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のどかな町で、車のサイドミラーがカチ割られる事件が続発。その意外な犯人とは?(アメリカ)

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 アメリカ、ジョージア州、スネルビル。アトランタの東、40km程の場所に位置するこの町で、不可解な事件が人々の頭を悩ませていた。

 何者かが、駐車中の車のサイドミラーを次々と割っていったのである。

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 一体誰が?何のために?

 その被害の報告は24件以上。警察はパトロールを強化した。

 その後程なくして犯人は特定されたのだが、警察は、この犯人を逮捕することができなかったのである。

特定された犯人は真っ赤なモヒカン風のヘアスタイル

 この事件は、当初「BBガンを持った悪ガキのいたずら」と考えられていた。しかしそうではなかった。

 犯人はヤス!とかいう古いネタはスルーしてもらうことにして

 警察が特定した犯人は頭が真っ赤なモヒカン風。

 そして全身が毛でおおわれ羽がついていたのである。

 犯人は鳥だったのだ!

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image credit: YouTube

ミラーに写った己の姿を敵と勘違いして攻撃していた

 車のミラーを割っていたのは、北アメリカに生息するキツツキの一種、エボシクマゲラだったのだ。

 エボシクマゲラは縄張り意識が強く、ミラーに移った自分の姿をライバルと勘違いし、攻撃していたのである。

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image credit: YouTube

 エボシクマゲラの体長は40~50cm、翼を広げると65~75cm程の大きさで、体重は250~400グラム。

 烏帽子のような赤い冠羽が特徴的だ(英語名 “Pileated Woodpecker” は「トサカのあるキツツキ」という意味である)。

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image credit: AndrewBrownsword/Public Domain

 被害者の一人、ジョン・ハンコックさんは、犯行シーンを目撃した。「カラスぐらいの大きさの、美しい鳥だ」と証言している。

 別の被害者は、「なんてこった、キツツキに一杯食わされた」と述べている。

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image credit: YouTube

エボシクマゲラは保護動物。駆除はできないので別の対策を

 さて、真犯人が特定されたはいいが、関係者は頭を抱えることになってしまった。実は、エボシクマゲラはアメリカの「渡り鳥保護条約法」で保護されているのである。そのため、駆除して解決、という訳にはいかないのだ。

 そこで住民は簡単かつ効果的な解決策を考え出した。サイドミラーにビニール袋をかぶせておくのである。

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image credit: YouTube

 エボシクマゲラが攻撃しているのは「車のサイドミラー」ではなく「ライバルのエボシクマゲラ」なのだ。

 袋をかぶせた途端、攻撃すべき「ライバル」は消え失せる。これで人間とエボシクマゲラとが、平和に共存することができるようになるのである。

 いちいちミラーに袋をかぶせるのは手間だが、ガラスを割られるよりはマシだよね。

Very angry woodpecker blamed for dozens of broken car mirrors

via: Atlas Obscura / Wikipedia など / translated by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント、45件

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    1. ※1, ※4
      オーストラリアの話だけど、駐車事情の違いからか、折りたためる車でもミラー折りたたむ習慣がない。まず見たことない。
      あんな機能使ってるの日本人くらいのもんじゃないか?
      たぶん、向こうの人は、ほとんどの人が使い方知らないと思う。

    1. ※2
      まず、そもそもアメリカでは道路事情の違いから
      日本に比べてカーブミラーの設置数はごく少ない。
      地域によっては、そんな物が存在するのを知らなかった
      という人もいる。

      そして、カーブミラーの材質は
      割れにくいステンレスなどが多い。

  1. 日本だと、この時期に渡ってくるジョウビタキが
    ドアミラーに突っかかってくよね

  2. 鳥のために一手間かけることができる。素晴らしい地域ですね。

  3. 動物のお医者さんの、鏡に映る自分を異性と勘違いして求愛して「神話に出てくるバカそっくりだよ!」って言われたインコの逆バージョンか。

    1. ※9
      自動車修理工場の放った刺客だったってことはあるまいか?

      1. ※35
        チャップリンの”キッド”だっけ?
        子供にガラスを割らせて、その後にガラス屋が来るって
        話があった様な気がする。

  4. 市民は法を守る(。-`ω-)ゝ素晴らしい事だ!
    ミラーを壊された人には気の毒だが。保険は適用されるのかなぁ

  5. 因みに日本ではサイドミラーを割るような威力のBBガンを所持していたら捕まります
    威力が規制されているのでBBガンより投石の方が強いです

  6. 20件もやってるとなるとドアミラーの中に同種がいるって記憶してるってことか

    1. ※12
      そうだねえ。
      きっととりわけ縄張り意識の強い個体が
      「ここにもいる! あっ、こっちにも!」ってな感じで
      プリプリしながら攻撃して回ったんだろうと思うと
      可笑しいやら気の毒やら。

