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ネット・リフレ派を見てきたものとしては、記録しておかないといけない。

 

インタビュー:無理に物価2%目指す必要ない、消費増税に一定の理解=浜田参与 | ロイター

 

[東京 25日 ロイター] - 安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授はロイターとのインタビューに応じ、アベノミクスによって完全雇用に近い状況が実現している中で、日銀は2%の物価安定目標を無理に目指す必要はない、との見解を示した。インタビューは22日に実施した。

浜田氏は、日銀による大規模な金融緩和をはじめとしたアベノミクスの推進によって、日本の雇用情勢が大きく改善したと評価した。

もっとも、デフレ脱却に向けて日銀が掲げている2%の物価安定目標は、依然として実現が見通せない状況にある。

この点について浜田氏は「国民生活にとって望ましいのは、物価が上がることではない。同じ経済状態であれば、物価が下がった方が国民生活のためには良い」とし、「雇用情勢が大きく改善しているのに、『物価が上がっていない』と批判するのは、アベノミクスをおとしめるための手段だろう」と語った。


そのうえで日銀が掲げる物価2%目標について「絶対に必要というものではない」と指摘。現在の1%程度の物価上昇率でも「完全雇用に近い状態を達成できている」と雇用を重視し、「国際情勢が波高く、目標を取り下げる必要はないが、物価目標自体をあまり重要視せずに、少し様子をみていくということで十分ではないか」との認識を示した。

現在の良好な雇用情勢が変調を来せば「もっと金融で需要をつけないといけない」と緩和強化が必要としたが、「今の日本経済は需要が供給を上回っている。それが続いている限り心配はない」と語った。

労働需給の引き締まりにもかかわらず、物価がなかなか上がらないのは「日本の経営者、国民全体が20年間続いた景気と株式市場の低迷におじけづいており、非常に臆病になっている」ことが要因と指摘。「本来なら労働需要が高ければ、賃金を上げ、物価を上げればいいが、企業はそれを嫌がっている。トラウマが効いている」と説明した。

また、AI(人工知能)の普及によって「機械で代替できる仕事が増えている。正規職員の生産性が十分ではないので給料が上がりにくく、物価も停滞してしまう」と述べ、「日本は(AI普及の)進みが遅いとはいえ、それなりに影響が出ているのではないか」との見方も示した。


政府が10月に予定している消費税率の10%への引き上げについては「現在の良好な雇用環境の中で消費税が上げられないのであれば、どんな状況でも上げられない。一度は良いかもしれない」と一定の理解を示した。

もっとも、消費税には所得が低い人ほど負担が重くなる「分配の問題があるのも事実」とし、環境税の導入を提唱。「分配にも影響せず、空気や水をきれいにするという経済の合理化をしながら財政を豊かにできる。経済の効率性、公平性にも効く一石二鳥の税だ」と語った。

伊藤純夫 木原麗花 編集:田巻一彦

いくつか思うこと。 

 

 浜田宏一のスタンスが数年前から変化しているのは明白でこのブログでも記録してきた。学者としては変化できるだけ良心的なんだろうと思わないでもないが、

 

前の日本銀行の総裁がどのように批判されたか、リフレ政策導入の過程で浜田が果たした役割、またネット上の言説での使われ方を思うと、やはり開いた口が塞がらないとしか言いようがない。

 

もう一つは、たびたび私はネット上のリフレ派をやり玉に挙げてきて、その中でfinalventさんには厳しいことも書いてきた。それは今でも考えは同じで、この人はネット上の影響力は小さくないのだから、スタンスを整理する必要はあっただろう。

 

同様のことは、finalventさんのみならず、リフレ論に加担して扇動の片棒を担いだ人たちは一体どう思うのかと言いたいが、

 

しかしこの人たちはどこまでいっても経済学者ではない。経済学を勉強したという人でもたいていは素人だ。

 

それよりも罪が重いのは経済学者たちだろう。どう考えてもこの人たちの責任の重さは重大だし、もっと批判されてしかるべきだと私は思う。そして経済学者たちの間で、経済学をどのようにして現実世界に、現実政治に応用したらよいか、真面目に議論してもらいたい。そしてこの10年、20年の経過から教訓を得てもらいたい。

 

政策を決定した責任者、政治家も責任から免れ得ない。この責任は絶対に問われなければならない。財務省陰謀論や日本銀行陰謀論はみな大好きだが、役所は勝手に動けるわけではないのだ。

 

では私たち有権者は、どうすればいいのだろうか。本来ならば信頼すべき学者はこの有様で、政治家たちも当初は自民党内でも金融政策だけではどうにもならないという人たちが少なくなかったのに結局は押し切られてこうなった。

 

私には今すぐ答えを出すことはできないし、現実と向き合いながら考えていくしかないと思うが、少なくともどうすればいいかという疑問だけは抱えておきたい。あまりにもあまりな話であることには違いないのだから。