バスファンとは、バスに関する各種の趣味を持つ人たちの事である。ここでは合わせて、バス趣味にかかる事象も併せて紹介をする。
公共交通にまつわるあれこれを趣味にするというのは古今東西見られるものであり、バスもまたしかりである。しかしながら、バス趣味に関しては日本では市民権を得るまでに至ったのはごくごく最近の話である。鉄道では1970年代のSLブームなどで古くから趣味として勃興していたのに対して、バスはそれからさらに時代が下ってからである。日本では新幹線の存在や世界一ともいえる鉄道技術で鉄道に興味がない人でも日本の鉄道に対しては一定の自負を持っており、鉄道ファンが増える潜在的な要素が多分に含まれているのに対して、バスは良くも悪くも日常の点描として浸透しているため、なかなか顧みられることがなかった。
このように同じ交通系の趣味である鉄道趣味と比べても、バス趣味というジャンル自体がまだ日が浅く、絶対数でいえば「鉄道ファン」の総数には遠く及ばないのが現状であるが、近年ではバス事業者や、バス事業者で結成する地域団体などで自ら事業所の公開や、バスを集結させるイベントなどを開催する(例年、9月20日の「バスの日」前後が多い)など、その数を徐々に増やしている。
バスに限らず、この手のジャンルは他の趣味とクロスオーバーする傾向が強いが、鉄道事業者が(と)路線バスを兼営・もしくは傘下に展開しているグループや事業体も多いため、趣味者本人も鉄道ファンとバスファンを同時に「兼業」するケースも多い。その一方で(現業のバス運転士本人も含め)、自動車趣味とクロスオーバーするケースも多い。
メディアでの扱いもどちらかと言えば、鉄道雑誌の1コーナーにバスの記事が載るといった形での、鉄道の付属、添え物のような扱いであったが、近年は専門誌が発刊されるなど、独立した趣味のジャンルを築きつつある。また、ここ最近はテレビのバラエティでバスの旅が組まれるように一般的な認知度も徐々に高まりつつある。
趣味の対象も、鉄道に準じた車両撮影・走行音録音・路線研究などがあるが、バス独特のものも存在する。例えば一般的に、列車の運転はその鉄道会社に所属しない限りはほぼ不可能に近いのに対し、バスは免許と車両があれば、多少の困難はあるものの、自ら運転できる点もある。究極の形として、バス好きが高じて、自ら会社を興したツワモノもいる。自動車趣味の側面もあるので、古いバスを所有、もしくはオーバーホールし、クラシックカーなどのイベントに出展する事もある。
海外では、自動車趣味でいうところのオーナーズクラブも存在する(日本においても、特徴ある歴史的価値を有する車両の保存を主な目的として、同様の形態を模索する団体組織が存在するにはするが、同年代の歴史的な鉄道車両や自家用車、また他国の実例などと比較すると極端に保存例が少ない。国土の狭さや保管場所はともかくとして税制・環境面、そしてそれに理解を示す事業者・施政者も少なく、市民の足として淡々と働き、決して華やかでなくとも一つの時代を築いた「バスの名車」が、人知れず「古いから」と、粛々とスクラップなりの処分をされていることは否定できない)。
なお、「二階建てバス(ダブルデッカー)」が数多く一般路線バスとして普通に走っていることで知られる香港においては、趣味層の比率として「バスファン>鉄道ファン」であり、日本の都市と同様な高速鉄道網が存在する地域ではあるが、バスファンの絶対数や趣味の地位などにおいても、置かれている「環境」は、意外にも日本より高い。バスグッズの専門チェーン店が香港域内に店舗網を展開しており、店内には鉄道・路面電車に関連する商品も申し訳程度に一応置いてはあるものの、やはり品揃えは「バス専門店」であり、またバス事業者の直営グッズショップに相当する窓口の品揃えも、ダイキャストモデルをはじめとして日本の同様窓口とはまったく比較にならないほど豊富である(欠品も多いが、自社が走らせてきたバスの歴史を大事にしつつ未来に進もうという姿勢が感じ取れる)。ついでであるが、域内を走る路線バスの車種比率も「ダブルデッカー 97以上 : 3以下 平屋」である。
同じく中華圏の台湾も鉄道ファンほどではないが、同じようにバスファンが存在する。車両の引退イベントはニュースになったほどであり、車両の保存も官民行われている。
以下特記無き限り、三菱ふそうを「ふそう」、日野自動車を「日野」、いすゞ自動車を「いすゞ」、旧・日産ディーゼル(現・UDトラックス)を「UD」と略記する。
読んで字のごとくであるが、メーカーによるプロダクション品であるバス車両は鉄道に比べれば、ある程度形は決まっているが、会社や路線ごとの個性の出し方が鉄道以上の場合も存在する(例:京都交通の「路線バス車体に観光用シャーシ」、「神奈中仕様【代表例:前部の乗り口表記窓・『ワンマンバス運転士は乗客の現金に触れてはならない』という同社の論理による運賃箱周りの処理】」、「静鉄仕様【細かい箇所ごとに、実に100を超える独自仕様が盛り込まれていたといわれる】」、「上高地仕様【同所入り口の旧『釜トンネル』高さ制限をクリアするための背の低い観光バスタイプ車】」、後部に行先表示を掲出するか否か【この点は「交通バリアフリー法」施行で新車への設置が義務となった】、運転席の背面処理、1点物の車両)。近年はこうした注文が受け付けられないケースが多く、またバリアフリー推進のために特にノンステップバスが多く導入される傾向が強い。また国土交通省の標準仕様が制定されている為、車両の仕様も画一化が進んでいある。
また、細かい所では都営バスや横浜市営バスのように運転席側のサイドミラーのアーム取り付け位置もポイントとなる。通常はサイドミラーは側面の窓に沿う格好であるが、一部の営業所では隘路での視認性確保の為にアームを延長した物を採用している。
また、1年から2年のみ試験的に採用されたが本格採用にならなかったり、廃止された物もある。1991年頃に神奈川中央交通で導入されたバスには補助座席が取り付けられていた。小規模の貸切などで使用する際に使われたものであるが、本当にこの年度前後にのみ採用された後、撤去されたものもあった。但し、補助席を使った場合に使う足置きはそのままだったので、その名残も見え隠れしていた。
