筑豊本線は、福岡県北九州市若松区の若松駅から福岡県筑紫野市の原田駅に至る路線である。全駅が福岡県内に所在し、全線が旅客営業規則の定める「福岡近郊区間」に含まれる。路線距離66.1kmは、かつて本線を名乗るJR線の中では最も短かった(現在は留萌本線にその地位を明け渡し、その留萌本線も日高本線に抜かれている)。なお、本線ではあるが、幹線ではなく地方交通線に指定されている。
主な経由都市は飯塚市・直方市など。元々筑豊炭田から産出された石炭を輸送するために建設された路線であり、全盛期には多くの支線を持つ大幹線であったが、相次ぐ炭鉱の閉山により、支線も大半が廃線に追い込まれてしまった。
筑豊本線も一時は廃線が噂されるほど利用者数の減少に悩まされたが、近年は折尾駅から桂川駅までが福北ゆたか線に組み込まれて福岡・北九州両市への通勤・通学路線として活躍している(詳しくは福北ゆたか線の項で説明)。
1891年8月30日に、最初の区間である若松~直方間が筑豊興業鉄道(のち筑豊鉄道に社名変更)の手によって開業した。九州鉄道との合併、国有化を経て1929年12月7日に原田駅(鹿児島本線)まで延伸して全線開業する。
当時筑豊地方と福岡市が激しく対立していたことから直接博多駅に向かうルートにならなかったと言われており、このことが後年筑豊本線の利用者低迷に繋がってしまった。
2001年10月6日に折尾~桂川間が電化されて福北ゆたか線の愛称が与えられるのとともに、若松~折尾間には若松線、桂川~原田間には原田線の愛称が与えられた。全線北九州市内を走る若松線は日中でも毎時2本維持されているのに対し、閑散区間である原田線は一日わずか8往復しか運行されない。
ちなみに、1895年11月13日に九州鉄道との共用駅として移転統合された折尾駅(1891年8月30日開業)は、日本初にして日本最古の立体交差駅として知られている。しかし、折尾駅周辺の連続立体交差事業が決定したことに伴い、2012年10月より駅舎の取り壊し工事が開始されている。現在では鹿児島本線と筑豊本線は線路が平行に並んで折尾駅に来ており、立体交差駅の面影はなくなっている。
2016年10月19日、若松駅~折尾駅にて非電化区間をバッテリーで走行するBEC819系電車が運行を開始した。
2018年7月6日、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)で原田線が被災。暫く運休が続いていたが、2019年3月9日に運転を再開した。
2022年9月より、遠賀川橋梁補修の為に中間~筑前垣生が単線化され、該当区間は右側を走る珍しい姿も見られている。(筑前垣生側は分岐器が設定されているのではなく線路が上り線側に移動して繋げられているので補修工事が長期に渡るものになることが予想されている。)
太字は有人駅。[九]:北九州市内(特定都区市内)。
折尾~桂川間の詳細は「福北ゆたか線」の記事を参照。
愛 称 |
駅 番 号 |
駅名 | 備考 ◆乗り換え路線 ○駅周辺施設 |
所在地 | ||
若 松 線 |
06
|
若松駅[九] わかまつ |
※駅集中管理システム導入駅であるが、 朝のみ駅員を配置している ◆若戸渡船(若松渡場) ○若戸大橋 ○若松南海岸通り ○高塔山公園 ○北九州市エコタウンセンター |
駅集中管理システム (Smart Support Station)導入駅 |
福 岡 県 |
北九州市 若松区 |
05
|
藤ノ木駅[九] ふじのき |
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04
|
奥洞海駅[九] おくどうかい |
○若松競艇場 | ||||
03
|
二島駅[九] ふたじま |
○北九州市立本城陸上競技場 ○福岡県立若松商業高等学校 ○高稜高等学校 ○イオン若松ショッピングセンター ○グリーンパーク・響灘緑地 |
||||
02
|
本城駅[九] ほんじょう |
○産業医科大学・産業医科大学病院 ○北九州学術研究都市 |
北九州市 八幡西区 |
|||
01
19
26
|
折尾駅[九] おりお |
◆JR九州:鹿児島本線(JA19) ◆JR九州:福北ゆたか線(JC27) ○九州女子大学・短期大学 ○九州共立大学 ○福岡県立東筑高等学校 ○福岡県立折尾高等学校 ○自由ケ丘高等学校 ○折尾愛真中学校・高等学校・短期大学 |
||||
福 北 ゆ た か 線 |
||||||
25
|
東水巻駅 ひがしみずまき |
遠賀郡 水巻町 |
||||
24
|
中間駅 なかま |
中間市 | ||||
23
|
筑前垣生駅 ちくぜんはぶ |
|||||
22
|
鞍手駅 くらて |
鞍手郡 鞍手町 |
||||
21
|
筑前植木駅 ちくぜんうえき |
直方市 | ||||
20
|
新入駅 しんにゅう |
|||||
19
|
直方駅 のおがた |
◆平成筑豊鉄道:伊田線 | ||||
18
|
勝野駅 かつの |
鞍手郡 小竹町 |
||||
17
|
小竹駅 こたけ |
|||||
16
|
鯰田駅 なまずた |
飯塚市 | ||||
15
|
浦田駅 うらた |
|||||
14
|
新飯塚駅 しんいいづか |
◆JR九州:後藤寺線(JJ01) | ||||
13
|
飯塚駅 いいづか |
|||||
12
|
天道駅 てんとう |
|||||
11
JG
01
|
桂川駅 けいせん |
桂川町の中心駅 ◆JR九州:篠栗線(JC11) ○王塚古墳 ○福岡県立嘉穂総合高等学校 |
嘉穂郡 桂川町 |
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原 田 線 |
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JG
02
|
上穂波駅 かみほなみ |
旧筑穂町(現飯塚市)の中心駅 | 飯塚市 | |||
JG
03
|
筑前内野駅 ちくぜんうちの |
|||||
JG
04
|
筑前山家駅 ちくぜんやまえ |
筑紫野市 | ||||
JG
05
|
原田駅 はるだ |
◆JR九州:鹿児島本線(JB10) ○シュロアモール筑紫野 ○福岡常葉高等学校 |
※なお、原田線ではSUGOCAを利用する事は出来ない(途中下車なしで通過することは可能)。
2016年1月29日に、JR九州は気動車に替わる次世代の車両として開発を進めていた架線式蓄電池電車BEC819系の車両デザインやデビュー時期についての発表を行った。
愛称はDENCHA(DUAL ENERGY CHARGE TRAIN)と決まり、若松線(若松~折尾間)において2016年秋より営業運転を開始した(同年4月より試運転開始)。
同様の車両に烏山線(JR東日本)で営業運転されているEV-E301系(ACCUM)があるが、こちらは直流であり、交流を利用するものとしてはこの819系が日本初となる。
かつては全線において50系客車による客車普通列車が運行されていたが、2001年の桂川~折尾間の電化により廃止となった。
ちなみに、洞海湾の海底にトンネルを建設して鹿児島本線戸畑駅と若松駅を結んで若松線との直通を行う構想が検討されたのだが、採算性の問題から調査段階に留まっている。
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最終更新:2024/12/23(月) 09:00
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