電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

蚊帳の外から偉そうに思うこと

それにしても、実家に電話して地元の親類縁故者の近況雰囲気を聞くと、わたしの半引きこもりライフとは別の意味で、ますます時間が止まってる感を強くする。 血縁とはいえ個人のプライバシーが関わるから詳しくは書かないが、親類の間じゃお荷物となってる某…

たまには恥ずかしい話もしなければ

昨年の年頭に親父の三回忌で九州に行って以来、母と喋ったのはいつだったか覚えてない。が、前々から気になってた話題が二つあったので、遂に母に電話を掛けてみた。 私「で、――子(わたしの妹。大学四年生)の就職、どげんなったね?」 母「それがね、もう5…

続・ダメ人間日記

毎日、何やら偉そうに読んだ本や観た映画や世間に起きる事件の感想とかばかり書いているが、形而下的にはどういう生活かというと、先月、春も近いというのに半ひきこもりライフを過ごしている云々…と書いてから、丸一ヶ月が経つが、何だかもはや時間が止まっ…

補足

町山智浩アメリカ日記 http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040319 に、つい偉そうなコメントをつけたが 当時聞いた話では、「民主化学生」のほとんどは西側に留学できるような党高級官僚の子弟のブルジョワで、むしろそれを弾圧した人民解放軍の末端将兵の方…

戯れ

悪徳商法マニアックスで書かれていた「ウ社」の一件以来、Googleは信用できるのかかなりあやしい、と思っていたが、なんとなく「浜村龍造」というキーワードで検索したら、GoogleでもYahoo!でも、この「電氣アジール日録」が筆頭に来た(オイオイ!) 無論「…

死の翼あほうどり号

冒頭、モノクロフィルムの19世紀末の飛行実験の実録映像の後、まず英語で出るタイトル、「Master of the World」、なんか題名が偉そうで強そうだ。空中戦艦の名はアルバトロス号、小説ではわざわざ「あほうどり号」となってたが、俄然、こっちのが格好良い、…

遂に人格とタテマエが一致しなかった元祖オタク

じつは、昨年になって、ふと図書館で、この原作の「征服者ロビュール」の新訳版の文庫を見つけて読んだのだが、上記の、空中船の艦長は暴力的狂信的平和主義者であるという設定はまったく出てこず、物語はただ、ふとしたいきさつで空中船に囚われた二人の気…

悪魔の力で世界に平和をもたらす男

で、この手の「幻の作品」のひとつで、わたしが20年前から漠然と頭の片隅に引っかかって、当時「うわーこの映画一度観てみたい……でも永久に無理か?」とか思ってたもののひとつが、「空飛ぶ戦闘艦」であった。 これはジュール・ヴェルヌの「征服者ロビュール…

妄想によって実体より美化された「幻の作品」たち

少し前、2chの特撮板に、20年以上特撮オタを続けてる人間が集まるスレッドというのがあり、なんか独特の活況を呈していた。 83、4年頃というのは、それ以前からすればマイナーな特撮SF作品のビデオやらLDが出回りだした時期で(ちょうど、ガンダムで稼いだバ…

ビッチを超えた女傑、或いは憎めないビッチ

が、考えてみたら、俺は「ドイツの2大ビッチ」なんて例より、もっと直截で適切そうなのを知ってた。ああ、これは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のクェス・パラヤだ(笑)!! ニーチェやワーグナーを超える卑小と偉大の同居したネオ・ジオン総帥シャアの…

愛想良くても信用できない女、嫌な奴でも信用はできる女

『噂の真相』最終号(?)に、さかもと未明が取り上げられていた。さかもとは、モー娘。好きの石破防衛庁長官と対談して、自衛隊をめぐる政策の中身そっちのけでミーハー的ヨイショをやりつつ、当人は真面目な保守文化人のつもりでいる等々、といった批判的…

