あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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「可愛い部下」が「強力なライバル」になる

style.nikkei.com

今回も無事に記事が更新された。

この中に記載した昇進推薦者の変化は、卒業基準から入学基準への変化ということ。

現場の感覚で言えば「可愛い部下」を引き上げることができなくなっているということだ。

 

それは会社にとって大きなメリットがある。

 

部下や後輩は、上司や先輩を追い越そうとすることで成長できるのだから。

その判断は、上司や先輩にはできない。

だから会社として、人事部が、より高い責任を任せられる人を選抜してゆく。

 

上司側にすれば、育ててきたはずの部下や後輩に並ばれたり追い越される緊張感が常に消えることがない。

 

今60才手前の人からこんな愚痴を聞いたことがある。

「僕が20代の頃にいた40代とか50代の人からはね、『若いころに思いっきり努力して、そこで身に着けた技術や知識で一生食っていけるようになれ』って言われてましたよ。その言葉を信じて頑張ってきたけれど、まさか30代になっても40代になっても、そして50代になってからも新しい勉強をしなければいけない時代がくるとは思ってもみませんでしたね。20代に学んだことだけで食っていける仕事なんてもうないんでしょうね」

 

僕はその緊張感はとても健全なものだと思うのだけれど。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)