一般的に、バスの車体に大掛かりな加工を伴う改造例は少ない。例えば、東急バスのように系列に改造・修理を行う会社を持っていれば、車内を中心にした大掛かりな更新を行うケースはあるが、下手に車体に加工を加えた場合には車体強度の確保に影響が生じる事もあり、また数十年と使用する鉄道車両と比べても、都市部事業者の場合は10年から15年程度であり、改造するぐらいならば新車を導入した方がいいという事情もある。しかし、中には「バケルトン」と呼ばれた大規模改造を行ったバスも存在する。
バス車両のトランスミッションは、輸入車や小型車、一部の高速車など特殊な用途のものを除き、大抵がMT(マニュアル)車を導入する事業者が多いが、中には東武バスグループ(朝日バスグループ)のように、山間路線にも容赦なくAT(オートマチック)車を積極的に配車するグループもあることで知られる。前部に座らなくとも駆動音で容易に判定がつくので、これをネタに燃費や操作性などを、運転士さんと(運転士さん個人の裁量ではあるが、業務に差し障り無い程度に)盛り上がるのもいいかもしれない。
マニュアルギア車は走行環境に合わせていくつかのギア比が選べ、5速直結や5速オーバードライブ、複数のファイナルギア比などの特徴がある。これらは導入される事業者によってまちまちであるが、一般的に一つの事業者でオーバードライブ車と直結車を混用するケースは、それ程多くない。ただし、地方のように都市部の事業者からの譲渡車が存在する事業者ではその限りではなく、またかつての東急バスのように、途中からギア比の変更を行った会社においてはこれらが混在する事があった。この他にもかつては、日野に見られた都市部での使用に特化した「4速マニュアル」や、いすゞに存在した「2速と3速に直結ギアを使ったオーバードライブ車」、逆に2速と3速にオーバードライブ車を採用した「直結車(言わばクロスレシオ車)」が存在した。また、本来はマニュアル車であった物を試験的にオートマに換装すると言うケースもあった。
AT車はトルクコンバータ式と、MTのクラッチ操作と変速制御を自動化したAMT(機械式AT)の二種類。いずれも基本的にはトラックと共通した機構のものである。
日本では1980年代から90年代はマニュアルギアの部品を使ったAMTが殆どであった。いすゞの「NAVi5」をきっかけに全4メーカーが採用をしたが、運転士側からは変速のタイミングが合わず違和感があるといった意見があり、また整備側でも複雑な機構から、双方で敬遠される傾向があった。その為、横浜市営や京王バスなど、ごくごく限られた範囲でしか導入されず、また中古市場でもネガティブなイメージから殆ど市場に出回らず、多くは海外行きか鉄くずとなった。以後の日本市場ではトルクコンバータ式が主流となったが、2015年にフルモデルチェンジしたいすゞ・エルガに6速AMTが設定され、2017年5月には三菱ふそうの大型観光バスであるエアロエース・エアロクィーンに8速AMTが設定された。また、はとバスが2016年4月から運行を始めたバンホール・アストロメガ2階建てバスは、シャシーと駆動系がスカニア製で、DC13直列6気筒エンジンにAMT「オプティクルーズ」12段を組み合わせたもの。AMTの機構と制御が向上したことにより、近年は日本市場でもAMTが選択される機会が増えてきた。
バス車両は会社の規模にもよるが、大都市圏の場合は新車から概ね10年から15年、地方事業者の場合でも20年程度で廃車代替が行われる。また近年はいわゆる「排ガス規制」の影響で、首都圏などの大都市では原則12年を超える継続登録が出来ない。とはいえ、排ガス除去装置を取り付ければ継続車検が出来るので、これを活用して12年を超えた活躍をするバスも少なくない。近年は旧来の排ガス規制車両が一掃されたのか、12年を超えて使用するケースがちらほら。
また、海外製やCNG車などはその規制に縛られないので、他の車両が新しくなる中でオールドタイマーとして走るケースも少なくない。横浜市営バスのヨンケーレは1993年導入であるが、輸入車扱いであった為に排ガス規制に縛られず、予備車であるものの既に20年以上走り続けている。それでも鉄道に比べても代替サイクルは早く、かつては10年も使わずに7~8年で廃車にするケースもあった。
このように稼働期間は鉄道と比べても概して短く、事細かに調査をしないと全廃したというケースも少なからずある。
廃車になったバスは車内外の広告を引っこ抜き、料金箱や方向幕、あるいはLED表示機といった営業に必要な機器も撤去される。続いて、タイヤやホイールもまだ使える場合はストックで置いてある履き古した古タイヤ、黒ずんだホイールに履き替えられる。そして航空機のようにロゴマークや事業者名をペンキで塗られた上でナンバーを外されて数日間留置される。その後に回送業者が引き取りに来て、中古車屋や第二の人生の地へ回送される。
大都市圏のバスは、廃車後に地方の事業者(属するグループ内での譲渡であったり、それらを超越したトレードであったりと、様態はさまざまである)に譲渡されるケースが多いので、追跡調査も盛んである。そして新しい事業者でも前の使用者の特徴を見出す楽しみ方もある。更に、廃車バスの中には国内ではなく、海外に売りに出される事があるので、現地まで足を延ばして調査を行う猛者もいる。
多くは塗装を塗り替え、劣化した外板を板金して修繕し、徹底的にオーバーホールされた後に新天地で活躍する。地方のバス会社で親会社が都心部に存在する場合、優先的に直接車両が宛がわれ、また近年はコストとの兼ね合いから親会社と同じ塗装で活躍するケースがある。特に系列を持たない場合は方々の会社や中古車屋より車両を仕入れて、整備した後にデビューさせる。この場合、導入元の会社の特徴が現れる事が多く、また細かい仕様がまちまちなので趣味的には非常に面白いものとなる。前述した車両研究と照らし合わせて、元の会社がどこなのかと推測するのもまた楽しみである。
