地方交通線とは、端的にいえば地方民から多くお金を巻き上げる赤字路線において少しでもその赤字を何とかするために国鉄→JR各社が導入している制度である。
地交線と略されることもある。時刻表などに載っている路線図で青い線で表わされている路線。正確な定義は「幹線鉄道網を形成する営業線として政令で定める基準に該当するものを除いて、その運営の改善のための適切な措置を講じたとしてもなお収支の均衡を確保することが困難であるもの」。要は、どう頑張っても赤字になる路線、といったところ。ただし、線区ごとに一律幹線か地方交通線かを決められているうえ、1981年から一度も見直しをしていないため、実際の運行系統や利用者数(特に一部区間だけ利用者数が多い場合)の実情などとはかけ離れている場合がある。
また、旅客輸送は少なくても貨物輸送が盛んだったため幹線となった路線も存在する(例:美祢線:石灰石の輸送が盛んだったが、現在はトラック輸送に取って代わられている)。逆に地方交通線に分類後利用が大きく伸びたのにそのままとされている路線もある(例:田沢湖線:1982年の東北新幹線開業に伴い電化され、盛岡と秋田を結ぶ幹線ルートの一部となったが、新幹線から列車が直通するようになった現在でも地方交通線のままである)。
なお、1981年以降に開業した(する)路線は開業前の需要予測を基に幹線とするか地方交通線とするかが決められる(今のところ地方交通線が新設された例は海峡線のみで他はすべて幹線)。
運賃の取り方に2種類あり、賃率換算キロと擬制キロとがある。
賃率換算キロ(換算キロ)はJR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本が採用しており、営業キロの運賃の約一割増(幹線とは別に地方交通線専用の運賃表がある)をとられる。
擬制キロはJR四国・JR九州が採用しており、営業キロの約一割増の距離から幹線と共通の運賃表を用いて算出する。
幹線と地方交通線を乗り継ぐ場合のうち地方交通線と幹線それぞれの営業キロの合計が10キロ以内の場合は地方交通線の運賃表、10キロを超えるときは幹線の営業キロと地方交通線の換算キロ・擬制キロの合計(運賃計算キロ)を幹線の運賃表に当てはめて算出する。
つまり、地方交通線のみ利用する場合は北・東・海・西と四・九とで計算方法が基本的には違うが、10キロを超えて幹線と地方交通線を乗り継ぐ場合は6社とも計算方法が事実上同じなのである。
一般的に「地方の鉄道の運賃は高い」というイメージがあるが、この制度もそれを助長する一つの要因となっていると言える。しかし、中小私鉄や第3セクター鉄道と比較すると地方交通線運賃の方が安いことが多い。
掲示板
5 ななしのよっしん
2018/11/01(木) 12:07:46 ID: tNNx2wZ+If
日本一利用客が多い地方交通線と言えば可部線
非電化区間廃止前は確かに可部〜三段峡間では地方交通線と呼んでも差し支えない輸送密度だったが、廃止されたことで一気に幹線の美祢線すら上回るほどにそうなった
可部線は政令指定都市内で完結する唯一の地方交通線でもある
6 ななしのよっしん
2021/12/21(火) 12:38:44 ID: tOf9pjuZf1
>>5
「幹線の美祢線を上回る」って、美祢線は幹線の中でも最弱…。
可部線みたいに一部の区間は利用客が多い区間もあるから、部分廃止はますます進みそう。あと石勝線的な感じで特急だけ残して途中駅廃止とかも進むかも。
美祢線や宇部線、それに北海道の路線は輸送密度で見れば地方交通線に成り下がっているが面倒だから変更していないんだろうな。
7 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 21:41:06 ID: f2dFI0gEPd
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最終更新:2025/01/09(木) 07:00
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