電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「役」「キャラ」あってこその個人?

あと、個人的に『昭和三十年代主義』を補完するようなことをあえて言えば、消費マーケティング的な観点で見ると、昨今の昭和リメイク映画、TV映画の全盛状況は、作り手、売り手の立場では、リスクの大きいまったくの新製品より過去の売れ行き実績から安心が…

「軽薄短小」「情報化社会」はもう古い?

『昭和三十年代主義』の後半では、宮部みゆき『模倣犯』に登場する犯罪者「ピース」を例に引きながら、昭和三十年代的な堅実さの対極というべき、実体的労働を軽蔑して情報を操る立場にたつことに優越感を覚える心性を容赦なく批判する。 「ピース」は、典型…

仕事に顔のあった昭和、仕事に顔のない現代

産業が高度化してなかった時代とは、仕事が具体的だった時代、ということだ。 一日じゅうオフィスのパソコンをカタカタやっていても、傍目には何の仕事をしているかわからない。だが、畑を耕したり、自動車を修理する仕事なら何をしているかすぐわかる。 「…

貧乏は正しい(by橋本治)

数年前から予告されていた、浅羽通明『昭和三十年代主義』幻冬舎(asin:434401491X)がついに刊行。「あ、出てたんだ」と気づくのが遅かったが、やっと読了。 ミもフタもなくいうと、読んだら明るい未来が開けるでもなく、読者を良い気持ちにさせてくれるで…