こうした車両の供給元は都営バスや神奈中など、台数口が多い会社が多い。都営バスに関しては台数もさることながら、公営と言う事で整備もしっかりしてた為、中古の市場で人気であったが、2000年代の石原都政の際に「抜本的な公害対策として原則として解体」の方針を取った為、2000年中盤以降は中古市場には原則流れず、ほぼ全車両が解体となった。無論、市場価格が高騰して従来は海外行きかスクラップとなった車種も流れるようになった。この他、横浜市営バスもかつては地方行きが多かったが、1990年から1995年に導入されたバスは機械式ATを採用していた為、売却手が殆どなかった為にこの世代の中古バスは国内では皆無となっている。タイの大学のスクールバス向けに譲渡と言った海外向けにされたか解体がほとんどである。
中古市場からあぶれたり、譲渡された先で第二の人生を終えたなど国内で使用するにはややくたびれ過ぎてたり、機械式ATと言った特殊すぎる車両はスクラップにされる他にも海外に回される。かつては地方のバス会社もそれなりに体力があったので中古バスの海外行きは割合に多く、その存在は知られていたのだが、情報網が今ほど発達しておらず、またおいそれとたやすく海外旅行もいけなかった時代、特にミャンマーのように過去が政情不安定な国に中古バスが行ってた事もあり、その資料も少なかった。
近年は飛行機運賃が安価になった事や政情が落ち着いてきた事から、海外に追跡調査をする者も増えている。鉄道趣味も兼業する場合、かの地に日本の鉄道車両が言っているケースもあるので、それらと合わせて調査するケースも多い。
主にミャンマーやフィリピンが多いが、インドネシアやオセアニアやアフリカに行くケースもある。特に前者2カ国は日本とは違って右側通行であり、その改造も大規模となる。右側通行は左ハンドルが原則であり、多くの国で法律によって右ハンドルのままで走行する事が禁止されているのでハンドル周りの機構をごっそり左に持って行くケースがバスに限らず存在する。この他、運転台のあった部分を乗降扉にする、逆に乗降扉のあった部分を埋めて、座席を設置するなどの改造が施されると言う風にほぼ鏡映しの車両となってしまう。
中には顔つきその物を変えてしまったりとオリジナルの面影を見いだせない物も存在する。その仕上げも侮るなかれ、自然な物となっている。しかし、いかんせんトロピカルなお国柄であり、整備状況はお世辞にも良いとは言えないので直ぐにぼろぼろとなり、その都度板金や塗装のしなおしを行う。また、こないだはAと言う会社にいたバスが、今日見たらAと言う会社がなくなり、Bと言う会社にいたと言う具合に車両の流動性が激しい。その過程で塗装も当初は日本時代と一緒でも後々では違ってきたり、中には別の日本の会社の塗装(元東急バスなのに塗装は関東バス)になったり、調査をする者泣かせな状況になっている。末期になると車体の劣化によりエンジンを支えきれず、後部部分が脱落しかけるなどの状況がある。
非常にコアな物の見方ではあるが、第二の人生のもう一つの行先に劇用車流用と言うものがある。
そのものズバリでテレビなどで使用される車に供されるのだが、バス一つとっても一般的に実際の会社が撮影協力する際はスポンサーやその内容の問題から協力を得られないケース(ex.お察し下さい)がある為に劇用バスが登場する。また、刑事ドラマなどで護送車などを使う際に日本では警察車両の払い下げが不可能なので中古のバスをベースにする場合もある。言ってしまえば脇役であるが、これらの存在によって番組の脇が固まるので、非常に重要な役割である。
いずれも路線バスベースが多く、そのデザインも最初の事業者の塗装に少々手を加えた程度の物から全体的に塗り替えられているものなど多数ある。バラエティ番組などでおなじみともなると「またお前か」というぐらいに名前が知られる車両もある(ex.笑ってはいけないシリーズで冒頭に登場する元川崎鶴見臨港バスのいすゞ・キュービックなど)
アクションを押し出している番組の場合はカーチェイスに供される事も多いが、この場合は多少なりともバス側に破損が伴うケースが多いので撮影者側で自前の車両を調達するケースがほとんどである。言うまでもなくカーアクションで使用されればイメージ的にも悪いので基本的に塗装を全部塗り替える。その為、元々どこで使われてたかを調べるのは非常に困難となる。但し、スポンサーとして登場した場合はその限りではない(ex.西部警察における下津井電鉄など)
現在、バスメーカーは国産は3メーカー(かつては4つ)あり、バス事業者の営業所での配置は整備の都合からか、メーカーごとで固まる傾向が多い。その中で新車で導入されて廃車になるまでいくつかの営業所を転々とする事もある。本来ならば日野が多数を占める営業所に三菱ふそう車が来れば、それを写真に収めたり、その車の追跡調査をする趣味もある。
公営事業者では今日は多くの所で競争入札であるが、かつては随意契約だったのか国産のメーカーが満遍なく導入され、メーカーごとに指定された営業所へ配置されていった。例えば横浜市営バスで言えば、三菱ふそう車は緑営業所・若葉台営業所・本牧営業所であり、日野は浅間町営業所、保土ヶ谷営業所、野庭営業所、港南営業所と言う具合であった。競争入札に変わった辺りで車の転出入が激しくなり、この過程で本来ならば日野が入らない緑営業所に日野・ブルーリボンが転入したり、三菱ふそうが入らない滝頭営業所(日産ディーゼル車がメイン)に緑営業所のエアロスターが転入したりという状態になった。現在ではほぼどこも競争入札なのでどの営業所にも競争入札で競り勝ったメーカーが在籍している状態である。
民営事業者は概ね各メーカーをまんべんなく導入している感じであるが、子会社に自動車販売会社がある場合は一気にそのメーカーばかりとなる。例えば神奈川中央交通は1980年代に神奈川三菱ふそう販売を傘下に収めて以降、それまで4メーカーまんべんなく入れてた車両を9割方三菱ふそうとした。とはいえ、藤沢の付近にはいすゞの工場があり、いすゞの工場に三菱ふそうの車で行くのはやはり問題があるのか、藤沢営業所や綾瀬営業所にはいすゞ車での導入も引き続き行っている。この他にも国際興業バスも同じように北海道いすゞ自動車を傘下に収めているので国際興業バスを始めとした傘下のバス会社は新車の場合はいすゞでの導入がほぼ100%である。
