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ケニアで正体不明の巨大な金属製のリングが落下し村を直撃

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(著) (編集)

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image credit:Kenya Space Agency (KSA) 

 アフリカ、ケニアの小さな村に突如、真っ赤に焼けた巨大な金属リングが空から落下した。村人たちの間ではその激しい衝撃音に「爆発物による攻撃か?」と不安が広がった。

 ケニア宇宙庁は、このリングはロケットの分離部品である可能性が高いと推測したが、詳しいことはまだわかっていない。

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空から突然落ちてきた巨大な金属製のリング

 2024年12月30日15時頃(現地時間)、ケニア南部のマクエニ郡ムクク村の木々が生い茂る林の中に、空から巨大なリング状の物体が落下した。

 落下現場近くの住民によると、物体は空中を漂った後、激しい衝突音とともに地面に落下し、周囲の木々を押し倒したという。

 ケニア宇宙庁(KSA)は2025年1月1日午前7時頃(現地時間)、ムクク村に落下した金属物体に関する事故を調査しているという声明を発表した

 この物体は物体は直径2.5m、重量500kgとかなり大きなもので、金属のような光沢を持ち、ロケット打ち上げの時に使用する分離リングの可能性が高いという。

本当にロケット由来のものなのか?不可解な点も

 分離リングは通常、ロケット打ち上げ時にペイロード(搭載物)を軌道に送り出した後に分離され、大気圏突入時に燃え尽きるよう設計されている。

 しかし、今回のケースでは、リングがほぼ無傷の状態で地上に到達している。

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 現在このリング状の物体は、ケニア宇宙庁が保管しているが、これが本当にロケットの部品で、宇宙ごみ(スペースデブリ)であるという見解については疑問の声も上がっている。

 もしこれが宇宙ごみなら、他にも周辺に何らかの落下物があるはずだが、発見されたのはこれ1つだけだ。

 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの専門家であるジョナサン・マクドウェル氏は、この物体が宇宙ゴミではなく飛行機の部品である可能性もあると指摘している。

 ただし、物体が落下時に赤熱していたという報告もあり、この点についてさらなる検証が必要だとされている。

 宇宙ゴミならば、再突入時の高温で内部に焼けた痕跡が明確に見えるはずだが、現時点ではその証拠が十分に確認されていない。

 一方、別の専門家ダレン・マクナイト氏は、宇宙ゴミが「犠牲質量」と呼ばれる燃えやすい素材で覆われていることがあると説明している。この素材は、再突入時に燃え尽きてしまい、内部の硬い部品が地球に到達する可能性があるという。

 ただし、地球の大気に再突入する宇宙ごみの中には、外側だけが燃えて、内側のハードウェアが守られていることもあるという。

 ケニアの物体に再突入の痕跡がないのは、これが原因なのかもしれない。

 もしロケットの部品であるとしても、これがどこの国の、どのロケットに関係するものなのかも、現在はまだわかっていない。

ネット上ではこの部品の由来を巡って様々な噂が

 ネット上ではこの部品の出所を巡って、様々な憶測が飛び交っている。

 例えば、米軍の人工衛星「USA-179」を軌道に投入するため、フロリダ州ケープ・カナベラルから2004年に打ち上げられたアメリカのロケット「アトラス・セントール」もその1つだ。

 このロケットのパーツ(「物体28385」と呼ばれる)が分離し、宇宙ごみとなっており、「エアロスペース・コープ」(米国の航空宇宙関連の研究開発非営利団体)の再突入データベースの分析によると、2024年12月30日21時33分(世界協定時)、地球の大気に再突入しアフリカ上空を通過すると予測されていた。

  他にもインドの宇宙機関やロシアの宇宙ミッションとの関連を主張する情報が広がっているが、KSAはケニアの村に落下した物体の正体はまだわかっておらず、公式の調査結果を待つように呼びかけている。

