カレッジバスケのもう一つのトーナメントNITで日本代表のYuta Watanabe選手の所属するGeorge Washington Colonialsが優勝しています。NITはNCAAトーナメントから漏れたチームによるトーナメントなので注目度は大きく下がりますが、それでも計5試合を勝ち抜いたのは選手たちにとっては良い経験であったはずで、日本代表への何らかの間接的な貢献もあるのかもしれません。Watanabeの同試合でのスタッツは6得点2アシスト4リバウンド4ブロック、FG 3/7 3pt 0/3 FTなし。試合開始早々に二度オープンで3ポイントシュートを打ったのがはっきり外れていたのでその後は自重して前の試合と同じ汗かきに励んだ試合に。ディフェンスでは足は良く動いていたし、終始手を上に横に広げて疲れを感じさせず貢献。マークの相手を完全に見失う場合もありましたが。後半チームの勝利が見えてきた時間帯のフィンガーロール風のショットはなかなかかっこ良かったです。
日本から見るとWatanabe選手は期待の星かと思うので、注視されこんな風に見て貰えるわけですが、それは我々が日本人だから。George Washingtonにはデンマークからの選手がいたり、決勝の相手となったValparaisoにはジャマイカの選手が活躍していたりします。アメリカ国内でのリクルート力でメジャーカンファレンスにかなわないミッドメジャー校は積極的に海外の非バスケ国からの有望留学生を迎えている場合があり、それらの選手はそれぞれの国のファンから注目を集めているのでしょう。ジャマイカのバスケなんて意外な感じですが、一応英語も使えるはずなのでNCAAへの親和性は高いのかも。いまはインターネットでの情報が詳細に発信されるので、注目して追えばデンマークのファンやジャマイカのファンもNCAAのNITの試合の情報なんかも瞬時に見られるわけです。世界の片隅で育っていたバスケの小さな芽がミッドメジャー校の丁寧なリサーチを通してリクルートされて、NCAAという広い土壌で鍛えられ、かつアメリカ文化に染まって育っていく。なかなか面白いと思います。
それらの選手がそのままいきなりプロにあがれるほどバスケの世界は薄くはないとは思いますが、それらの選手たちがNCAAで揉まれた経験を将来自国に持ち帰って、さらに良い選手がその国々で育つ糧となるとなれば好循環でしょう。日本でもWatanabe選手を通じてそういうことが起こるのではと期待したいところです。
下部とはいえNCAAトーナメントの優勝チームで先発したのは日本人初の偉業でしょうから、今後に期待ですね。
ジョージワシントンの他の選手ではデンマークのラーセンが今後どのレベルのプロリーグに進むのか、気になりました。