かけで締めさせて頂きます。
この回のさやかのチューハイ初体験と、最後の戦いでの鏡に因んで、二作頂きました。
チューハイと掛けて
回転ずしのサーモン握りと解く
その心は
サケかどうか疑いました。
鏡と掛けて
結婚式で大騒ぎしている人と解く
その心は
シカイが遮られました
毎回ありがとうございます。それでは次回も宜しくお願い致します。