現在の日本では見られないが、かつては「コーチビルダー」と言う、車体のみを製造する会社が存在した。コーチビルダーの仕事は自動車メーカーから供給された、或いは顧客が持ち込んだバスのシャシーや駆動系に車体を架装することである。
「スバル」ブランドでおなじみの…と記すと、結構な数で驚く一般人が存在するが、あの「富士重工」や、西日本鉄道系列の「西日本車体工業」(「西工」)が代表的であった。バス車両は乗用車と違い、車体とシャーシ(エンジン)が別個であるケースが少なくなく、シャーシ(エンジン)いすゞ製でも、車体はいすゞ純正のキュービックではなく富士重工製であるケースが多く存在した(鉄道趣味でこのあたりを気にする人は「音鉄」を自称する人以外にあまり見られないが、たとえば「車体、ガワは旧東急車輛」でも「走行装置、足は日立だったり東芝だったり」という具合の商いを、バスでもかつて行っていたということである。このあたりが高年式のバス趣味へのハードルを結構高いものにしている…のではなかろうか?)。
これらは割合に地域性が出て、東日本の事業者では富士重工、西日本の事業者は西工製を好んで導入する、という具合であった。また、国鉄バスにおいては日野車体にいすゞのシャーシ(エンジン)、千葉県の小湊鐵道には富士重車体にふそうのシャーシ…という具合に、系列を超えた組み合わせも存在した。メーカー純正では事業者側の要求を満たす事が難しい注文でも、コーチビルダーはその要求に応えたので、根強い人気があった。これらコーチビルダーはバス業界の再編ごとに統廃合やシャーシメーカーによる囲い込みが行われ、富士重工は2003年にバス車体製造を終了、西工は2011年に会社を清算してしまった為に、純粋に「バスの車体のみを製造する会社」は日本では消えてしまった。
現在の日本でコーチビルダーに相当する技術を持つ会社(広義のコーチビルダー)は、三菱ふそうバス製造とジェイ・バスの二社。ただ前者は名前の通り三菱ふそうの子会社で、ふそうブランドのバス製造が全面移管されており、実質的には完成車メーカーと言える存在。後者は日野といすゞが合弁で設立した会社で、また前身となるのは両社のバス製造会社であることから、こちらも実質的には完成車メーカーである。
日本以外の国では広義のみならず狭義のコーチビルダーも健在。ダイムラー傘下で設立されたエヴォバス(EvoBus)や、親会社が買収されたことでMAN傘下となったネオプランのように自動車メーカー資本の会社もあるが、ベルギーのバンホールやオーストラリアのボルグレンなど自動車メーカー資本ではない会社も存在している。日本にもこれらのメーカーが製造した連節バスや2階建てバスが輸入されており、少数ではあるが目にすることができる。
既存のバスの内外装に大きく手を加えて、クラシカルなデザインや奇抜なデザインにしたりと、1点物のバスを作りだす架装会社も存在する。東京特殊車体などが知られているが、これらを製作する会社にコーチビルダーと言う名称を使う事はあまりない。
1点物で目玉車両として導入されるケースが多いが、ある程度の傾向が見られるので似たような車両が各地で見られる。
これらの先駆けとなったのは東海バスのリンガーベル号であり、通常のバスのデザインとは一線を画した古い路面電車風のクラシカルなデザインが好評となり、これ以降はこれに範を取ったバスが多く登場した。車体の仕様は自由度の高さを重視して元々はバスに使用され、リアエンジン車主流となった後は馬運車や積載車などの特殊車両の架装や輸出向けになっていたセンターアンダーフロアエンジン車のCG型が使用された。
ある程度時期が経過すると、中型バスやトラックベース、既存のバス車体をベースとするもの、海外から車体パーツを仕入れて、架装するなど多くのバリエーションが展開された。
近年はバリアフリーの観点から、従来ほど込んだ改造が行われなくなっている傾向がある。
バスの塗装は事業者の数だけある、と言っても過言ではなく、特に観光バスは派手なバスからシックな塗装まで、例えバスファンでなくてもその塗装で楽しませてくれるというぐらいである。車両の一部やすべてを覆って、広告や啓発、児童のデザイン画などをまとって運転される「ラッピングバス」は言うに及ばず、近年は鉄道のようにリバイバルカラー(もしくは、こちらもフルラッピングで処理)車両を運転するバス事業者も多い。台数口が少なく、また鉄道と異なり当日まで運用がわからないことも往々にしてあるので、虎の子であるこうした特定の車両を「狙って」撮影するのは至難の業である。
まれにある事だが、大規模な災害などで車両が廃車になり車両数が足りずに急遽車両を集めた場合やバス事業者が親会社の鉄道事業廃止(京福バスなど)や公営事業者の民営移管で車両を移管先の会社(函館市営バス→函館バスなど)に移した場合、塗装変更が間に合わなかったり、コストを削る為に塗装を前事業者のままで走るケースがある。これらは進捗状況によりけりであるが、時期を見て早めに塗りかえられたり、廃車時期が近い場合はそのまま廃車になったりとあまり長くは見られない。
また、メーカーがカタログに掲載する際にサンプルとしての塗装がそのまま会社のカラーになったケースもある。有名なのは国際興業バスの観光車であり、元々は日野・ブルーリボンのものであったが、それを国際興業バスの観光バスのカラーとして採用、この他多くの事業者がこのカラーをアレンジしつつも採用している。変わった所では関東バスの赤と白のカラーはアメリカのパシフィック電鉄のバスの塗装をまんま採用している。
内装も細かな所に特徴が出てくるが現在では国土交通省主導によるユニバーサルデザインに基づいた仕様が策定されており、滑りにくい床材、ピクトグラムの設置、オレンジの握り棒、収納出来るイスなどがあり、標準仕様としてカタログに載っている事もあり極端な違いが出てきにくい。
但し、路線環境によってはこれらの仕様に縛られないものも多くある。
