あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

2012-01-01から1年間の記事一覧

制約社員なんていわなければいいのに

書店で本を見ながら、久しぶりに、心からむかつく本がありました。書名を読み、目次を読み、中身をざっと読み、さらにその思いは強まりました。本気で、ふざけんな!、と思ったのです。あまりにも腹がたったので、もちろん買いました。でも、ネットで著者へ…

コミュニケーションもスキルだから、伸ばすことができる

榎本まみさんにお会いしました。土井英司さんが主宰するエリエスブックコンサルティングのセミナーでは、本当に多くの方々にお会いさせていただきました。そのお一人お一人を紹介することは難しいのですが、なかでも印象に残った榎本まみさんをご紹介したい…

地域別の有効求人倍率を調べてみた

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ(東洋経済新報社)」で、「ブラック型」でも「業績悪化型」でもない「普通の企業」では、定期昇給で給与を増やす方法を書きました。でも、昨日報道さ…

給与より雇用、ですか

今日の7時54分にこんな記事が、Yahoo-朝日新聞デジタルに公表されました。経団連「定期昇給、聖域でない」 春闘、制度見直し争点13年春闘は「企業の存続と従業員の雇用の維持・安定を最優先する議論が中心」とし、「定期昇給の実施の取り扱いが主要な…

家事をする男性が増えている?

雇用情勢や労働市場の分析をしている中で、ちょっと興味深いデータを抽出で来たので、紹介してみます。2000年から2011年にかけての、家事専業者人数の推移をあらわしたグラフです。元ネタは厚生労働省の雇用統計です。いろいろと分析する中で、もしかして?…

組織におけるパレートの法則と、ドッジボール

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。パレートの法則は皆さんご存知かと思います。この名称をご存じでなくても、80対20の法則、とかいえばご理解いただけるかと。企業に適用した場合だと、売上の80%は20%の人材で実現されている、と…

人生の転機というか勇気というか(私ごとを書いています)

人生の転機というものは数限りなくあります。私も43歳ですので、それはもうやまほど。そんな中でも、一つ忘れがたいことがあります。17歳のときです。当時私は、ウォーゲームというものにはまっていました。様々な戦争をボードゲームに置き換えたもので…

2013年の予測

私が予測するわけではなく。今日、こんなフォーラムに出席します。日経ビジネス 徹底予測フォーラム2013http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/yosoku2013/index.html私の専門は人事と組織ですが、経営全般の方向性を理解せずに人事を考えると、それは…

ピーターの法則があてはまらなくなる時代が来る

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。「ピーターの法則」をご存知でしょうか。アメリカの社会学者であるローレンス・J・ピーター先生によって提唱された考え方です。1969年が初版なんですが、2003年に再販されたものが日本でも販売さ…

公務員改革の方向性~「適切な判断」の方向性を変えるために

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。昨日、暴論を書いたので、さらに続きを。ちなみに昨日書いた内容のポイントは、多くの介護保険事業者の経営層が厚生労働省のエージェントであることを期待されているが、実際にはそこでモラルハザードが生…

介護ビジネスの将来

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。最近暴論を書いていなかったので、少々暴論を書きます。拙著、「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」の中で、医療・介護系も収入に天井がある、コストとして扱われる職種である、と記しま…

藤子・F・不二雄〈異色短編集〉が現在にマッチしているということ

セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。マンガの話ですが、書評と言ってもいいと思うのです。 ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉) 作者: 藤子・F・不二雄 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 1995/07 メディア: 文庫 購…

有名人になるということ

タイトルに書きましたが、私が有名人というわけではないです。でも、見ず知らずの人が、私の顔と名前を知っている、ということが増えていることについて、いろいろ思ったのです。私の本の出版前、勝間和代さんの本を読みました。 「有名人になる」ということ…

世界の経営学者の見識

土井英司さんのビジネスブックマラソンでの紹介文があまりにも面白そうだったので買いました。 世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア 作者: 入山章栄 出版社/メーカー: 英治出版 発売日: 2012/11/13 メディア: 単…

建設業の復活

広島に来ています。もうかれこれ10年のお付き合いをしている、建設系の会社の管理職研修を担当しています。ここ数年厳しい状況が続いていましたが、やっと業績が上向いてきたと聞きました。お手伝いをさせていただいている者として、とてもうれしいです。お…

