「知己を得る」という言い方は「知遇を得る」の誤用ではありませんか?教えて下さい。 近ごろ「知己を得る」にたびたび出会います。誤用だと思っていたのですが、 きょうは岩波書店発行の学術書の中で出会ってしまい、愕然としています。Yahooで検索してみましたら無数に使われています。「なんでも広辞苑」とは思いませんが、「○○さんの知己を得る」では意味が通らないと思うので背中がムズムズするような心地悪さを感じてしまいます。 ご教示をよろしくお願いいたします。

「知己」は親友のことです。 「己を知る」がなぜ親友を指すかというと、「自分の人柄や埋もれた才能などを知っている人・理解してくれている人」という意味になるからです。 出典は『史記』刺客列伝、「士は己を知る者のために死す」です。（もともとは「己の埋もれた才能を知って厚遇してくれる主君」という意味でしたが、時代とともに「親友」の意味に代わってきたようですね） ちなみに「○○さんの知己を得る」という例文はおかしいですね。 「○○さんが知己を得る」なら「○○さんが親友を得る」という意味として通じますが…。 例文の方が「知己」と「知遇」とを間違えている可能性があります。