カタログモデルとしては最後部以外全席1人掛け椅子・優先席横向きと言った立ち席重視のラッシュ型、後部二人掛け・優先席横向きと言った着席と立ち席を両立した都市型、2人掛けシートを多数配置した着席重視の郊外型の3種類があり、さらに郊外型以外には前乗り(≒運賃先払い)があり、全てのタイプに中乗り(≒運賃後払い)が設定されている。前乗りと中乗りの違いは中乗りの場合、中扉直後の座席との間に整理券発行やICリーダーの設置の為の空間が設けられている事であり、フットスペースが空間分だけ狭くなっている。
標準仕様としては上記のとおりだが、路線に団地などを抱える場合はさらに定員を増やす為に本来は1人掛け、もしくは2人掛けのシートをロングシートにしているケースがある。この他、高速道路を走行する路線がある場合はシートベルトの着用が義務付けられている為、シートにシートベルトが設置されている。床は現在では車内転倒を防止する目的で防滑性の高い素材が使用されるが、かつては木材を使用して独特の香りを漂わせていた。
また、ワンロマ車と言われる路線バスと観光バスの折衷車は程度にもよるがハイバックシートの採用やテレビモニターの設置などがある。
観光バスの場合はその個性の出し方も非常に大きい。事業者によっては内装を豪華絢爛にしたものもある。車内にシャンデリアを飾ったり、革張りにしたり、かつては麻雀卓を置いてあるバスもあった。この辺りはデコトラ趣味とクロスオーバーする部分もあるが、バブルの頃はこうしたバスが多かった。現在ではカタログに載ったままの仕様が多くなっている。
今日のようにLED表示が普及する以前は、もっぱらポリエステルフィルムによる方向幕での表示であった(一部高速バスや、臨時種別にはサボを使用したものもあった)。しかし、LEDの価格が下がったこと、寿命や輝度が向上したこと、幕式では収容コマ数に限りがあることに加え、2000年に起きた「西鉄バスジャック事件」を受けて車外に喫緊の事態を明示する必要があることなどから、現在では青ナンバーの事業者が路線・高速バスを新車で購入する際は、その過半数以上にLEDの行先表示器が装備されて納車されているが、特に採用メリットのない自治体運営の廃止代替バス(表示系統は、さほど必要としない)に加え、一部頑なまでにLED表示導入を断固拒否して幕式一本やりの事業者も存在する(京都市営など)。
行先表示のパターンとして、当該地域以外ではあまり類例が見られない(首都圏ではよほどの理由がない限り略さない)が、関西圏(特に旧:摂津)の一部を中心に、結節鉄道路線の駅前に向かう場合でも「正式なバス停名」として「~駅」という表示を、堂々と省略する場合がある(例:「三条京阪」「JR向日町」「京阪香里園」「JR茨木」「阪急茨木」「千里中央」「梅田」「JR住道」「阪急伊丹」「JR伊丹」「阪神芦屋」「JR芦屋」「阪急芦屋川」など、この地域では枚挙にいとまがない。行先はすべて駅構内至近)。同一事業者でも京阪バスや阪急バスなどのように、「何がなんでも『~駅』は省略して統一する」という訳でもなさそう(省かない例:「加島駅前」「仁川駅前」、神戸電鉄各駅など、こちらも多数)であるので、ここも並行鉄道路線が複数あり、同一駅名が離れた場所に存在するような地域性や、ともすれば「行先わかりゃええねん」といった合理主義、個性なのかもしれない。
英訳などについては、方式にかかわらず「ローマ字は振る/省略する/空港路線や観光路線に振ってその他は省略」「施設名はローマ字転写か英訳するか」などの差異の研究、同一意味の表示の差異を研究する(例:「回送」を”〔SORRY,〕OUT OF SERVICE” ”NO SERVICE” ”FORWARD”などと英訳したり、「回 送 車」〔実例多数〕「整備回送」〔大阪市営独特の言い回し〕)、経由地表記の方法研究、などもある。加えて、ごく限られた一部事業者(茨城空港関連路線など)が中国語(簡体中文)・朝鮮文字まで表示を行う例もある。
また、廃品となった方向幕を事業者が即売会などに出品すると、特定の事業者(詳解は割愛するが、凝ったデザインやイラストを配置し、直感的でわかりやすいデザインを熱心に追求してきた関西地区の事業者のものに人気が高いようである)のものでは、あり得ないほどの高値で取引されることも珍しくない。事実、2013年夏には関西圏の会社員(当時)が、バス会社の営業所に留置してあった車両から方向幕を窃盗した容疑で逮捕され、自宅からそれらが多数押収されている。
↑
(神姫バスの一部)
これはいくらなんでも遊びすぎwじゃね?中の人は真剣なんだろうけど。
英訳がそうなんだから、ま、いっか。
海を越えた先の香港では「ドットマトリクス式」と呼ばれる、マグサインとLEDのハイブリッドのような方式が主流で(LED車もいる)、クリスマスや正月、春節には、たとえばKMB九巴・9系統のクリスマスであれば
などと、走行中でも行先と交互に数秒間隔でスクロール表示されるんだそうな。お国柄である。日本では停車中のドア扱い時にフロント表示を「94京阪 く ず は」「__**:**発」(京阪バスなど)として発車時刻を、リア側表示を「行 先」を「乗 降 中」「最 終 バ ス」(国際興業など)などと切り替える事業者が見られるくらいで、到底見られない=「道路運送車両法」で、走行中のLED行先表示器の切り替えは、基幹路線、環状・ラケット状の路線のリア表示など、路線の性格上、行先表示を大幅に変更しないと乗客の利便を損なうような路線(の切り替え区間の一瞬や、運行を終了し「回送」ほかに切り替える場合)などのわずかな例を除き、法的に規制されている。
なお、2015年ごろよりフルカラーLEDの採用が徐々に増えている。赤色などが法律に抵触すると言う説もあったが、それよりもコストの面が非常に大きかったとされている。都営バスや小田急バスなどいくつかの事業者では既に導入が始まっている。この他、横浜市営などでは「液晶式」の行先表示を試験的に採用したバスも存在したが、夜間の視認性はともかく、日中は自然光で表示が見えづらいという声があり、また寿命の問題から後年は通常の方向幕に戻されている。名古屋鉄道の一部の車両(やはり、同社の行先の多様性上、かなりの「コマ数」を要する)に「オーロラビジョン」が採用されている昨今、いささか時代を先取りしすぎた感は否めない。