支えるリーダー

一人の休みには本ばかり読んでいます。良い本も、良くない本も、どれも気づきを与えてくれます。どんな本も、それを書くために著者が結構な時間をかけています。その時間に敬意を表したいです。こんな本を読みました。 奉仕するリーダーが成果を上げる! サー…

ミドルマネジャーが組織を伸ばす

昨晩、ひとりで焼肉に行きました。妻と娘が実家に帰ってしまったからです。****************娘のピアノコンクールの練習のためなんですけどね。うちはマンションなんでアップライトピアノしかありません。よくわかりませんが、グランドピア…

リーダーシップのあり方

こんな本を読みました。オススメです。 結果を出すリーダーはみな非情である 作者: 冨山和彦 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2012/10/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 4人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (5件) を見る 悪のリー…

つながりではなく孤独をマネジメントする~年功序列を弱める時の注意

セレクションアンドバリエーションのマネージングディレクター、平康慶浩です。 私は今まで多くの人事制度を作ってきました。 作った人事制度の大半は、いわゆる「成果主義」と言われる仕組みです。 一部そうでないものも作ったりはしましたが、それは組織の…

利息は欲望の価格である

セレクションアンドバリエーションのマネージングディレクター 平康慶浩です。 私は以前、ずっと、利息や利子や金利というものをうまく説明できませんでした。 もちろん一般論としての、将来得るキャッシュの現在価値がベースになることぐらいはわかっていま…

安藤美冬さん、土井英司さんと対談させていただくことになりました

情熱大陸で有名な安藤美冬さんと、東京で対談することになりました。場所は神保町のあたり、とだけ伺っています。エリエスブックコンサルティング代表、ビジネスブックマラソンの土井英司さんに依頼されました。もちろん、土井さんと安藤さんがメインで、私…

リアル本屋に行こう

セレクションアンドバリエーションのマネージングディレクター 平康慶浩です。 私は本屋が好きです。 本屋に行くのも好きですし、本屋で過ごす時間も好きです。 書店、といってもいいんですが、なんとなく本屋です。 アマゾンとかの通販もいいんですが、やっ…

解雇されないためにも「評価される」行動をしよう

解雇は当たり前、ニッポン雇用の修羅場http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121116-00011748-toyo-bus_all&p=1先週の週刊東洋経済に掲載されていた内容が、オンライン版にも登場しました。前回のブログにも少し書きましたが、今後さらにこの傾向は強…

人を活かす人材マネジメントとビジネスモデル(2)

前回の続きです。私が持っていた疑問に対する答えは、赤ちゃんにありました。テレビCMを見ていたのです。おむつのCMで、赤ちゃんがはいはいしています。それを見ながら、ふと、考えたのです。この赤ちゃんは、親がいなければ生きていけない。自分自身で…

人を活かす人材マネジメントとビジネスモデル(1)

先日、東洋経済新報社でご担当いただいている編集の方にはお話したのですが。かれこれ15年くらい、ずっと頭の中にわだかまっている疑問があるのです。「能力が低いことは、罪ですか」というものです。別に私の話ではなくて。人事制度の話です。その疑問に対…

ブラック型企業を作ってきました

私のような人事コンサルタント達が、多くのブラック『型』企業を作ってきたことは事実だと思います。ここで言っているのはあくまでもブラック『型』であって、本当のブラック企業ではありません。「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」…

ブラック企業はどこにある?

本当のブラック企業に勤務されている方ならお分かりかと思うのですが、そう言う企業ではあまり「ブラック」であることが社会的に話題にならなかったりします。退職した人が、有名掲示板に書き込んだりしますが、在職中の方は比較的少ない。本当のブラック企…

HRカンファレンス2012秋で講演しました

そういえばこちらには書いていませんでしたが、2012年11月13日(火)のHRカンファレンスで講演しました。内容はそのうち公開しますが、今回は講演そのもので、ある実験をしました。それは、講演の最後のアンケート用紙です。手元に紙がないので、…

ブラックな働き方が必要なときもある

ブラック企業に入らないにこしたことはないのですが、若いうちは、ブラック的な働き方を許容しないといけないんじゃないかなぁ、と思ったりします。もちろん、その先に自分自身と企業とが成長できる可能性が見えていなくてはいけませんが。私自身、20代の頃…

ブラック型企業はあえて『型』としました

「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」という本を書きました。その中で、企業タイプを『ブラック型』『業績悪化型』『二重苦型』という分類をしました。とある方から「こんな基準でうちの会社を『ブラック』だ、と決めつけられたら困る」と…