  7. 昔からエボシクマゲラはいただろうし
    昔から車のサイドミラーはある
    アメリカ全土でこれまでにも多数の事例があったはず

    なぜ原因が特定できなかったのか疑問だ

  8. 使い古した旧型の車だとミラー折りたためなかったりするだろうし、買い換えるくらいならビニール袋被せるほうが経済的なんだろうね。

  9. カナブンがビシーッ!ってぶつかるのもなんとかならないもんだろうか

  10. 復讐したいやつにドアミラーを付けておけば、エボシクマゲラに突き殺されるけど真犯人不明という完全犯罪が成立する、というアイディアが浮かんだ俺天才。(ものまね禁止)

    1. ※20
      そうなるとこっちから手は出せない分厄介だな
      一個体か複数体かは分からないけど、サイドミラー見かけるたんびに…とかたまったもんじゃないね

  11. "犯人はヤス"でお茶を吹き出しそうになり、堪えたが鼻に逆流したので鼻奥が痛い(涙)

    しかし、古い車のようにボンネット中腹外側に付いているサイドミラーなら啄木鳥の攻撃に晒されるのは分かるが、通常のサイドミラー位置だと羽根をぶつけ飛びながら攻撃か、サイドミラー上に留まって前屈して覗き込み攻撃しか無いのでは?

    と思ったら映像で理解した(笑)

  12. 今から半年くらい前に、自宅の近くのコンビニに行って買い物をしようとしたところ、駐車中の車のドアミラーのところで、一羽の鳥(多分セキレイ)がが羽ばたいて何かしているところに遭遇した。

    で、その鳥はひとしきり何かした後で、ミラーの上に留まり周りをきょろきょろ見回すとまたミラーの正面に行って羽ばたいて何していた。

    何をしているのか気になって近づいてみると、この記事のとおりで、ミラーに映った自分の姿を敵か何かと思い込んで、羽ばたきながら攻撃しているようだった。

    ひとしきり攻撃して疲れると、またミラーの上に行って周りを見回して、またミラーの正面で羽ばたき攻撃のパターンを何回か繰り返していたらしい。

    自分も、買い物をしたいのでずっと見ているわけにもいかず、店内に入って買い物を済ませて店の外に出ると、羽ばたき攻撃を受けていた車(攻撃されていたのはあくまでもドアミラーだけど)はすでに無く、羽ばたき攻撃をしていた鳥が所在なげに駐車場にアスファルトの上をとことこ歩いていた。

    あと、5、6羽で飛行中の鳥(これも多分セキレイ)が、飛行中に1羽の鳥に対して集団リンチのようなことをしていたところを、偶然見たこともあるけど、鳥もこういうことをするのだろうか?

  13. 何の動物の習性だろう?と思ったけど
    まさかキツツキで自分の姿を敵だと勘違いしてたとはw

  14. 同じような事を子猫子犬もやるよな。そのうち理解して終わるんだけど、こっちは見ていて微笑ましい。

  15. ていうかどんだけミラー覗き込んでるんだよw

    覗き込む度に敵がいるとかちょっと笑える
    覗いたらやっぱり敵がいたーみたいな感じで攻撃してたのかな。

  16. >被害者の一人、ジョン・ハンコックさん

    空飛ぶウィルスミスっぽい被害者やな

  17. 以前乗ってたアメ車は電動格納ドアミラーだったけど、広々としたアメリカではあまり使う機会がないのかな
    都内の狭い駐車場ではミラーはたたむのが普通だったけど、田舎ではあまりたたむ人いないのと一緒かな

  18. 鏡像認知ができないキツツキはやっかいだな
    最近になって鳥は頭がいいといわれるが種によりかなり差があるようだな

  19. うちもヒタキがカツカツカツカツやってることがあるわ
    ただ、割られたことはない

  20. ドイツ東部のブランデンブルク州グランベック(Glambeck)というのどかな村でも似たようなことがあった。ただし犯人はキツツキではなく、ドイツで最大クラスの大きさを誇るコウノトリ。
    ロ二ー(Ronny)という名の若いオスのコウノトリが2016年、グランベックの住宅の窓ガラスや濃い色の車の塗装に映った姿を敵だと思ってつつきまくり、何台もの車や窓をボコボコにして村人たちを戦々恐々とさせた。さらに、近くで営巣して子育て中だったつがいのオスを追い出し、残されたメスと新しいつがいになるかと思いきやほったらかし、メス1羽だけで子育てをさせたというとんでもない暴君だった。
    きけばロニーはパートナーを見つけられなかったそうで、欲求不満から無差別攻撃に走ったようです。
    コウノトリはドイツで保護されているので捕獲したり撃ち殺すこともかなわず、彼が夏の終わりに村を去っていくまで村人たちは心休まる暇がなかったという。

  21. ミラー畳めって言っている奴が多いが、車内から電動で動かせるミラーが付いていないと、面倒で仕方がないぞ。今の日本車は、ほとんどが電動ミラー式だが、そうじゃない国も有ると思うぞ。それとアメリカ辺りでは、車は乗れる内は乗る…みたいな人も多いからな。車検制度もないから、ボロボロの車でも平気で乗っていたりする。日本とは感覚が違うのよ。古い車も結構と多い。

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