バスの走行音を録音するものであるが、バスの場合は前述した通り路線環境に合わせて、発注時に5速直結や5速オーバードライブなどギア比を選べたり、上述のとおりATで導入する事業者もある。そのため、同じ車体でも大きく走行音が異なるケースが多い。また、経年に伴う走行音の変化も割合如実に表れるのも特徴である。この他、近年乗用車でおなじみのハイブリッド車や、燃料に天然ガスを使用したバスはやや走行音にも違いがある為、この辺りも注目される。
「コーチビルダー」の項で解説したとおり、バス車両は画一化が進み、電装機器も画一化・標準化が進み、差異を追い求める趣味人から言わせれば「面白くなくなった」とはいうものの、江ノ電バス各社の「キンコンチャイム」や車内アナウンスのメロディなど、音に関する独自仕様も一部では根強く残る。
鉄道でいう「乗りつぶし」に相当する領域であるが、昼間帯の1時間に2本以上の本数が頻発している路線から、都市部から郊外・山間地・海沿い・温泉場などへ、1日1回でも便があるような(車庫らしき施設はないが、現地や近傍居住の運転士が車庫・営業所に帰らず専担している場合もある【各運輸局の指導で減少傾向・運賃箱の金庫〔営業所の機械でないと開錠不能〕は自宅などへ持ち帰り保管・終業点呼は無線、始業点呼も無線、アルコール検査は朝なら始発地→営業所などの検査場所まで運用をこなし、そこで検査】)、鉄道のローカル線のように「目に見える」形で便が「見えて」いる場合の「乗りつぶし」は、比較的難易度が低いとされる(極端な例であるが、山交バスの新庄〔県立病院前〕から肘折温泉〔肘折待合所〕への夕刻便に全線乗りたければ、現地の温泉施設などに1泊以上すればよい。所要時間約1時間の一般路線)。
バスファンの先の道、この先の「バス道」(?)を極めようと志す者には、バス特有の事例として「免許維持路線」「出入庫系統(各公営バスなど)」などと呼ばれる、妙な路線の設定…いや、存在が、路線として、はっきりと見えてくるのである。
「この路線のおかげで神奈中が川崎市内で貸切(営業)ができるわけだから、無くなるはずはない」
一時期Wikipediaに単独記事が存在したのであるが、「証拠不十分」(に値する内容)などとされ、あえなくデリられてしまったので詳解する。鉄道などの目に見える「軌道」系交通と異なり(休・廃止されれば有り体な「線路」は放逐ないし撤去される)、ほとんどが公道を走り、かといってタクシーのように「貸切」でもなく、うすぼんやりした「路線」を持つ公共交通である路線バス特有の、趣味・研究度合いにおける奥の深さともいえよう。2011年に朝日新聞(東京版)で、神奈川中央交通(相模神奈交バス)の「淵24系統」(「ふちのべ にじゅうよん―・日曜祝日の朝に1往復のみ運行」)が記事になったりもした。端的に述べれば、上記で引用したひとことがこの項目のほとんどを物語っていると記しても過言ではないだろう。
テリトリー確保(いわゆる「縄張り」「既得権〔営業権〕確保」「鉄道駅前広場〔社有地〕入構権確保」)や、実質スクールバスとしての運転(アルピコグループ・小湊鐵道など)であったり、通学・通勤・施設の便を図るためなど諸般の事情によって、利用者の多寡は無視、地理的条件や乗客の動線、他の交通機関の運行とはほぼ関係なく運行している路線であり、事業者や路線の実情により異なる。
ありがちな例(現存しないもの・これら要素を複数持つ例も含む)が
など、パターンはさまざまであり、特に早朝1便のみを駅でも営業所でも何でもないような始発の停留所から狙う場合は乗車体験が困難、担当運転士も「あの路線の始発のアソコでお客?いねぇだろンなもんjk www」などと高をくくっているケースや系統も多く、タイミングや「阿吽の呼吸」を逃せば乗れない、という感じである(時刻と方向が逆の場合は「お客さん、誤乗や乗り過ごしではないですか?」と尋ねられる場合もあるが、逆を言えばバス運転士や事業者も、少なくとも正当な運賃を支払う意志のある乗客に対しては客商売であるので、発車前や停車中などの安全な時間を見計らって「終点まで乗りますが、間違いではないです」旨を的確に伝えれば、よほど特殊な終着地でない限り応諾をもらえるはずである)。
また、運行回数は多いものの、大都市での「免許維持」として知られる例に、東京駅丸の内南口に乗り入れる東急バスの「東98系統」(読みは「とうきょう きゅうじゅうはち―」)、大阪梅田に乗り入れる近鉄バスの「阪奈生駒線(あくまで路線名だけであり、実際にその名の通りの系統運行はしていない)」ほかが有名である。特に後者は近年、都市間高速バスの隆盛もあり、大阪・キタに特段の拠点を持たない(≒もつれた大人の事情で持てない)近鉄バス(と、共同運行事業者)の「梅田」におけるバス乗降場として、発着系統は優に30系統以上と、絶大な効果を発揮している(時間帯によって制服着用の地上案内係もいるものの、設備の整った他のバスターミナルのように、雨風をしのぐことのできる整った設備は無い)。まさに権益的な意味で「ポール1本あるだけで丸儲け」、素人目にも「そんなにも違うの?」である。
近年の最たる例では、長い間休眠状態であった小田急バス(→小田急シティバス)の、新宿駅西口から甲州街道(・旧甲州街道)・調布を経由してよみうりランドを結ぶ路線が、2000年秋に突如、急行でも直行でも快速でもない一般乗合バスとして復活を遂げたことが知られる。その後は毎年、春季と秋季の日曜・祝日、1日2便の運転が定着しているので、よみうりランド行きに限っていえば、関東近郊に居住であれば体験乗車が比較的簡単な部類なものと思われる(夕方の逆便は、全区間通しで乗っても210円であるが、時刻表通りに新宿西口に着けるかどうかはまさに「神のみ」である)。おそらく採算度外視、下馬評通り「免許の維持」が目的であると思われるが「免許だけ持って運行しないならさっさと返上せいや、ゴルァ」と諸官庁から叩かれるより「(行楽好適時の)季節運行でございます(キリッ」として、新宿への系統を複数(形だけでも吉祥寺駅系統に加えもう1本)所持しておくことには、何がしかの多大なメリットがあるものと推察される。