 現在、地球低軌道には約1億7千万個の小さなパーツや破片(1mm以上の大きさ)が漂っていると推計されている。

 これらの宇宙ごみの多くは大気圏で燃え尽きるが、一部は地上に到達し、人や物に危害を及ぼす可能性がある。このことを忘れずに、地上のみならず上空にも気を配っていかなければならない。

 2022年の研究では、今後10年間で宇宙ごみによる死亡事故が発生する確率は10%と予測されている。

宇宙産業が成長を続ける中、各国政府は合同で、ロケット部品の落下制御や無害化処理を義務付ける法規制の整備を早急に行わなければならない。

References: Space debris crash in Kenya village believed to be from leftover rocket hardware | Space / Massive piece of space junk crashes into village in Kenya — and officials still have no idea where it came from | Live Science

本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者がより理解しやすいように情報を整理し、再構成しています。

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この記事へのコメント 21件

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  1. いよいよプラネテスというマンガに出てきた仕事が現実性を帯びてきましたね。

    この部品はロケットとかの円筒の接合部のように見えます。 日常で見かける多くのパイプの接合部はフランジという外側に広がったミミ?の部分をボルトで留めて延長します。 これはロケットとかミサイルとか空気抵抗を受けるものなら外に出さずに内側にフランジを設けるだろうという予測からの構造かなと。 歯車の歯に見えるところはボルトの接合穴じゃないかなーみたいな想像をしました。 日本なら JAXA と仕事している方なら実際に作っている方もいるでしょうからそういう方が見たらすぐにわかりそうな気がします。

  2. 空からコーラの空瓶が落ちてきてそれを遠くに捨てに行く話だな

  3. >死亡事故が発生する確率は10%
    数字の意味がよく分からんのやけど・・・

    1. 今後10年で70億人のうち7億人が宇宙ゴミで死ぬ…? 核戦争かな?w

    2. 多分殆どが大気圏を突入する際に燃え尽きるからだと思うよ

    3. 「10年の間に宇宙ごみによる死亡事故が1件以上発生する確率」が10%ってことだと思う。
      言い換えれば90%の確率で10年間何事もなく済むってこと。

  4. 宇宙に打ち上げてる国がすべて全責任を負って
    落下物に対する負担を行う国際組織が必要
    だけど拒否権が発動する謎の団体になるんだろうなぁ

  5. 確か小松左京だったと思うけど
    成層圏まで届く環が日本列島を囲んでしまう話を思い出した

  6. ストップ! まだ何も言わないで!
    謎のオーパーツとして話を引っ張って欲しい
    もしかして空に未発見の神殿があってそこから落ちてきた?とか…
    いやっ分かってるんだけとね
    宇宙のゴミね
    一目ですぐ分かっちゃった

  7. ケニア宇宙庁 なるものが存在するのが不思議 ケニアで宇宙開発してるのか?

  8. 日本は下地島に迎撃基地があって
    コメットブラスターとメテオスイーパーが
    宇宙と成層圏でトライデントミサイルで
    撃ち落としてくれてる。

  9. ロケットの部品を地球に落として燃え尽きるがままにすればよかろう、という考え方は、
    汚水や排ガスを自然環境に垂れ流してた頃の人類と同じで、地球の広さをあてにしすぎ

  10. パーツの見た目にどうにも宇宙関連っぽさ(ある種のペラさ、無地っぽさ)を感じにくいのだけど赤熱してたんですよねえ…正体はやめにわかるといいですね、ガスタービンでもないだろうしなあ
    ケニア宇宙庁。そですよね、赤道直下のお国ですもんね。庁としては若くとも衛星など宇宙関係の歴史は長いのですね

  11. さすがにこのサイズで落ちてこられたらたまったもんじゃないな。
    人はもちろん車や家でも粉砕されそうだ。

  12. これ系のネタでUFO説が出ないだと…!?
    海やジャングルの奥深くに人知れず落ちるデブリも多いんだろうな

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