ゲルマニアの二大魔女…じゃなくて二大ビッチ

その昔、ドイツに、エリーザベト・ニーチェと、ヴァニフレッド・ワーグナーという二人のバカ女がいた。前者はナチスにニーチェを安売りしたニーチェ妹、後者はナチスにワーグナーを安売りしたワーグナー義娘である。 この二人は、自分自身には何も無いまま、…

人肉ラーメンチャシュー抜き

深作欣二の『軍旗はためく下に』を観る。深作版『ゆきゆきて神軍』+『野火』(大岡昇平)と呼ぶのは少し単純すぎるかな。 本格的な感想はとても一言じゃ書けないが、変に印象に残ったのが、ニューギニア戦線の実録映像の中のテロップで、「戦死者」ではなく…

カレーを箸で食えというマイクロソフト

数年前、短い一時期いた会社で、マイクロソフトの「Flight simulator」というゲームのマニュアルの編集の仕事をした。あれだ、飛行機の操縦ゲーム。 大した事はしてない、学生のアルバイトさんに原文を大雑把に翻訳してもらったものを、航空工学や高空力学の…

娯楽作家こそ広い視野が必要?

先にあげた江戸川乱歩は、初期短編では本郷団子坂の引きこもり青年だった明智小五郎を、爽やかな上流紳士風に変え、その周囲に、良家のブルジョワ子弟の少年探偵団を配置したが、後に、そんだけでは何かが足りないと思ってか、明智に協力する不良チンピラ団…

「自分」と「セカイ」の中間に何かあるだろ、さあ何だ?

ところで2004年の現在に生きる者として思うのは、さて先にあげた「全体小説」は、昨今の、いわゆる「セカイ系」と、どう違うのか? ということである。 そもそも近代文学というのは、ミもフタもない言い方をすると、学はあっても官吏や実業家にはなれず、現…

「全体小説」としてのミステリ

「全体小説」というのは、一つの作品の中に、天下国家やら哲学問答から下々の民草の日常やら情痴色恋沙汰まで、世界の縮図のよーな綜合的テーマをぶち込むタイプの文学作品で、ドストエフスキーの『悪霊』とか、埴谷雄高の『死零』とか、武田泰淳の『富士』…

全体小説を志向する娯楽作家

と、いうわけで、別冊宝島『高村薫の本』が刊行。 http://tkj.jp/bessatsu/4796638857/ 巻頭の爆笑問題太田光インタビュと「七つのキーワードで読み解く高村薫 『宗教』」ほかを畏友のアプレ文筆家、奈落一騎氏が、「七つのキーワードで読み解く高村薫 『職…

現実のショッカーは首領を殺せば解決、ではない

オウム真理教のような宗教団体だろうと、悪徳商法マニアックスと匿名掲示板(仮)(匿名掲示板(仮))を脅してるウ社(仮名)のような悪徳商法だろうと、末端はタダの「いい人」だと皆言う。ああそうだ、盲目の善良なバカなのである。だからタチが悪いのだ。 …

不滅の歪んだ忠誠愛

で、どんな組織でもそういうものだが、組織やボスのためを思って自発的に暴走した奴は、事態が発覚すると、トカゲの尻尾切りにされて、組織全体やボスの名誉は守られる――というか、自ら切られるトカゲの尻尾を覚悟してやってたりする。でもって切られた尻尾…

巨大組織ではボスさえもシステムの部品だ

わたしは近年、ひょっとしたらヒトラーは本当にユダヤ人600万人虐殺の具体的詳細については知らず、ヒムラーとかハイドリヒに、曖昧に「収容所に入れたユダヤ人? よきにはからえ。任せた」とか言ってたら、ボスに心服してるSSの連中が、指示を過大解釈して…

宗教的情熱は、時に教祖の意志をも超える

先頃話題になったヤフーBBの460万人顧客データ漏出事件の犯人は、創価学会の幹部で、過去にも日本共産党のミヤケン宅を盗聴したり、対立団体への工作に関与してたそうで、大手マスコミは詳しく報道しないものの、一部で話題になってるらしい。 創価学会の本…