更には、1年に1日の催事時系統ならいざ知らず、近鉄奈良線の向島駅前からは、奈良交通が運行する、実質循環片周り1本が月に1度、なぜか第二日曜日にしか走らないという究極?強烈?なキワモノ的路線が、2013年現在現存する(時刻表[PDF])「ウチら奈良交通やけど、京都市内で定期運行やってますねん…」というベタベタな既成事実のみが存在価値であると思われる。地図サイトやGoogleストリートビューで見る限り、果たして「住宅・準工業地域で月1便」が「公共交通」であるかはいささか疑問ではあるが…。
また、現在は廃止されてしまったが、乗り潰そうにも乗り潰せない路線が存在した。横浜市営の46系統「東神奈川駅~瑞穂岸壁」は瑞穂桟橋~瑞穂岸壁が米軍の敷地内となる為、その手前の「千若町二丁目」までしか一般人は乗車できなかった。
路線バスの一般的な乗り場。都市部のターミナル駅前・至近や繁華街・百貨店など商業施設の一角ないし数フロアを用いて「バスターミナル」などと呼ばれる大規模乗降場が存在したり、中規模のバス停がまとまって「(バス)駅」を名乗る場所もある。「自由乗降バス」についてを含め、詳しくは「バス停」の記事も参照。
バスにおけるグッズ収集は鉄道の様に方向幕の収集であったり、あるいは案内放送を収めた8トラテープであったいというのが多い。この他、バスの座席であったり、バス停の表示であったりと多種多様である。
大きな特徴としてバスが自動車である以上は比較的容易に所有する自家用車にグッズを実装できる点がある。例えば京急バスに見られる右左折アラームは配線関係をパスすれば、自家用車への装着が可能であるし、国鉄バスに見られたボッシュホーンも自家用車に装着可能である。
またデコトラの装飾にバスの部品が使われた事があるので、いくつかの部品は新品での購入も可能である。
国内バスの研究が多くなされているのに対して、海外バスに関してはまだまだ多くはない。雑誌関係では車両関係が古くより取り上げられていたが、海外渡航が一般的でなかった事、輸入車として入ってきた台数が少ない事、海外の事情が日本とは大きく異なっていた為、情報量が非常に限られていた。それでもネット全盛の今日ではかつてよりその資料は多くなってきている。
主に非バスファンが現地の日本人向けに実用目的で路線バスの記事を掲載するケースが多いが、最近は海外旅行の一般化でバスファンがバスメインで旅行するケースも多く、充実化といった今後の発展が期待される。
余談ながら海外バスの事情とは違うが、インバウンドの活発化に伴い、いくつかのバス会社は多言語対応になっているケースもあり、中にはかなり用途が限られるであろうタイ語のページを開設しているところもある。
今日、日本に導入される海外バスはネオプラン、メルセデス・ベンツ、バンホール・ヨンケーレなどヨーロッパに偏っている。その他はヒュンダイ、大宇と韓国メーカーが存在している。アメリカ製はイベント用にブルーバード製のスクールバスが導入される以外はその大きさや規格などの面で導入数は非常に少ない。
ヨーロッパ製バスの台頭は1980年代におけるモノコックからスケルトン構造への移行の過程で発生したもので、中央交通という大阪に本社を置くバス会社がこぞって導入を進め、その中で従来の日本製のバスにないスタイルが話題を呼び、日本のメーカーが開発を進めた。これ以降、ヨーロッパ製に範を取ったバスがいくつか登場した(いすゞ・キュービック)また、ロンドンバスもしばしばイベントで登場しているが、このバスは車高が日本の基準である全高3.8mを超える為、特認で運行されるケースが多い。
現状は日本車では対応できない連接バス以外では輸入量は多くない傾向がある。これは気候の違いからくる車両側の耐久性の差にある。無論、すぐに壊れると言うわけではないが低温低質と高温多湿が同居する環境においては車両に係る負担は非常に大きく、また日本車はメンテナンスも通常は込みになっており、ディーラー網が充実しているので遠隔地でも修理が可能なのに対して、ディーラー網が少なく、使用している部品も海外製と言う事もあり、故障した際に即運行が出来なくなったり、部品到着まで時間がかかる事で稼働率が低くなるなどのデメリットがあり、流行がすぎさった後は再び国内製に戻したメーカーがほとんどである。
アメリカのバスといえばステンレス製の大型車体にかつての日産ディーゼルのバスと同じ2サイクルエンジン独特の轟音、あるいはオレンジ色のスクールバスが想像される。アメリカ製乗用車が80年代初頭まで軒並み外車の代表として輸入され、少なからず国産車に影響を与えたのに対して規格面に大きな差異があり、また右ハンドルがないことから、車体単体での輸入は存在していない。
とはいえ、アメ車の乗用車同様大きく影響を受けた部分が多く、GMCに範を取ったモノコックの構造や日産ディーゼルにおける2サイクルディーゼルの採用は最たる例である。この他、前面窓拡大もGMCと歩調を合わせたように採用された。かつての観光バスのスタイルの一つにセミデッカーというものがあるが、まさにこれはアメリカを代表するバスモデルを参照したといっても過言ではない。この他、すでに解体されたという説が濃厚なのだが、かつて札幌市交通局資料館に保存されていたいすゞのバスはステンレスが採用されていたが、これはまさにデザインなどから見てもアメ車の影響がうかがえるものとなっている。
なお、ヨーロッパ製全盛の1980年代から90年代にアメリカ製バスがモーターショーに出品された事もあった。主にトレイルウェイズ社(アメリカの長距離バス会社、現存せず)で採用されたイーグルコーチ製バスがトーメン(現・豊田通商)をインポーターとして導入を検討していた。その当時の写真によると特徴的なステンレス製車体に3軸の足回り(但し、第2軸目はシングルホイール)、日本の基準に合わせた縦目4灯(本国では横目)に小排気量ながら高出力を出せるデトロイトディーゼル製2サイクルディーゼルの組み合わせであったが、2ストディーゼル+ATに抵抗があったのか、サポート体制に不安があったのか、本格導入とはならなかった。
