瞬時に雲をまとう圧巻のシーンに息をのむ。今まさに音速の壁を破ろうとする戦闘機の映像がSNSで反響を呼んでいる。そこにはアメリカ空軍のステルス戦闘機、F-22 がとらえられていた。
航空ファンならずとも、驚きの雲隠れにくぎ付けになり、「遮蔽装置起動!」の声も寄せられるほど。
世界トップクラスの高性能を誇り、高度なステルス性のみならず圧倒的な機動性や空中戦の強さから、ラプター(猛禽類)の愛称をもつ、F-22の話題の動画にせまってみよう。
超音速のステルス戦闘機F-22ラプター
敵機の目となるレーダーや赤外線探知を逃れるステルス性をもつF-22ラプターは、1990年代に開発された世界初の第5世代戦闘機として知られる。
「ラプター」とは愛称で、空の王者とされる猛禽類を意味する。
アメリカ空軍が誇るこの戦闘機の速度は、音速の2.2倍に達し、アフターバーナーを使わずとも超音速飛行ができる。
アフターバーナーとは、ジェットエンジンの排気に再度燃料を吹きつけて燃焼させ、一時的に高推力を得る装置のことだ。
雲の正体はベイパーコーン
ただ、今回のシーンは、F-22の特殊装置が起動したわけではなく、この機に限らず高速の航空機の周辺で起こる現象をとらえたもの。
音速の壁を突破するほどの速さで飛ぶ航空機の周りには「ベイパーコーン」と呼ばれる現象が発生する。
その速さにより物体周辺の局所的な気圧が低下し、温度が下がることで雲ができるのだ。
まるで敵から隠れるために何らかの装置を作動させ、雲を出したようにも見えるが、発生した雲の中を機体が通り抜けるため、雲をまとった状態になったというわけだ。
「クローキング装置起動!」「さすが」の声
そうとわかっていても、写真家のマーク・フィンガーさんが2024年にインスタグラムに投稿した見とれるほどかっこいいF-22の動画は、SNS で反響を巻き起こし、多くのユーザーからこんなコメントが殺到した。
・クローキング(遮蔽)装置起動!
・ハリーポッターにもこういうのあったわ
・雲に隠れたり出たりして敵をかく乱するんだろ?
・すご…
・見入っちゃうねえ
・さすが空を制する戦闘機
・ドローンにはできないことさ
・雷みたいなすごい音だ
マークさんはF-22の同様のシーンを他にも撮影している。
この動画もXなどでシェアされ繰り返し話題になっている。
急激な温度変化で衝撃波も
なお、急激な温度変化は、衝撃波を引き起こすこともある。イギリスの王立航空協会の空気力学グループの会長であるロッド・アーバイン氏はこう説明する。
ベイパーコーンが見えれば、衝撃波が発生していることになる。航空機が必ずしも音速よりも速く飛行しているわけではないが、翼の上を移動する空気が加速され、局所的に音速の壁を突破する状態だ
近年の大ヒット映画「トップガン マーヴェリック」も彷彿させるF-22の映像は、航空ファンならずとも、人々を惹きつける魅力にあふれている。
世界屈指の戦闘機F-22の引退はもう少し先
ステルス性に加え、凄まじい機動性と空中戦にも強いF-22ラプターは、アメリカ空軍のF-15の後継機として開発された、猛禽類の名にふさわしい世界屈指の戦闘機だ。1997年にジョージア州で初飛行を披露したこの機は、開発に6年を要したという。
だが、四半世紀が経った2021年になると、次世代戦闘機を望む空軍の参謀総長が、恐ろしく高価なうえに、最先端とは言い難くなったF-22を「2030年代のうちに全機を退役させる可能性がある」と述べたこともあった。
だが後に、現役の新モデルのみのアップグレードが決定し、今も世に名をとどろかせているF-22の完全退役はもう少し先のことになったそうだよ。
こんな仰角で音速突破できるんか?すげえな。
湿度高い時に急旋回して一時的な減圧で雲纏うことはあるみたいだけどそれとも違うん?
音速突破後の旋回による雲引きでしょう
速度が高ければ高い程、そのおっしゃっての現象は起こりやすいですし
科学忍法雲の鳥だ(`・∀・´)
あのアニメ、リアルタイムで観ておったが、「火の鳥」のメリットがよう分からなんだ
表現は難しいが、戦闘機にするには惜しい
退役少し伸びたんだ。
とはいえ、イーロンマスク次第かなぁ?
高性能だが短命だったな
綺麗なスペードだね