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消費税に対する各党の態度というのが面白い。
衆院選、どの党に投票したらいい? 憲法改正、原発、消費税で主要8党の公約を比較すると…
消費税を予定通り10%にあげることに賛成なのは自民党と公明党で、その他の党はすべて反対だ。

で、この問題については自民党と公明党がもっともには違いなく、ここではその他の政党のほうがポピュリズムに走っているのは明白なんだが、興味深いのはこういうtweetを見ることだ。

https://twitter.com/TeriKamyu/status/918697722038726656

もう迷わない安倍総理支持‏ @TeriKamyu
アホに喋らすなよ

消費税増税なんて誰もが嫌だろ。しかし日本は上げないといけない状況。安倍総理も増税はしないって言えば簡単に圧勝も出来るが、現状そうもいかないから圧倒的不利な増税でも公約に入れている。よく考えろよ

#フジテレビ #バイキング

リフレ派や保守派が以前の消費税増税に反対して、財務省事務次官の「手配書」を回すという愚行に出たことは触れたが、今回はtwitterで「消費税」と検索してもこれを批判するtweetは主に共産党系の候補者に関するものが中心で、まるで状況が違ってしまっている。

野党の側もおかしなことになっていて、たとえば野田政権下では民自公の三党で消費税を上げることで合意したし、無所属で出馬している野田佳彦は現在でもこの姿勢は変えていないと考えられ、最近のブログにも、
かわら版 No.1102 『冒頭解散』 | 詳細 | かわら版|衆議院議員 野田よしひこ

 次は、安倍総理が2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する財政健全化目標を安易に先送りしようとしていることです。誰もがわかっていながら手をつけてこなかった「税と社会保障の一体改革」に、かつて私は挑みました。しかし、残念ながら今は真逆の人気取り政治に陥っています。

  日本は世界一のスピードで少子高齢化が進んでいます。元気に働いて国の税収を担える若い人口よりも、その税金を使う高齢者人口のほうがどんどん増えています。財政規律をゆるめ、子や孫の世代にツケを後回しするような政策は「愚の愚」なのです。

とあり、これには当然、消費税増税も含まれているはずだが、与党が消費税増で結束しているので、野党は難しい立場になっている。しかも、その野田佳彦自身がその前は消費税に反対していたわけで、もちろん財務大臣と首相を経験したことで財政状況の深刻さを認識したという経緯はあるとはいえ、随分な話には違いない。

少なくとも消費税のような極めて重要な問題で(社会党の土井たか子が「山が動いた」と言ったころと財政状況は全く異なる)、与党と野党で立場が入れ替わっただけで有権者の顔色を見てころころと言うことが変わったり、あるいはトップの言うことが変わっただけで支持者の主張が180度転換する、などということがあっていいんだろうか。そこがよく分からない。

もちろん、同種の問題は消費税に関するものだけではなく、他にもあるわけだが、ポピュリズムの問題に改めて引き戻すと、与野党関係なく、都合よく有権者の顔色ばかり見ているわけで、それで政治ができるわけがないだろうと思う。

有権者の顔色より大事なものがあるはずだ。それは、その政治家の信念のはずで、信念というのは、その場その場の状況や有権者の顔色で一変するようなものであってはならない。そういうものが全体に全く欠如している。

信念がないから、だからこんないい加減なことになっている。

しかしそれは政治家だけを責めて済む問題ではなくて、むしろそういう信念のない政治家を、有権者が求めていることが本当の問題なんだろう。極めて政治的な背景から派手に逮捕起訴された森友学園の籠池何某を「詐欺を働く人間。妻も騙された」と言ってのけて恥じない総理大臣を抱えて、何とも思わない国民だから、仕方がない。民主主義は結局、その共同体を構成する人民の程度以上のものを出ない。