バスファンに対応する外国語については…
がある。
バスファンとして何かしらバスに関係を持ってみたい人も多いと思われる。そこでここにいくつかの例を挙げる。
実際にバスを運転する事であり、バス趣味特有のものである。バスを運転するには大きさや用途にもよるが、一般的には大型二種自動車運転免許(「大型二種」)が必要である。ただ運転する場合は「大型一種」でも可能であり、公道でない場所では、操作さえ覚えていれば無免許運転も可能である。ただし「排気ブレーキ」「エアーブレーキ」や「フィンガーシフト」など、乗用車とはおおよそ異なる操作方法や車両感覚に違和感を覚える事は想像に難くない。
レンタカーにラインナップされる「バス」は、ほとんどが「マイクロバス」であり、我々の考えるようなサイズの大型バスの運転は自動車教習所(自動車学校)、それも「大型二種」を取得するカリキュラムが用意された施設の教習課程や、自動車運転に資する公的機関の施設でしか運転できないと思われる。
そのものズバリ、バスを個人で実際に所有する事である。新車の場合はマイクロバスでも600万円前後であり、観光バスともなれば装備の内容にもよるが、2,000万円は確実に超えるので、中古車である事がほとんどである。公道を走らせるには旅客営業しなければ、大型一種でも運転は可能である。ただし、バスの場合はいわゆる「白バス営業」防止の観点から、乗用車の中古の入手と比較して格段に所有へのハードルが厳しい。また、その大きさゆえに保管場所および、車検依頼先の確保も限られる。首都圏・関西圏などの地域では排ガス規制の関係から、継続しての所有にはコスト面での問題が大きい。
なお、厳密にはバスファンと異なるが、バスを購入してそれをキャンピングカーに仕立てるケースもある(通称:バスコン)。
バスに囲まれ、そして給料をもらうと言う考え方によっては理想の形が就職。言ってしまえばバスで飯を食うである。採用は運転士として活躍するか、主に営業所や本社で事務員として活躍するかが明確に分かれている。
前者の場合、大前提として大型二種免許を所持していることが条件となるが、会社持ちで要請する事業者も多い。無論、返済義務はあるので複数年勤務する事が条件となる。社会のインフラを担う一員として掛かる責任も大きいが、それ故にやりがいのある仕事とも言える。
昨今は慢性的に人員が不足している状況であり、中途採用だけでなく、新卒採用に募集をかける程である。というのも、やはりこの仕事のデメリットは365日車を動かさねばならないと言う事で休日なり勤務時間が不規則となる事である。また、適正検査も厳しいのでたとえ本人のやる気が優っていても、適性がなければ切らざるを得ない。
募集は年がら年中やっている所もあれば、年に1度と言うところもある。後者の場合は公営バスである事が多い。公営バスは言わずもがな就職した途端に公務員となるので、安定や福利厚生の面で非常に手厚く、募集の度に高倍率となる事が多い。
事務員として就職する場合、基本的には運転には携わらずに主に自治体などとの折衝や新規路線などの企画、営業所内の事務作業などを担当する。バスの運行が平穏無事に勤まるのも彼らの存在なしに成し得ない。
バス趣味の究極ともいえる形であるが、ここまで行くと純粋に趣味だけではやっていけない領域でもある。
一般的には観光バスまたは企業などと契約をして送迎バスを運行する事が殆どである。路線バスはテリトリーなどの関係で参入が非常に難しい為、数は多くない。
要件を満たせば登記自体は出来るのだが、同時にもはや自分一人の世界にあらず、従業員や旅客など多くの人が今度は絡んでくる。また自分自身に多くの責任が降りかかり、時として面倒事と直面する事もある。
また今まで一ファンとして接していたバス会社との関係もまた重要になってくる。ファンではなく同業他社としてビジネスとして接するので義理を欠けば干されたり、締め出されたりでまともに事業をやれないというリスクもある。
地域の公共交通機関を担う社会の一員として、安定した輸送機関としての信頼を得る為のありとあらゆる努力が必要となる。これらの労力は並大抵のものではないのだが、それでも情熱の結果として会社を興して軌道に乗せている会社も存在する。
非常にコアな分類であるが、テレビで出ているバスを考察する事である。
例えば撮影協力で出演している実在のバス会社の車両について、どの車両が使われ、撮影に際してどのように手を加えられているか、どこで撮影されたかを考察する。実名で使用されるケースもあれば、外装に手を加えて架空のバス会社に仕立てて撮影に供されるケースもある。また、方向幕も通常の行き先を出しての使用なのか、敢えて架空の地域を出して使用しているのか、そして撮影場所がどこなのかを推測する。古いドラマの場合、その当時のバスの有り様、果てはその当時の世相などが推測出来るので非常に興味深いものとも言える。
この他、アニメに出てくるバスからの考察もある。昨今のアニメは細かい書き込みも緻密なので作画一つでどこそこのどの地域のどのバスかが推測できるケースが多い。なので「アニメから見る鉄道車両」ならぬ「アニメから見るバス車両」と言うのが出てくる…かもしれない。
バス走行音。同一形式であるが、左は5速オーバードライブ、右は5速直結である。
車窓。バスの場合は前窓が大きいので前面展望も割かし容易である。
鉄道でおなじみの迷列車シリーズのバス版も存在する。新たなバス趣味の傾向として注目すべきであろう。
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最終更新:2025/01/12(日) 16:00
最終更新:2025/01/12(日) 16:00
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